第354話 戦闘参加
<アニムside>
地上部隊はお互いに
ただ、上空の戦艦と戦闘機による攻撃に押されつつあるように見える。
・・・・
しばらく見ていたが、やはり右側の方が弱い。
俺はホログラム映像を見つつ発言してみた。
「スバーハ隊長、発言してもいいですか?」
「はい、どうぞテツ殿」
スバーハが見ていたモニターから視線を外し俺を見る。
「戦術に口を出すわけではないですが、どうも映像を見ていると右側が弱いように感じます」
俺がそういうとスバーハはうなずく。
「えぇ、その通りです」
「俺たちが右側に出て援護しましょうか?」
スバーハがバッとこちらを見て言う。
!
お、驚くだろ、スバーハ。
「よろしいのですか? 王様からはテツ殿には好きにさせて良いと言われておりますが、援護していただければありがたいです。 よろしくお願いします」
そういうと、俺の手をギュッと握ってくれた。
スバーハ隊長、男に手を握られてもうれしくないぞ。
俺はフレイアの方をチラっと見る。
「フレイア、いいかな?」
フレイアもうなずいてくれた。
「あ、隊長。 回復部隊はどこに待機しているのですか?」
俺は聞く。
「ええ、それは飛行船を臨時救護施設として戦場では利用しています。 飛行船には防御結界も備わっていますからね」
スバーハが答えてくれる。
「そうですか、ありがとうございます」
俺が軽く礼を言うと、スバーハが聞いて来る。
「どうかされたのですか?」
「いえ、自分たちがやられた時に、どこに収容されるのかと思いまして・・」
俺は笑いながら答える。
スバーハも笑いつつ、すぐに違う指示を部下に出していた。
さて、こちらも忙しそうなので俺たちは右翼の方へ移動しよう。
スバーハたちに挨拶をして外へ出る。
「行こう、フレイア」
「うん」
すぐに到着したが、現場の指揮官はいない。
全員で事に当たっているようだ。
俺たちもすぐに戦闘準備だ。
「フレイア、あの飛んでる戦闘機だが、落とせるか?」
「う~ん、わからないわね。 ワイバーンよりも速く飛んでる感じがするわ。 でも、当たれば一撃ね」
フレイアが軽く答える。
「そうか。 じゃあ、俺はあの戦艦の方へ行ってみるよ」
そういって、1キロメートルくらい先の戦艦を指さした。
フレイアと目で合図すると、俺はダッシュする。
空では、騎士団のワイバーンと連合国の戦闘機との戦闘が繰り広げられている。
戦闘機からバルカンだろうか、ピンク色の曳光弾(えいこうだん)のようなものがワイバーンに発射されていた。
ワイバーンも口から火を吐いたりしている。
その背中では騎士団が魔法詠唱したり弓などで魔法の矢を放ったりしていた。
俺はそれを横目に走って行く。
地上でも、バジリスクを前面に剣術や魔法、弓などいろんな攻撃を仕掛けていた。
リーダーはいないのか?
というか、もう乱戦に近いな。
お互いに、目の前の敵をたたいている感じだ。
その状況の奥に戦艦がどっしりと構えて、援護射撃している。
戦艦は横と奥に重厚感を持って広がっている。
威圧感がかなりある。
その地上の間を駆け抜けて、1隻の戦艦の甲板の上に俺が飛び乗った。
相手にしてみれば驚いただろう。
今まで、誰も地上から飛び上がって来るものはいなかった。
騎士団も前から迫って来る地上部隊に対処していて、単独行動はできていない。
騎士団員の中には俺が戦艦に飛び乗ったのを見た者もいるようだ。
「お、おい、何か駆け抜けて上に飛んでいかなかったか?」
「はぁ、はぁ・・そんなの見ている場合か! 前から来たぞ!」
連合国からは戦車や装甲車が配置されていた。
砲弾が騎士団の中で炸裂する。
騎士団員と同じくらいのレベルの魔核を使っているらしく、結構なダメージを受けているようだ。
直撃すると兵士は吹き飛ぶ。
「うわぁぁ!!」
「くっそー!! あんな変な乗り物に・・・」
騎士団員と連合国の地上部隊とでは、少し騎士団員の方がレベルが高い。
それがかろうじて崩壊を防いでいるようだった。
◇◇
<連合国side>
テツが飛び乗った戦艦の艦橋。
「おい! 第一砲塔のところに何かいるぞ!」
艦橋にいた観測員が隣の人に言葉を飛ばす。
その瞬間に蒼い光がバッと輝き、第一砲塔、第二砲塔と蒼い光が駆け抜けていく。
「な、なんだ?」
艦橋にいた人たちも違和感に気づいて、全員が前のめりになっていた。
蒼い光が駆け抜けると、赤い爆発光が大きくなっていくのが見える。
◇◇
<アニムside>
俺は甲板に上がると、抜刀して飛燕に魔法を込める。
甲板上には誰もいない。
蒼い光を
そのまま艦載砲を斬ってみた。
スパッ!
斬れる。
そう思いつつ、甲板上にある3つの艦載砲をすべて切断。
そのまま、シルバーを取り出して、魔弾フレアを撃ってみる。
撃った直後、飛び降りて地上へ到着。
俺は空を見上げる。
戦艦から赤い光が漏れたかと思うと、大爆発を起こそうとしていた。
!!
しまった!
周りの連中に魔法防御をしろと言ってなかった。
急いで声を出す。
「魔法防御しろ~!!!」
俺は少し後悔したが、とりあえず言うだけは言っておかないと。
でも、完全に聞こえてないよな。
戦艦のあったところを中心に、爆発の球体が広がって行く。
「テ、テツ、あのバカ!」
フレイアが矢を放ちながらその光景を見て言葉を出していた。
周辺の人たちに防御魔法をかけつつ、急いで防御魔法を徹底してくれとフレイアが伝えたようだ。
現場の隊員たちも赤い光の球体が広がっているのを見て、考えるよりも先に行動していた。
「『全員防御魔法を展開せよ!』」
声とともに、騎士団部隊に念話が送られていた。
飛行船は初めから防御されている。
赤い球体が広がりつつ、炎の柱が渦巻くのが見えてくる。
ところどころ黒い炎の塊が揺れ動きながら、広がっていった。
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