第340話 図書館で調べてみるも・・
順番待ちもなくそのまま席についた。
「テツ様、いかがされましたか?」
アリアが営業スマイルで聞いてくる。
「あぁ、実はギルを振り込んでもらいたい」
「わかりました。 手数料として10%をいただきますが・・」
アリアが説明をしようとしてくれるが、エレンさんに前に説明を受けていると伝えた。
「どなたに振り込まれるのですか?」
アリアが聞く。
「あぁ、ルナさんのところのシルビアだ」
俺がそういうと、パネルを取り出して表示させてくれる。
シルビアの顔が映し出されて、振り込むギルを教えて振り込んでもらった。
バジリスクなどの魔石のお金だ。
手続きはすぐに終わり、俺は「ありがとう」と言って席を立つ。
その時にアリアにお礼を言われた。
「テツ様、いつもありがとうございます。 多額のご寄付をいただいて・・」
俺は物欲がほとんどない。
手に入れるまではそれなりに頑張るが、手に入れると飽きてしまうというか、どうでもいい感じになる。
お金、ギルも天文学的な額を見た。
驚いたがそれだけだ。
だから、俺のギルの6割をギルドで上手に使ってくれと渡している。
俺が稼いだ分の6割を常にギルドに寄付している感じだ。
嫁にもきちんと振り込んでいるぞ。
学校などをメインに、後は社会システムの維持に使ってくれと初めに言っておいた。
この帝都ギルドなら問題ないだろう。
アリアも次の接客の用意をしていた。
忙しそうだ。
俺はそう思いつつ、掲示板を見に行く。
なるほど、いろいろと街などの施設が増えているな。
ロシアのエリアもあるが、ギルドと関係ない地域ばかりだな。
こうやって見ていると、アニム王国の勢力がむしろ小さい感じがする。
ドワーフ国は広がる気配はない。
精霊国や魔族国なども同じだ。
ギルドだけは点の数が増えているが、それだけだ。
国としての広がりはほとんどない。
地球人の街というか、国というか、そんなエリアは広がっている。
俺はそれを見ながら考えていた。
魔物の大発生も落ち着いてきている。
どことも魔法やレベル、スキルの活用もわかってきただろう。
力を持つとどうなるか。
それこそ歴史が証明している。
特に、地球人というのは同じ過ちを繰り返してきた。
もし、地球に意思があれば、それを改善するためにアニム王などの種族を召喚したのじゃないのだろうか?
そう思ってみるが、答えは出るはずもない。
あのエスペラント国だったっけ?
ロシアの地域と近いよな。
アメリカもどうなんだ?
ギルドはあるようだが・・わからん。
俺は掲示板を後にして、ギルドを出る。
時間は15時30分頃。
ちょっと図書館に寄って行こう。
俺は少し頭にひっかかっていたものがある。
あのスキル、
神と名前がつくのだから、相当なもののような気がするが、違うかもしれない。
とりあえず調べてみたい。
図書館の前に到着。
受付でライセンスカードを出し、聞いてみた。
「スキルに関する書物って、どこにありますか?」
受付の人は、笑顔で嫌がらずに答えてくれる。
どうやら2階の魔法などの書物の隣にあるようだ。
俺はお礼を言って2階へ上がっていった。
また、ここでもカードを提示して書物のところへ向かう。
えっと、この筋にあるはずなんだが。
そう思ってみていると、スキル関係の棚があった。
・・・
かなりあるな。
まぁ、とりあえずこの辺りから見ていくか。
受付に調べてもらってもいいが、自分のスキルを知られたくない。
俺はそう思い自分で探していた。
俺が手を伸ばして本を追って行くと、チョンと手が当たった。
「あ、すみません」
俺は急いで謝る。
俺の横でも本を探していた人がいたようだ。
銀色のきれいな髪をした女の子だ。
その女の子は軽く頭を下げ、何も言わずにまた本を探している。
片手には魔法の本だろうか、3冊ほど持っていた。
この子、地球人だよな?
俺はそう思いながらも、まずは自分のことを調べるのが目的だ。
すぐに本棚を探し直す。
図書館の中にはある程度人がいるが、みんな静かにしているので全然気にならない。
俺は3~4冊の本を手に、読める机に持っていく。
椅子に座りパラパラと本をめくってみた。
・・・スキル。
人により様々な名称がある。
個体によりその効果は不明。
なるほど。
読み語順で見る。
シ、シ、シンのところをめくってみる。
・・・・
・・
結構な数の本を見たが、神光気はなかった。
カミのところも見てみたが、ない。
光の鎧や光闘気なんていうのはあった。
光の魔法を自分の身体にまとい、攻撃力や防御力を高めるものだ。
素手で戦う職種で、稀に光闘気というスキルが発動するようだ。
武装闘気とも呼ばれているとか。
飛躍的に身体能力が高まるという・・すごいな。
ま、何にせよ、俺のいただいたスキルだ。
大事にしたいしそのうちわかるだろう。
ダメかな?
時間を見ると17時になっていた。
結構時間を費やしたんだな。
図書館の中には人は2~3人ほどしかいないようだ。
ん?
あれは、俺が本を探していた時に手が当たった子だよな。
銀色の髪の子は、机に座って本を読んでいた。
勉強熱心な子もいるんだな。
俺はそう思うと図書館を後にし、家に帰っていく。
家に到着。
さて、早速夕食作りだ。
得意の野菜炒めを作ってみた。
食材はたっぷりある。
オーク肉で焼いてみよう。
フライパンにオリーブオイルを敷いて、肉を投入。
きつね色の焦げ目がついてきたところで野菜を大量投入。
ジュワー・・っと、いい音と匂いをさせている。
それにしても、アイテムボックスは便利だ。
素材が痛まない。
ありがたい。
できあがり!
いただきまーす。
我ながら、おいしい。
時間は18時過ぎ。
少し颯や凛の様子を見てくるか。
嫁の家の前に到着。
呼び鈴を鳴らしてみる。
「はーい」
嫁の声だ。
ドアが開かれると、凛がいた。
「あ、パパ~!」
駆けて近寄って来るのでスッと抱き上げる。
頭をなでなでしておろす。
「失礼しまーす」
そういいつつ、家の中へ入って行く。
どうやら夜ご飯のようだ。
「あら、テツさん、どうも」
お義母さんが言う。
すっかり娘の家の住人になったな。
「どうも・・」
俺も挨拶は返しておく。
「パパさん、何か用?」
嫁が聞いて来る。
「いや、ちょっと様子見に来ただけ」
「あっそ」
嫁はそういいながら、お義母さんと一緒に食事をテーブルに運んでいた。
颯がバーンやスラちゃんと一緒に遊んでいる。
凛も加わって遊ぶ。
「テツ、やっぱりスラちゃん怯えてるよ。 なんでだろうね?」
颯が言う。
「さぁ、よくわからないが、結構魔物を倒したからじゃないかな」
適当に答えてみる。
「ふ~ん」
納得したのかどうかわからないが、バーンを手に乗せてはしゃいでいた。
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