第307話 家族って・・
「そっかぁ・・みんなこれから楽しくなりそうだな」
俺がそういうと、優が話しかけてくる。
「おっさんは通わないの、学校?」
「う~ん・・今、そのことが頭をよぎったんだが・・わからんな」
俺は正直に答え、付け加えた。
「でも、何でも基本から学ぶのは、大事なことだと思うぞ」
優は苦笑しながら俺をみている。
俺が学べってか?
ま、親の言うことなんて聞く歳じゃないだろうが、頭には残るだろう。
「後さ、この家なんだけど・・今思ったんだ。 フレイアに管理してもらおうと思う」
俺はみんなの話を聞いていて、思いついたことを言ってみた。
当然、フレイアが驚いている。
「え? テ、テツ・・」
フレイアが口をパクパクさせている。
俺はそれを横目に発言を続ける。
「いつまでも、屋根で寝てるなんてよくないだろう。 それに、フレイアが管理維持してくれたら、掃除の手間も省けるしね。 みんなが気軽に集まれるんじゃないかな?」
フレイアがすぐに反応する。
「テツ、エルフは外で寝ても問題ないんだ。 それに、風魔法で身体を
少し焦っているような感じだが、次の俺の一言で決定した。
「フレイア、単に管理するんじゃないんだ。 ここで、軽いカフェみたいにして、スイーツなんか提供したらいいんじゃない?」
俺の言葉にフレイアが固まる。
「スイーツ・・」
そうつぶやきながら、少しジッとしていたが、うん、うん、とフレイアは頭を縦に素早く動かした。
これで決まりだな。
家族の集まる場所にしようかと思っていたが、どうもそんな感じにはならないようだ。
ならば、と思い全く知らない人じゃないし、それなりに馴染んできたフレイアに預けてみようと思ったのだが・・。
まさか、本格的なスイーツカフェになるとは思ってもいなかった。
後日談になるが、フレイアの薬草の知識を生かして体調を整える飲み物も提供するようになる。
嫁は俺がこれだけ自由に発言しているが、何も言わない。
まぁ、自分のパーソナルスペースに入ってきてないので、スルーなのかもしれない。
いや、既に俺などアウト・オブ・眼中なのかもしれないな。
俺に対する扱いだけが変なだけで、子供たちには普通に接している。
そこは評価するんだが。
まぁいい。
時間は16時前。
結構時間が過ぎていたんだな。
みんなもそれぞれ納得したらしく、家に帰っていった。
俺も、フレイアにこの家を任せて家に帰ろう。
「じゃ、フレイア。 よろしく頼むよ」
「あぁ、テツ。 ありがとう」
フレイアはニコニコしながら手を振っていた。
俺も自分の部屋というか家に帰って、リビングで一人椅子に座って考えてみる。
・・・・
本当にいろいろあった。
夢じゃないのか?
そんなことを考えてみる。
だがリアルだ!
ボォーッと上を向いて、椅子に身体を任せてみる。
・・・
優は問題ない。
凛や颯も普通に育っている。
今までの日本では、これは家族とは言えないだろう。
いや、言えるのか?
俺は家長としての義務を果たしていない・・いや、そもそも家長なんて枠を作ること自体がダメなんじゃないか?
しかしなぁ、不自由があって自由がわかるっていうしな。
そもそも家族の定義なんて、わからない。
時代によっても違う。
動物なんて、ほとんどのオスは種付けだけだ。
いや、タツノオトシゴは違うな。
俺の定義というのではないが、子供たちの為なら俺は盾になれる。
それは間違いない。
嫁は・・無理だな。
お義母さんは・・関係ないな。
これではドライすぎるか?
わからない。
ただ、時間が過ぎて、人として感謝の気持ちが勝手に湧き出てきたら、それはそれでいい関係ができたということだろう。
先に定義しても意味がないんじゃないか?
・・・・
・・・
そんなことを考えていたら、少し眠っていたようだ。
自然と目が覚めて、時間を確認すると20時を過ぎている。
よく寝れるよな。
俺は自分自身に苦笑した。
椅子に深く座り直し、身体を整える。
そんなにお腹が空いた感じはない。
どうしようかな・・これからのことだ。
とりあえず自分のステータスを確認
ステータスオープン。
テツ(ランクA)
レベル:42
種族 :人
HP :720/720
MP :530/530
力 :618
防御 :575
敏捷 :787
技能 :493
運 :72
職業 :賢者9
固有スキル
罠解除☆
上忍術☆
鑑定☆
アイテムボックス☆
自動回復☆
祝福☆+β
魔法耐性☆
調理4
ん?
なんだ?
今気づいたぞ。
祝福の+αがβに変わっている。
は?
俺は祝福のところをタッチしてみる。
・・・
何やら、フェニックスとの接触でα。
クイーンバハムートとの接触でβ・・そんなことが記載されている。
詳しくは書かれていない。
俺的な考えだが、どうやら神クラスの魔物? 生き物?
その接触か交流か、そんなものがあると記載されるのかもしれない。
別に、悪いことではないだろう。
次にお金、ギルだが・・もはや、俺には天文学的な額になっている。
どうでもいい。
とにかく、お金に関する生活には困ることはないだろう。
あのアホ嫁、金、金と言っていたのに、それは言わなくなった。
次は俺の行動に文句を言おうとしている感じだな。
いや、あの嫁を基準に考えると俺の世界が狭くなる。
放置だ。
・・・
俺はしばらく考えていたが、明確な答えは思い浮かばない。
やっぱ寝るか、そう思いベッドに腰かけた。
寝る前のお仕事。
例のごとく魔弾を作る。
フレアだな。
そう思って、2つほど作った。
かなりしんどく感じる。
出来上がった魔弾をアイテムボックスにしまうと、そのまま横になった。
・・・・・・
・・・・
・・
朝が来たようだ。
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