第255話 ギルド・・また大きくなってるな


時間は13時30分を過ぎていた。

俺たちは帝都ホテルを出て家に帰る。


家の中に入り、出発するための準備の確認。

・・・

だが、特に持っていくものもない。

クックック・・俺は一人苦笑した。

横で見ていたフレイアが変な顔でこちらを見る。

「フレイア、俺って考えてみたら持っていくものがあまりないんだよな」

フレイアに笑われた。


さて、ギルドに寄ってから出発するか。

フレイアも特に持って行くものはないようだ。

俺たちは家を出てギルドへ向かう。


ギルドに到着し、中に入るとかなりにぎわっていた。

!!

受付が5つに増えていた。

そこから目線を移動させると、飛行船の発着場への昇降装置が3つになっている。

おい!

すごいな。

いったいどれだけ発達したんだ?


受付に行くと待ち時間なく対応してくれた。

「いらっしゃいませ、テツ様」

アリアが対応してくれる。

俺は席に座りながら挨拶をする。

「アリアさん、ども。 俺も、今入って来て驚いたのですが、受付が増えているし昇降装置も増えてますね」

俺は見たままを言ってみた。


「そうなんですよ。 どんどんとギルドネットワークが完成してきています。 掲示板の横に、発着場のどの番号からどこの街へ行くのか、地図と場所が見れるパネルがありますよ」

アリアが元気よく教えてくれた。

「あ、それからテツ様。 ギルドマスターからの伝言を預かっております」

アリアがそういうとパネルを近づけ、俺のライセンスカードにメッセージを転送したようだ。

・・・

なるほど。

そんなこともできるんだ。

俺はそう思いながら、今ここでメッセージを見てもいいかと聞いてみた。

アリアはどうぞと言ってくれる。

・・・・

見方がわからない。


アリアが説明してくれた。

ライセンスカードのところに表示されている、メッセージのアイコンをタッチするといいみたいだ。

言われるままにタッチしてみる。

カードの上に、ホログラムのような感じでギルマスが現れた。


「やぁ、テツ君。 早速だが、このメッセージを見たら、王様のところまで来てくれるかね? 少し聞きたいことがあるんだ。 まぁ、急ぐものでもないがよろしく頼む」

ギルマスはそういうと、パッと消えた。

アリアがメッセージが不要なら、アイコンをタッチして指でピッとカードから捨てるようにすると消えると説明してくれた。

なるほど・・確かに消えるな。


アリアが笑いながら、どういった要件でギルドへ来たのかと聞いてきた。

あれ、何だっけ?

あ、そうだ冒険だ。

今からまた帝都の外を冒険するつもりで立ち寄ったと伝える。

俺はアリアにお礼を言って、ギルドを出た。

フレイアも一緒について来てくれる。

まずは王宮へ向かおう。


王宮にはすぐに到着する。

係の人に、アニム王に面会を求めるとすぐに案内してくれた。

どうやら会議室のようだ。

少し緊張するな。

会議室の扉を開けて、係の人が伝える。

「アニム様、お連れいたしました」

そう言ったかと思うと、俺の後ろで扉を閉めていた。


「やぁ、テツ。 忙しいところすまないね」

アニム王が声をかけてくる。

「いえ、とんでもありません」

俺はそう答えつつ、アニム王の方へ近寄っていった。

アニム王にうながされ、席につく。

フレイアも横に座る。

アニム王の横にギルマスがいる。

その横には王宮の重鎮じゅうちんだろう人、年配の人が二人いた。

騎士団の人もいる。


ギルマスがアニム王に目礼をして、俺に話かけてきた。

「テツ君、呼び出して申し訳ない。 早速だが、聞きたいことがあるんだ」

ギルマスが真剣な顔で聞いてくる。

「はい、何でしょうか?」

俺も気を引き締めて答えた。


「実はね、この星で負のエネルギーの集まる場所というか、大量に人が亡くなった場所とか、恨みを持っている人たちが集まる場所とか・・そういった場所、そういうことがあった場所とかはないかな?」

ギルマスが慎重に言葉を選びながら聞いてくるのがわかる。

・・・

俺は少し考えて答える。

だが、いきなりで何を言っているのかわからない。

・・・

「あの・・いったいどういうことでしょうか?」

俺は少し考えて答える。

ギルマスが笑いながら話す。

「あ、これはうっかりしていた。 すまないなテツ君。 こちらで話を進めていたもので、ついつい本題から入ったようだ。 邪神教団の関係のことなんだ」

俺はギルマスの話を聞きながら、まずは答えようと思った。

王宮の重鎮たちの目線のプレッシャーが強い。

とにかく先に回答しなければいけない感じだ。


「・・私の知識でしか答えられませんが、我々の種族のそんなに遠くない過去に、戦争とかで大量に人が亡くなった場所はいくつかあります。 それに宗教などの争いで、虐殺ぎゃくさつされた場所なんかもあると思います」

いかんせん、学校で習った程度の知識しかない。

・・・・

・・・

「詳しくは、地上の街の図書館などへ行けば、確実な資料があると思いますが・・どうかしたのですか?」

俺の言葉にギルマスとアニム王が目を合わせて答える。

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