第247話 なんか、あっけないな
さて、残るはヒュドラだ。
サーペントの集まりと思えば・・と、自分に言い聞かせてみる。
・・・
気持ち悪いのは仕方ないか。
のっしのっしとヒュドラが近づいてくる。
なるほど、頭の大きさはサーペントくらいはあるようだ。
それが5つある。
身体は一つ。
器用に身体をくねらせるが、頭の部分が重いのか、不自然な動きに見える。
だが、前には進んでるな。
そう思っていたら、予想外のことが起きた。
!!!
ジャンプをした!
身体をグッとシャクトリムシみたいに縮めたかと思うと、そのまま俺たちの方へ飛んできた。
俺は少し回避が遅れる。
まさかこの巨体が飛んでくるとは。
俺たちのいたところに着地。
ドーーーーーーーーーン!!!!!!!
大きな重い音と振動が発生する。
ベコッと地面はへこんでいた。
あの巨体だからな。
俺は横に飛びながら確認していた。
回避は遅れたが、相手の動きが速くはないので問題ない。
ただ、でかい。
フレイアも無事、回避できたようだ。
俺は刀を抜き、真正面で構える。
さて、どうするか?
あまり考える時間はない。
・・・
やってみるか!
俺は頭に閃いたことを実行してみようと思った。
フレイアに念話を送る。
『フレイア、大丈夫だったか』
『あ、テツ・・うん、大丈夫。 どうしたの?』
フレイアも無事みたいだ。
『俺が、ヒュドラを斬ってみる』
『え? あの巨体を斬るの? というか、できるの?』
フレイアが何バカなこと言ってるんだという感じで聞いてくる。
『いや、わからない。 ぶっつけ本番だからな。 だが、たぶん大丈夫だと思う。 刀に魔法を
俺はそれだけいうと、意識を集中した。
もう念話する余裕はない。
刀からオーラというか、意識を広げて剣を巨大化するイメージを固めていった。
・・・
一気に意識を解放する。
刀の付け根部分から
俺の目の前に蒼い光の大きな剣ができていた。
長さは電柱くらいあるんじゃないか?
それよりも長い感じか。
重さはない。
横幅はそれほど広くはない。
軽く刀を振ってみる。
ヒュン!
その動きに合わせて、蒼い光の大剣が動く。
少しヒュドラにかすったようだ。
ヒュドラが叫ぶ。
「「「「「ギィェェェェェェ・・・・・!!」」」」」
叫び声が頭ごとで重なって変に反響している。
これだけで怖いぞ。
剣はとても軽く振るうことができるが、その動きには違和感を感じる。
速度が半端なく速い。
俺が普通に刀を振るう速度で、その大きな剣が動いている。
だが、今はそんなことを気にする余裕はない。
そのまま一歩踏み出して、ヒュドラに向けて上から切りつけてみた。
ヒュドラの頭の部分が3つほど吹きとんだ。
返す刀で横薙ぎに払う。
ズパン!!
踏み込みつつ、縦、横、縦、横・・と、斬りまくった。
・・・
・・
もう目の前にヒュドラの巨体はない。
ただ、肉片が散らばっていた。
尻尾の残りの肉片部分がうねうねとしているのが、やはり気持ち悪い。
しばらくするとヒュドラの肉片が蒸発する。
『経験値を獲得しました』
『レベルが上がりました』
天の声が聞こえた。
なんか、あっけなかったな。
フレイアが近寄って来る。
俺は変な疲労感を感じる。
どうやら魔力をかなり使ったようだ。
その場に座ってしまった。
「ふぅ・・」
俺が息を整えていると、フレイアが呆れたように話しかけてきた。
「テツ・・一体なにをするのかと思えば、まさか魔法で剣を作るなんて・・」
「はぁ・・ま、勝てたんだからいいじゃないか」
俺はそういって、ステータスを確認した。
「そりゃ、そうだけど・・」
フレイアが横で
テツ
レベル:42
種族 :人
HP :680/720 +15
MP :210/530 +20
力 :618 +10
防御 :575 +10
敏捷 :787 +10
技能 :493 +15
運 :72
職業 :賢者9
固有スキル
罠解除☆
上忍術☆
鑑定☆
アイテムボックス☆
自動回復☆
祝福☆+α
魔法耐性☆
調理3
フレイアが小言を言っていたが、あまり聞こえなかった。
俺は自分のステータスを見つつ考えていた。
レベルは上がった。
そして、職のところの数値が上がっていっている。
やはり、次の職があるのだろうか?
それとも、カンストして終わりなのだろうか?
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