第222話 ふぅ・・
タイタンの動きは速くない。
両腕の追尾ミサイルみたいなのと、今のビームみたいな攻撃を気を付けるのが優先だな。
だが、今の攻撃は威力が大きいかわりにタイタンの移動が束縛されるだろう。
固定砲台みたいなものだ。
問題は、あの飛んでくる腕だ。
とても長い腕と思って対処するしかないか。
そう考えつつ、タイタンとの距離を詰める。
両腕がタイタンから離れ、俺を追尾してくる。
俺はタイタンを中心に円を描きながら、距離を詰めていった。
どうやら、近くにくると腕がうまく動かせていない。
というか、俺がチョロチョロ動いているから対処できないのだろう。
遠くならよく把握できるが、近くにきて高速で動かれたら難しいみたいだな。
・・・
そして、ついにタイタンの前に来た!
で、でかい。
3階建てのビルくらいはあるんじゃないか?
だが、そんなことを言ってる場合じゃない。
タイタンが両腕を振り上げて、俺目掛けて振り下ろしてきた。
こ、怖ぇぇぇ・・。
俺はそれを見つつ、刀を抜いてタイタンの左足、ひざ下を切り抜けてみる。
ザン!
刀はどうやら通るようだ。
タイタンの左側から後ろへ抜けた。
タイタンの両腕が地面に叩きつけられる。
!!!!!!!
音にならないような音。
衝撃波だろう・・空気が先にゆらぐ。
このエリア全体が震えるような
タイタンも揺れの中心にいるので、うまく動けないようだ。
おかげで、追撃がなく助かったが。
その振動が弱くなってくると、タイタンが左に傾いてきた。
・・・・
左側に倒れる。
すぐさま手を杖代わりにして、上体を起こしていた。
左膝で地面を押さえ、体勢を整える。
そして、ゆっくりと俺の方を向く。
左腕は身体の支えに使っているみたいだ。
!
タイタンが右腕を俺に飛ばしてくる。
こいつ、まだ戦う意思を失っていないのか。
本当にロボ兵器じゃないだろうな?
飛んでくる腕を避けるのはそれほど難しくない。
俺はそれを右側に避ける。
・・・・
思った通り追尾してきた。
!!
その腕に白く光る矢が刺さる。
フレイアが援護してくれているようだ。
1つ、2つ、3つ・・・と連続で刺さって行く。
俺は追尾から逃れ、移動するので精いっぱいだ。
すると、矢の刺さったところが光ってはじけていた。
タイタンの右腕が半分以上消滅。
それでも、まだ残っている。
俺はそれを確認し、腕に向かって走る。
これくらいの大きさになれば、怖くはない。
腕を目掛けて刀を走らせる。
ズバッと手ごたえを感じた。
タイタンの腕がその場に落ちていく。
なるほど・・やはり何か見えないものでつながっていたのか。
そう思った時だった。
タイタンの口部分が、また白く発光していた。
!!!
あいつ・・あの状態から撃つのか?
俺は急いでタイタンの右側方向へ移動をする。
タイタンの口のところがパッと光り、首を回転させて俺の方へ向いてくる。
俺の動きを追っている感じだ。
だが、俺の動きよりも遅れているため、俺からはそのビームらしきものがよく見える。
まさにビームだ!
その放つ先には、魔物たちがいたようだがすべて消し飛んでいる。
何も残らない。
ビームの後の地表は、赤いマグマのような状態になっている。
その光線が俺の方へ近づいてくるが、どうやらエネルギー切れのようだ。
光線は細くなりながら、かすれて消えて行った。
そのタイミングで、俺はタイタンに一気に近づいていく。
ダッ!!
腕を斬ることはできたんだ。
とにかく斬って、斬って、斬りまくるだけだ。
それだけを考えて走る。
タイタンとゼロ距離!
覚悟を決めて、タイタンの左腕を目掛けて斬る。
斬れたかどうか確認する間もなく、そのまま右腕の上部にも斬りつけた。
俺が斬りつけていると、フレイアの白い矢がタイタンの後方から飛んでくる。
タイタンの背中部分と頭などに、次々に刺さりはじける。
はじけた部分は、えぐれたり消滅したりしていた。
タイタンの身体にいくつかの穴が開いてる状態だ。
!!
今がチャンスだろう。
俺は飛燕を握り直し、きれいに切断できるイメージを持ちつつ、タイタンに斬りかかる。
タイタンは両腕が欠けているので支えるものがない。
身体が横倒しになろうとしていた。
俺は倒れていく身体に飛び乗り、斬りつけながら移動する。
タイタンの頭部分に来たときに、刀を引き抜き全力で
タイタンの頭と胴体を斬り離すことができたようだ。
それだけではなかった。
地面までかなり深く斬りつけている。
その切れている地面を眺めつつも、タイタンの身体に何度か刀を斬りつける。
タイタンはそのまま地面に突っ伏していく。
ドゴォーーーーーーーン・・・・・・
・・・・・
しばらくすると、タイタンは蒸発した。
『経験値を獲得しました』
頭の中で天の声が聞こえる。
どうやら勝てたようだ。
俺は飛燕を収納し、タイタンの魔石を回収する。
辺りを見回すと同時に、索敵もしてみる。
魔物の反応はない。
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