第208話 ダンジョンへGO!
暗黒魔法などはグロすぎて、イメージしたくない。
魔法属性というのがあるようだ。
要は得意なイメージを繰り返しているうちに、その属性が強くなるようだと勝手に理解。
というのも、反復使用により魔法属性がわずかずつ変化し、よりイメージが強く現れるとある。
また、使用者との適性もあるらしい。
そんなことを難しく書いている。
とにかく使って、使って、使いまくれってことだと、単純に俺はまとめた。
よし!
これで気持ちの準備は問題ない。
フレイアはゆっくりと読書してる感じだ。
俺みたく、いそいそと本をめくってはいない。
その読書している姿は、どこかの文学少女のイメージだな。
黙ってみていると、ほんとにきれいなんだよな、フレイアは。
俺が見つめていると、フレイアが気づいたらしくそっと声をかけてくる。
「テツ、終わった?」
「うん」
フレイアも本を閉じて書棚に返しに行った。
「フレイアの方も、何か得るものあった?」
「う~ん・・新しい発見はなかったけど、やはり魔法は奥が深いわね」
「・・・」
俺は言葉がなかった。
まるでむさぼるように本をめくっていたからな。
そういえば、お腹空いたな。
フレイアにお腹空いてないかと聞くと、別に空いてもないけど、食べることもできるという。
・・・
俺は子供たちに、どちらでもはクズの返事だと教えていると言った。
フレイアは笑いつつ、じゃあどこかで食べましょうとなった。
俺たちは受付に軽く礼を言って、図書館を後にする。
食べるといえば、ラピット亭が浮かぶ。
それしか知らないからわからないが、他にもおいしいところはあるだろう。
そう思いつつも、街にも結構食材を取り扱っている店があるので、俺は家で作ってもいいかもと思った。
「フレイア、食べに行くのもいいけど、こんなに食材を売ってるお店が並んでいるのなら、何か買って家で作ってもいいかもな」
俺がそういうと、フレイアは少し驚いたような顔をした。
「テツ、料理作れるの?」
「そりゃ・・簡単なものなら作れるぞ。 特に野菜炒めは毎日作っていた」
それは事実だ。
嫁は子供のご飯は一応作るが、俺はその残り物をいただく感じだったからな。
おまけに朝昼は全部自分で作っていたし・・。
夜もほとんど一口か二口で無くなる程度のおかずを食べていただけで、後はヨーグルトか納豆だったよな。
そんなことを思いだした。
「そうなの? じゃあ、テツ作ってみてくれる?」
「炒めものしかできないぞ」
「うん。 なんでもいい・・は、クズの返事だったわね」
フレイアが笑いながら言っていた。
ギルド周辺には、お店もできて昼間には露店などもよく出ていた。
自分たちの家で育てた野菜などを売っていたようだ。
俺も自分のところで作らなきゃな、と思いつつも食材を探してみた。
手触りがキャベツのような野菜を買って、後は肉だな。
鳥系のものが多いみたいだ。
森で採取したり、討伐したりしたものだという。
魔物が蒸発するまえに、魔法で固定すると食材として安定するみたいだった。
知らなかった。
常に蒸発してたからな。
俺は食材を選びながら、鑑定をしまくる。
食べられるのかどうかが不安だったからだが、どうやら全部食べれるみたいだった。
食材を買うだけで、かなり疲れたな。
もっと、街の人たちを信用してもよかったよな。
そんなことを思いながら、家に到着。
時間は11時を過ぎている。
俺はキッチンに行って、フライパンを出した。
火などは魔法で何とでもなる。
フライパンを温めつつ、油をひいて肉を炒めた。
その間に野菜を魔法できれいにして、ざく切りにしておく。
肉がある程度炒まったところで、野菜を投入。
塩、コショウをかけて、少しバターを入れてみた。
しょうゆとみりんも少し入れる。
後は軽く強火で炒めて、出来上がりだ。
大きな皿にたっぷりの野菜炒めを乗せた。
「いい匂いね~」
フレイアがそう言って、勝手にテーブルに座っていた。
食べる気満々だな。
俺も一緒に座って、
「「いただきます」」
フライパンなどは生活魔法できれいにしておいた。
フレイアが意外そうな顔を向ける。
「テツ、おいしいわね!」
俺も一口食べてみる。
「おいしいな」
後は無言で全部食べた。
結構お腹いっぱいになる。
ちなみにスキルに調理1というのが出来ていた。
時間は12時を過ぎている。
食後のコーヒーが欲しいところだが、また地上へ行ったときにでも買って来よう。
「フレイア、少し休憩したらダンジョンへ行ってみてもいい?」
「ええ、いいわよ。 美味しいものも食べさせてもらったし、頑張らなくっちゃ!」
フレイアが微笑みながら返答してくれる。
ダンジョンは王宮の裏の山にある。
街は王宮を中心に放射状に広がっているが、大きく見るとやや扇形に見えるだろう。
王宮の前面というと変な言い方だが、そちらの面の方が広がりが大きい。
王宮の裏手側も、かなり奥までは街になってはいるが、城壁で区切られているところがある。
街と森との境だ。
俺たちは家を出て、ダンジョンへと向かった。
時間は13時前だ。
フライパンと少しの調味料、後は食材などをアイテムボックスに入れている。
城壁につくと、騎士団員だろう人がいた。
挨拶して、ダンジョンまで行くことを伝えた。
ライセンスカードを提示して、パネルを通過させる。
誰が出入りしたのかわかるのだろう。
そのまま森を抜ければ、ダンジョンだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます