第188話 レベルをチェックしてみよう
時間は13時前になっている。
俺はフレイアを見て聞く。
「フレイア・・一体何だったんだろうね」
「さぁ、わからないわ」
「あ、とりあえずアニム王に念話で報告しておくよ」
俺はそういって、念話を送ってみる。
フレイアも不思議そうな顔をして、フェニックスの飛び去っていった方向を見つめていた。
『アニム王、テツです』
すぐに返答がある。
『やぁ、テツ。 何かな?』
俺はフェニックスとの遭遇の話をした。
フェニックスが新宿方面を支配下に置いていること。
フェニックスと戦って、その羽をもらったことなどなど。
・・・・・・
・・・・
・・
『なるほど・・よくわかったよ。 報告ありがとう』
『あのフェニックス、一体何だったのかよくわかりません』
俺はそう告げてみた。
アニム王もしばらく考えていたようだ。
『・・これは私の推測だが、おそらくフェニックスの支配域は、獣人の国になると思われる』
『獣人ですか?』
『うむ。 それにエルフも少しはいるんじゃないかな。 そういった国になると思うよ』
アニム王は漠然としたことを言うと、それ以上は明言しなかった。
俺も詳しくは聞かない。
聞いてもわからない。
『そうですか、わかりました。 アニム王、ありがとうございました』
『テツ、これからも気を付けて。 あまり今回のような無茶はしないようにね』
アニム王に注意をされた。
すみません。
アニム王との念話も終わり、フレイアにもその内容を伝えてみた。
「獣人の国ねぇ・・そう考えればわかるわね」
フレイアが空を見ながら話していた。
「何がわかるんだい?」
俺は聞いてみた。
「獣人たちをフェニックスが保護してるのよ。 彼らは特殊な存在だからね。 文明をあまり持たないのよ。 自然とともに生きてるの。 エルフに似ているところがあるわね。 それに、他種族からは奴隷やおもちゃみたいに扱われたりすることもあるわね。 人身売買されたり・・」
フレイアが言葉を詰まらせながら、話してくれた。
「フレイア・・」
俺はフレイアを見つめる。
「ううん、大丈夫。 エルフも売られたりするけど、獣人ほどひどい扱いは・・いや、わからないわね」
フレイアは下を向いてつぶやく。
「でも、そう考えれば、フェニックスがテツを試したのも理解できる気がするの」
フレイアが俺を見ながら言う。
「直接戦ってみて、ギリギリのところで真意を確かめようと思ったんじゃないかって。 そこでテツは認めてもらえたのよ。 だから、フェニックスの羽を渡されたのよ」
フレイアが俺の手をグッと両手で
「なんか、重いものは苦手なんだよな、俺って・・」
俺は自嘲気味につぶやく。
テツ、しっかりしてよとフレイアに言われながら、俺たちは歩き出す。
これで新宿方面には、当分用はないだろうと思う。
安心したら、フッと頭に浮かんだ。
そういえば、あの泉の集団。
いったいどこへ行ったのだろう。
まさか全滅したわけじゃないだろうな。
・・・
おっと、それよりもフェニックスと戦った時にレベルが上がったっけ?
確認しておこう。
テツ
レベル:41
種族 :人
HP :580/695 +15
MP :415/495 +15
力 :603 +20
防御 :560 +15
敏捷 :772 +15
技能 :473 +10
運 :72 +0
職業 :隠密10
固有スキル
罠解除1
生活魔法☆
軽歩行☆
忍術☆
鑑定☆
アイテムボックス☆
気配察知☆
自動回復☆
祝福☆+α
それにしても、運はなかなか上がらないし、罠解除なんてもう削除しようかな。
そんなことを思ってしまった。
上位職、仙人・・。
やっぱ、どうもしっくりこないんだよなぁ。
ん?
何だ?
祝福のところに+αってあるぞ?
確か神様の恩恵を受けてるんだよな。
それに付加されたってことか?
う~ん・・。
とにかく悪いことはないだろう。
俺は立ち止まって少し考えていたようだ。
フレイアが不思議そうに俺を見ている。
「テツ、どうしたの?」
「うん、ちょっとね・・」
フレイアには言えないな。
「転職のことを迷ってるの?」
「そうなんだ・・」
俺はそう答えた。
そういうことにしておこう。
ステータス画面を見つつ、どうしたものかと考える。
職のところを戻って見てみた。
初期設定あたりのところが見える。
引っかかるのが魔法使いだ。
もし、このまま上位職へ転職すれば、それはそれで素晴らしいだろう。
その上位職からでもまた何か派生するかもしれない。
極めるというのであれば、その方向へ行くのが必然だと思う。
だが、極めれるのか?
俺は何をやっても中途半端に終わっている。
何でも普通以上にできるが、それ以上にはなれない。
上位には行けるが最上位にはなれない。
たぶん、それが俺の持ち分だろう。
いや、これから変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
それはわからない。
けどなぁ・・いろいろ試してみたいし、見てみたいんだよなぁ。
やっぱ俺って優柔不断か。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます