第135話 俺の家って、どういう風に見えてるのだろうか


澤田さんと別れて、俺たちは移動を再開。

俺たちの移動速度を澤田さんはどう思っただろうな。

そんなことを考えていたら、すぐに到着。

・・・

なんか家に入りづらい。

玄関の前に来た。

「これがテツの家か・・」

ルナがつぶやく。


アニム王、ウルダ・・何も言わないな。

そりゃ、王家などと比べたら、一般庶民の家なんて広くないぞ。

少し自嘲気味になった。

でもまぁ、そんなことはどうでもいい。

俺は構わずに玄関を開ける。

「ただいま~」

時間は16時30分頃だろう。


「おかえり~」

遠くから凛の声が聞こえてくる。

2階かな?

アニム王たちに、玄関で靴を抜いて上がるのが俺の民族のマナーだと教えた。

みんな素直に従ってくれる。


生活魔法で身体をきれいにして、1階のばあちゃんのところへぞろぞろと歩いて行く。

「ただいま~」

ばあちゃんに声をかけて、お客さんたちを紹介する。

シルビアは慣れたもので、

「ただいま帰りました、母上様」

勝手に挨拶していた。


「あらあら、大人数でまぁ・・テツ、おかえりなさい。 で、どちら様方をお連れしたの?」

ばぁちゃん、落ち着いているな。

さすがだ。

飲んでいたお茶を置いて、人数分のお茶を用意しようと動きだしていた。

慣れた手さばきで、ササッとお茶を用意する。

すぐに人数分のお茶が出てきた。

「どうぞ」

ばあちゃんがみんなにお茶を勧めてくれる。

シルビアが真っ先にお茶を飲んだ。

それほど飢えてたのか。


「ルナ様、テツの母上のれてくださるお茶がとてもおいしいのですよ」

シルビア・・始まったな、爆弾発言。


ルナとウルダが席についてお茶を飲み始める。

「「・・・」」

二人とも目を大きくして、ゆっくりと飲んでいた。

「これは、おいしいな・・落ち着く感じがする」

「ええ、私もそう思っていました、ルナ様。 もしかして、何かのスキルでしょうか」

ウルダがいう。

少なくとも、スキルではないだろう。

俺は心の中でつぶやく。


まずは紹介しなければいけないだろう。

「ばぁちゃん、この方がアニム王です」

俺はアニム王から紹介した。

ばあちゃんはアニム王を見つめていた。

「そうですか・・いつもテツがお世話になっております。 これからもよろしくお願いします」

ば、ばぁちゃん!

深々と頭を下げていた。


「いえ、お気遣いなく。 私こそ、テツと知り合えて感謝しております」

アニム王が答える。

「そして、この黒髪の女性がルナさん、こちらがウルダさんです」

ルナとウルダが席から立ち上がって挨拶をした。

「テツの母上、おいしい飲み物をありがとうございます。 ルナです」

「ウルダです」

挨拶の仕草を見ていたら、普通の美人だな。

いや、普通じゃない。

凄まじい美人だ。

人間と区別できないぞ。

まして、ウルダが戦闘狂だとは思えない。


みんなが挨拶をしていると、じいちゃんが横の部屋から出てきた。

「じいちゃん、ただいま」

じいちゃんはうなずくだけだ。

「じいちゃん、紹介しておくよ。 アニム王にルナさん、そしてウルダさんです」

俺はそう言って、それぞれを紹介した。


ウルダが真っ先に飛びついた。

「おお、テツの御父上か。 あのテツの武器を作られた・・素晴らしい作品ですな」

じいちゃんが嬉しそうな顔をしている。

武器も褒められ、ウルダも美人だからな。


「御父上、少し見てもらいたいものがあるのだが・・」

ウルダがそういうと、早速斧を取り出した。

こいつは周りが見えないみたいだな。

この狭い部屋で、人も集まってるのに、なに斧なんて出してるの?

俺はそう思ったが、ウルダは構わずにじいちゃんに見せていた。


やはり狭く感じるので、横の部屋に移動してもらった。

じいちゃんが真剣に斧を見ている。

じいちゃん、完全に職人だな。

ウルダはじいちゃんに任せておこう。


俺は少し2階へ行ってこようと思った。

ばあちゃんに頼んで、アニム王たちを任せた。

すみませんばあちゃん、よろしくお願いします。

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