第121話 ルナ王って・・ありえねぇ美人じゃないか!


「おーい、テツ!!」

また手を振っている。

しかも走りながら・・。

シルビアさん、手を振ると・・その胸が・・再びごっつぁんです!

目の保養になります!

俺は思わず頭を下げていた。


おっと、それよりもステータスをサッと確認しておこう。

レベルが上がったと天の声が聞こえていたはずだ。

俺はステータス画面を確認。


テツ

レベル:38

種族 :人

HP :600/640 +15

MP :390/455 +10

力  :553     +15

防御 :520     +10

敏捷 :742     +20

技能 :443     +10

運  :72      +0

職業 :隠密8


固有スキル 

生活魔法8

罠解除1

軽歩行☆

忍術☆

鑑定☆

アイテムボックス☆

気配察知☆

自動回復☆

祝福☆


レベル38か。

それにしてもたった数日で・・凄いな。

やはりアニム王に会いに行ったのが大正解だったようだ。

こんなレベルや魔法がある世界になった。

そして、レベルが高いと生き延びる確率も上がることがわかった。

アニム王、ありがとうございます。

俺は心底感謝していた。


シルビアが近寄って来る。

「テツ、いきなりいなくなったから驚いたぞ。 それにしても、あれはサーペントだな。 おぬし、一体何者なんだ?」

俺は笑ってしまった。


「あはは・・シルビア、何者って俺は人間だよ」

「いや、それはわかっている。 だがな、オーガなどの魔物とは違うのだぞ。 サーペントだ。 人など飲み込んでしまう、災害レベルの魔物だ。 それをたった一人で倒してしまうとは・・」

シルビアは呆れている。

そうなのか?

そんな魔物だったのか・・よく考えたら、怖いな。

「そうだったのか、シルビア。 夢中で討伐してたからな」

半分は本当だ。 

「まぁ、倒してしまったのだからいいようなものの・・」

シルビアは呆れるやら、驚くやらで忙しそうだ。


「それよりもシルビア、ルナ王は近くかな?」

「! おっと、そうだった。 先ほどよりも強く感じる。 おそらく向こうでもこちらを把握できているはずだ。 急ごう」

シルビアについて俺も走り出す。

・・・

もはや、何も言うまい。

黙って目の保養だ。

ブルン、ブルン、ブルン・・。

・・・

いきなりつかんだら、怒るだろうな。

そんなアホなことを考えていると、シルビアがこちらをパッと向く。

え?

まさか、思考を読まれたか?


す、すみません、シルビアさん。 

私が暴走してました!

すみません!

「テツ!」

「は、はい!!」

俺の声がうわずっている。

「ん? どうしたのだテツ。 変な声を出して・・」

「い、いえ、その・・別に、胸をつかもうなどとは・・」

「なんだ? 胸がどうかしたのか?」

「えっと、その・・」

「まぁ、いい。 ルナ様が近い。 あちらも気づいているようだ。 まっすぐにこちらに向かってきている」

「え、そうなのか?」

ホッ、よかった。


俺は気持ちを切り替えて索敵をしてみる。

敵ではないようなのでよくわからない。

それとも、俺の注意力が足りないのか?


時間は9時くらいだろう。

少しすると目線の先の方に影が見えた。

シルビアは気づいたようだ。

「ルナ様ぁ~!!」

片手を上げて大きく手を振っている。

俺の視線は、ルナ様ではなくシルビアの胸に固定されていた。


この視線を逸らすのには、かなり精神力が必要なようだ。

むしろ、討伐よりも難しいかもしれない。

バジリスクなどの凝視を、強制的に行わされてる感じだな。

もしかして、シルビアのスキルなのか。

だったら、俺は死んだな。


「テツ、ありがとう。 やっとルナ様と出会えた」

シルビアはルナの方向を見ながらつぶやいていた。

その表情は、本当に嬉しそうだった。

自分の子供の笑顔を見ている感じだ。

こちらまでうれしくなってくる。

その表情を見たら、俺の視線は解除された。

「そうか、良かったなシルビア」


ルナともう一人の女の人が見える。

すぐに接近してきて、こちらに手を振ってきた。

「ルナ様~!!」

シルビアは今にも抱きつきそうな感じで、ルナに近寄っていく。


「ルナ様、ご無事で何よりです。 それに、ウルダ様も・・」

ウルダっていうんだ、あの女の人は。

俺はそう思いながらも驚きが隠せない。

それにしても、ありえねぇ・・なんて美人な人たちなんだ。

そりゃ、地球人じゃないだろうが、アニメをそのまま現実化した感じだ。

言葉にならない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る