第111話 颯・・良かったな
「テツといったか、私もフレイアに会いに連れて行ってもらってもいいだろうか」
「それは別に構わないが・・」
俺は答えながらシルビアのある部分が気になった。
シルビアが意識しているのかどうかわからないが、まるで胸を俺に見せつけているようだ。
もし、自然とそういう仕草が身についているなら、間違いなくナンバーワンホステスだろう。
そんなことを俺は思う。
って、シルビアさん、かなり近すぎますよ。
俺的にはドキドキワクワクだ。
それでは、移動を開始しよう。
さて、移動について来れるだろうかと思ったが、
フレイアと同じように、ポーン、ポーンと跳ねるように移動する。
「シルビアさん、羽のように移動しますね。 フレイアもそうやって移動してましたよ。 エルフってそんなものなんですか?」
俺は走りながら聞いてみた。
「テツ、シルビアでいいぞ! エルフの移動か・・そんなこと考えもしなかったな。 誰も指摘しないしな」
「そうですか、なんかすみません」
俺は条件反射で謝っていた。
シルビアは俺の方を見て笑いながら言う。
「テツは気が小さいなぁ。 そんなことでイチイチ謝っていたら身が持たないぞ」
これって、気を使われたのか?
ダークエルフって、エロっぽいイメージだったが違うようだ。
単に加護を受けている精霊が違うだけみたいだ。
なるほど・・しかし、シルビア。
あなたの移動はとても目の保養になる!
男として、戦闘力が削がれるのは間違いない!
やっぱりエロっぽいイメージのままだ。
揺れる胸・・ごっつぁんです!!
時間は17時くらいだろう。
家に到着した。
「ただいま~」
あれ、いい匂いがするな。
夕ご飯か?
シルビアも鼻をクンクンさせていた。
「テツ、いい匂いがするな」
肉食ですか? シルビアさん。
「あ、シルビア、靴は脱いで家に上がってくれ。 俺の国のマナーだ」
「わかった」
シルビアは嫌がるでもなく、サッと脱いでくれた。
靴をそろえシルビアが廊下に立ったところで、俺は生活魔法でシルビアをきれいにした。
シルビアは少し驚いていたようだ。
「あ、ありがとう・・テツ」
モジモジと身体をよじる・・妙に色っぽいぞ。
さて、颯がどうなったか・・結構レベル上がったと思うけどな。
俺はそう思って2階へ行ってみた。
シルビアもついてくる。
「ただいま~」
俺が入って行くと、リビングでみんなが集まっていた。
俺の声などどうでもいい感じだった。
チラッとみんながこちらを見る程度だ。
なんだ?
俺も近寄っていく。
どうやらワイバーンの赤ちゃんが生まれるらしい。
卵がひび割れていた。
颯が集中して見ている。
シルビアが上がってきた。
優がチラッと見たが、すぐにもう1度見直した!!
「おやじさん・・その人誰?」
優が即聞いてくる。
「あぁ、ダークエルフのシルビアだ。 フレイアに会いに来たそうだ。 おっと、それよりも卵が割れ始めたぞ」
俺はそう言いつつ、シルビアの紹介よりもワイバーンの卵の方が気になった。
普通の鳥の
卵の殻に隙間ができて、くちばしが見える。
くちばしを動かしながら、殻の隙間を広げていく。
コンコン、カリカリ・・
上半身が出てきたようだ。
お尻の方に殻がくっついているが、無事、
ここで鳥などなら、最初に見たものを親と認識するはずだが・・って、颯がすでに手に持ってるな。
お互いが見つめ合っている。
・・・
あのぉ・・一応赤ちゃん? だよな。
意思疎通できるのか?
・・・
颯は集中して見ている・・凝視だ。
ワイバーンの赤ちゃんもジッと颯を見ている。
目が開いてるぞ、赤ちゃん。
颯がにこっと笑った。
そしてこちらを向く。
「テツ! この子、僕と友達になってくれるって」
いきなりだな!
そ、そうか、テイムできたんだな。
テイムって、言葉じゃないようだ。
気持ちが通じ合えばいいのか?
「そうか、颯・・良かったな」
俺は本気でそう思った。
ウルフがいなくなった時には、どうなるかと思ったが。
シルビアが俺の後ろに来て、おそるおそる俺に話しかける。
「テツ・・あれって、ワイバーンの子供だよな? 大丈夫なのか? かなり高レベルな魔物だぞ」
「そうなのか? 卵を見つけてな・・それで持って帰ってきたんだ。 それに、テイムできたみたいだし、大丈夫じゃないか?」
俺はそう言ってみた。
みんなワイバーンの赤ちゃんに注目していて、シルビアのことは気にならないみたいだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます