第93話 じいちゃん、新しい刀をお願いします!!
スキルにはエリアヒールがあり、さすがにリザレクションはないようだ。
そんな都合よくあるはずもないだろう。
さて、じいちゃんにお願いだ。
俺は黙って刀の
刀を抜くと、折れた刀があった。
じいちゃんは無表情で俺の方をみる。
「ごめん、じいちゃん・・折れてしまった」
俺は思わず言葉が出て、深々と頭を下げた。
じいちゃんは別に表情を変えるでもなく俺に言う。
「新しいのを作るか!」
そして、どんな刀にしたいのかと聞いてくれる。
じいちゃん、男だな!
感謝です。
そりゃ、アニム王のレイソードのようなものが理想だがそれは無理だろう。
ちなみにじいちゃんのレベルも28に上がっていた。
これって、凄い鍛冶レベルじゃないのか?
いや、錬金術士だったな。
!!
「そうだ、じいちゃん! これで加工できるかな?」
俺はそういって、アイテムボックスからトロウルのメイスと魔石を取り出した。
じいちゃんは手に取って考えていた。
「テツ・・今度は使えそうだな。 それで、どんなイメージがいいんだ?」
じいちゃんが職人らしい感じで聞いてくる。
どれだけイメージを付与できるのか、俺にはわからない。
だが、イメージを伝えてみる。
まず、俺とともに成長する刀。
そんでもって、なんでも切れる刀。
じいちゃんは少し考えていたが、具体的なイメージを言わないと付与が難しいらしい。
例えば、ビルを切れるようなイメージ。
くじらでも簡単に真っ二つにできるようなもの。
切ると燃えたり、痺れたりするもの・・そんなことを自由勝手に俺は言ってみた。
じいちゃんは考えていたようだが、
「わかった」
と、うなずくと刀を打ちにいってくれた。
じいちゃん、頼みます!!
優は・・ばあちゃんのところで朝食か。
って余裕か!!
それにしても、本当に余裕ができてきた。
これもアニム王のおかげだ。
ありがたい。
2階の方で音がする。
嫁たち、やっと起きてきたか。
遅く起きてくるおかげで俺の時間が少しは確保できるのは、ありがたい。
自分の時間の前に、朝の食器片づけは俺の作業だ。
まぁいい。
ばあちゃんと優に一応言っておいた。
レベルが上がったことは、他のみんなに言わないでほしいと。
レベル上げ合戦になっても困る。
もう、俺と優、ばあちゃんとじいちゃんでいいだろうと思う。
後は颯あたりを、経過を見ながら上げていければいいんじゃないかと思う。
じいちゃんには、ばあちゃんが後で伝えてくれるそうだ。
嫁たちは現状のままでいいだろう。
別にのけ者にしているわけではない。
あのお調子者の嫁だ。
レベルが上がるとやっかいごとを持ち込みかねない。
そんな気がする。
じいちゃんの打つ音が聞こえていた。
キーン・・。
カーン・・。
いい音させてるな。
さて、2階に行ってみよう。
「あ、テツさん・・おはようございます」
お義母さんがウロウロしていた。
もしかして、お義母さんが朝の用意をしようとしてるのか?
あの嫁・・。
お、ウルフ!
ウルフが尻尾を振りながら、ベロを出して近寄って来た。
ハッハッハッハッハッ・・・。
犬だな。
あのワーウルフとは思えない。
テイムするとこうも違うのか?
しかし、俺はそのフォルムに負けた。
抱っこして、ヨシヨシと撫でまくった。
足下にはスラちゃんがすり寄ってきていた。
う~ん、こちらもかわいい!!
ウルフを下ろし、スラちゃんを抱っこした。
ひんやりしていて気持ちいい。
「あ、テツ、スラちゃん抱っこしてる」
颯に見つかった。
凛はすかさずウルフと
「颯ごめんよ、勝手にスラちゃんを触って・・」
なんで俺が謝らなきゃいけないんだと思いつつも、颯に謝った。
颯の方を見ると、
「別にいいよ・・ばあちゃん、朝ご飯は何~?」
颯はお義母さんの方へ近寄って行く。
ここは安泰だな。
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