第84話 やっぱ、もっとレベルを上げないと・・


俺は一気にゴーレムまで駆け寄り、手と足を斬り落とした。

後は袈裟切り、突き、出せるだけ出した。

身体をほぼ突き切った後、頭を突いた。

そして、突いて突いて、突きまくる。

「おぉりゃぁぁああ!!!」

カチッと刀に感触があった。

直後、バックステップしてゴーレムを見る。

ゴーレムが震えている。

少しするとゴーレムが動かなくなり、サラサラと砂山が崩れるように崩れていった。

ゴーレムの動きが遅いのが助かったな。

パワーは半端ない。

「ふぅ・・」

俺は息を整える。


『経験値を獲得しました』

頭の中に天の声が響く。

レベル・・上がらないな。

でもまぁ、このレベル位なら倒せるし、死にそうな感じもないことがわかった。

しかし、こんな無茶な戦い方では詰むな。

ゴーレムの魔石を拾い移動。

よし、大阪へ向かおう。


少し歩いていると自動回復で回復してきたようだ。


大阪まで一気に走ってみる。

隠密のスキルというのは、こちらが意識しない限りほとんど見つかることはない。

普通に空気のように魔物の横を通過できる。

おかげで余計な戦闘をしなくて済む。

行きは海伝いを移動したが、少し中心部の方へと近寄りつつ、ゆっくりと移動してみる。

大阪付近に到着していた。

索敵もレベルを意識して行ってみると、その付近のレベルの魔物が引っかかる。

だんだんと慣れてくる。

後のレベルは点で表示される感じだ。

レベル30以上では・・どうだろう?


ピ・・ピピ・・お、引っかかるが・・。

レベル31:バジリスク

レベル38:ミノタウロス

レベル40:サイクロプス

・・・

無理だな。

引き返して、海伝いに帰ろう。

俺はあきらめた。


たぶん、移動では見つかることはないだろう。

そう思っているうちに明石大橋の下、舞子駅のところまで来た。

考えてみたら、1日だったな。

・・・

何とも言えない。

足で走ってこれだからな。

もはや人としての常識の世界はない。

本当に地球が異世界仕様になったんだ。

頭では理解できるが・・腑に落ちるにはまだまだだな。

俺はそんなことを思いながら移動する。


時間は16時20分になっていた。

オーガが2体いる。

レベル21。

無視してもよかったが、目ざわりだな。


刀を抜き、オーガに向かってゆっくりと歩いて行く。

オーガは俺を認識したらしく、駆け寄ってきた。

俺はそのままオーガとすれ違う。

付いてもいない血を振るうと、刀を収納。

オーガがブルブルと震えたかと思うと、そのまま倒れ込んだ。

しばらくするとオーガが蒸発し、俺は魔石を拾ってアイテムボックスにしまう。


舞子駅ではちょうどオーガに襲われて、ここで死ぬのかと思っていた女の子がいた。

ナオコ:レベル3

少し不登校になっている、そこら辺にいる普通の女子高生だ。

臨床心理士に会いに、芦屋から須磨へ母の車で移動途中に魔物に襲われた。

それからはフラフラと歩くだけの行動だった。

別に行く先をはっきりと決めていたわけではない。

須磨の方向へ行こうとぼんやりと思って歩いていただけだ。

気が付くと舞子駅付近まで来ていた。


明石大橋を見上げ、なんとなく明石大橋に登ってみようと思った。

その時に、オーガに見つかり覚悟を決めた。

すると、刀を持ったおっさんが来る。

見ていると、そのままオーガとすれ違った。

おっさんは歩いてすれ違っただけだった。

その後、オーガがそのまま倒れたのだ。

ナオコは言葉を失った。

そして、さらに信じられないことにおっさんは、ジャンプしながら明石大橋へ登って行った。

どうやら淡路島方向へ向かうようだ。


かなり驚いたが、その姿を見て改めて明石大橋を登ってみようと思った。

あんなおじさんが移動した後は安全だろうと、漠然と思ったのかもしれない。

エレベーターは止まっている。

何とか非常階段で登ることができた。

高速バスの舞子駅に着くことができたが、安心した途端に寝落ちした。


ナオコが高速バスの舞子駅に到着する前・・テツはそこに立っていた。


(ナオコ編:参考まで→https://ncode.syosetu.com/n7440fs/)

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