第27話 優・・抜け目ないな


俺は確認すると立ち上がる。

「田原さん、お茶でも飲んでいってください」

そういって俺は廊下へ出た。

優がついてくるという。

相手はレベル9だ。

田原さんを送ってやってくれと俺は優に言った。

やや悔しそうにしながらも従ってくれる。

やけに素直だな。


おっと、優に言葉をかけておかないと。

「優! それにしてもすごかったぞ、やるな! きちんとゴブリンを倒して、しかも完全に連携がとれていた。 本当に助かったよ、ありがとう」

俺は本気でそう思い、優に対して頭を下げた。


優は驚きつつもくすぐったいようで、

「おやじさん、別にいいよ。 俺、ゲームでチーム戦とかでも、援護よくしてたから・・」

そういうと下を向いて、身体をモジモジしていた。

「じゃあ、田原さんを頼むよ」

俺はそういうと外へ出た。


一気にワーウルフのところへ向かう。

300メートルくらいだ。

すぐに到着。

そのまま止まることなく、刀でワーウルフに斬りかかる。

ワーウルフは上体を低くして吠えようとしたが、先に俺の刀がその胴体を薙いだ。

ズパン!

じいちゃんの刀のおかげか、軽く斬れた。

しかし、さすがにボスクラスか。

一撃では仕留めれないようだが、致命傷だな。

ワーウルフはヨロヨロと立ち上がろうとしているが、立てるはずもない。

遠慮なくその胴体へ俺は刀を突きたてる。

・・・

ワーウルフはそのまま倒れ込んで、しばらくして蒸発した。

青い石が現れる。

同時に天の声が聞こえた。


『レベルが上がりました』

俺はステータスを確認。


テツ

レベル:10

種族 :人

HP :85/125 +15

MP :40/80  +15

力  :98     +10

防御 :80     +10

敏捷 :137    +20

技能 :78     +10

運  :63     +1

職業 :忍者3


固有スキル 

探索8

忍び足8

気配察知8

罠解除1

杖術7

体術7

自動回復5

軽歩行2


罠解除は使わないから上がらないようだ。

刀を使っているのだが、杖術や体術のレベルが上がっている。

同じようなものとしてカウントされているのかな?

ま、いっか。


しかし、職レベル10までは遠い。

また忘れてた。

石をステータス画面に取り込ませるのを。

たぶん、これでいいよな?

わからないが、とにかくステータス画面が吸収してるし。

今更ながら、残りの石も取り込ませた。


時間は10時10分。

早く帰って買い物へ行かないと!

家に帰ると優は田原さんを送って帰ってきたところだった。

「優、ありがとう!」

俺はお礼を言ってから聞いてみた。

石のことだ。


「優、ロンリーウルフやゴブリンを倒したときに出た石・・どうした?」

「全部、ステータス画面に取り込ませたよ」

優は当たり前だろという感じで答える。

さすがだな!

「そ、そうか・・」

「それよりおやじさん! 俺、レベル6になったよ」

マジか…すごいな。

まぁ、あれだけ倒してたからな。

俺の驚く表情を見て、優は喜んだようだ。


さて、それよりも当初の仕事を完遂しないといけない。

「優、改めてスーパーエイトへ行こう」

優もうなずく。

その後、ばあちゃんにお礼を言い、買い出しに行くことを伝える。

じいちゃんは回復したみたいだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る