第25話 スーパーへの買い出しに出かけたものの
これまでの概要を少し簡単に。
突然のステータス画面が現れて、外に出てみればいきなり魔物との戦闘。
昨日までとは全く違った世界になったことを自分に言い聞かせたテツ。
レベルが上がれば強くなることを知ったテツは、家族とともにレベル上げを決意する。
レベル5になれば職を選べるようだ。
職業の選択は、どうやら生きてきた経験が反映されるらしい。
スキルなども個性バイアスがかなりあるようで、はっきりとしたことはわからない。
何度か戦闘を重ね、家族とともにパーティとして成長し、生産職と回復職を選べる家族が存在する。
早速スキルを使って武器を新調。
それを身につけて、食料の調達に行こうと決意。
まずはスーパーへ長男の優と向かうのだが・・。
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俺と優は家の外へ出た。
索敵には今のところ引っかかるものもない。
ただ、先程も1時間位で魔物が出てきてた。
ゲームだとリポップするタイミングだったりする。
「優、さっき外へ出てから1時間くらい経過している。 俺が初めに出たときも、1時間くらいで同じような魔物が出てきたんだ」
優はすぐに理解したようだ。
さすがゲーム世代。
「・・ということは、また同じように出てくるってことだね。 じゃあ、そいつらをやっつけてからスーパーエイトへ行けばいいんじゃない?」
か、軽いな、優。
そんなことを思っていたら早速索敵にひっかかる。
「優、やっぱり魔物が来たようだ。 ロンリーウルフだな・・レベルは3か」
即答で優の返事が返ってくる。
「俺の方にはまだ引っかかってないよ。 やっぱ忍者ってチートやな」
もう俺には言い返す言葉もない。
チートって・・じいちゃんやばあちゃんの方がすごいぞ、たぶん。
さて、魔物に対処しよう。
優も忍び足があるし、レベルが低くても見つかりにくいだろう。
一番初めに引っかかったロンリーウルフへと俺たちは近づいていく。
俺も優も足音はしない。
移動速度もかなり早くなっているようだ。
アッという間にロンリーウルフまで接近。
全体的なマップが把握できた。
正面のロンリーウルフの左側に3体、右側に1体。
つまり全部で5体のロンリーウルフがいる。
その後方はゴブリン5匹の単位だ。
全部で5単位の編成だな。
ワーウルフはまだ見えない。
前方のロンリーウルフまで30メートルほどだ。
今度は気づかれていない。
ここで俺は即断する。
「優、右の1単位を頼めるか?」
レベル的には問題ないだろう。
武器も刀を持っている。
油断しなければ優でも大丈夫だろう。
しかし・・心配だな。
優は頼られたのが余程うれしかったのか、目を大きくして力強くサムズアップしてくれた。
「任せてよ、おやじさん!」
優って、こんなに大きくなってたのか。
その返事がやけに大人っぽく感じた。
俺が過保護だったんだな。
うぅ・・泣けてきたぞ。
いや、泣くところじゃないな。
歳取ると、涙腺が脆くなるって本当のようだ。
さて、俺は目の前の1単位を狩ったらすぐさま左へ移動しようと考えている。
優も1単位を片づけたら、すぐに援護に向かうと言って行動を開始。
まさか、こんなところで感動するとは思わなかった。
ロンリーウルフ、ありがとう!
お前を捧げます!
俺は刀を手に取り、一気にダッシュ。
すれ違いざま、ロンリーウルフを一閃。
ズパン!
一撃で倒した。
!!
じいちゃん、凄い切れ味だぞ。
蒸発して石が出るまで待つ時間が長い。
あ、そういえば優に石を拾って来いって言ってなかったな。
ま、いいか。
ロンリーウルフの石を回収してゴブリン5体へ向かって移動。
50メートルほど離れてるが2秒とかかってないだろう。
そのままの移動速度を保って蹂躙。
刀の扱いがうまくなってる感じがする。
忍者の恩恵か?
しかし、ゴブリンを5体倒すにも一瞬だったな。
石が取れるまでの時間が長い。
俺は驚きつつも心が躍る感じだ。
石を回収してマップ上での左の3単位に向かって移動する。
やはりロンリーウルフへ向かった方がいいだろう。
少し遠回りだが、今の身体能力なら何秒もタイムラグはないはずだ。
俺はその移動速度のままロンリーウルフを薙ぎ払う。
ロンリーウルフにしてみれば、何が起こったかわからなかったんじゃないか?
やはり、石が取れるようになるまでの時間がもったいない感じがする。
そう思っていたら、優がかなりの速度で移動してくる。
そのままゴブリン5体に向かった。
すぐにゴブリンの反応が消える。
残すところ後2単位だ。
ゴブリンの反応が消えてもしばらく動かないところを見ると、優も石を回収してるようだ。
さすがだ。
やはりゲーム的なのは子供の適応が早いな。
でも、優が刀でゴブリンを斬っているいのだろう?
・・・
精神衛生上、大丈夫か?
いや、そういう世界じゃなくなったしな。
気にしないようにしよう。
さて、移動するか。
ここで奇妙なことがマップ上でわかった。
左端の1単位のゴブリンの反応が消えていっているのだ。
一気に消えるわけではなく、1匹ずつ消えている。
誰か、戦ってるのだろうか。
それしか考えられないが、俺たち以外に早々に切り替えができた人たちがいるのか?
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