五回戦
この時、全勝者は3人。つまり、ここで不戦勝になる人が現れます。
私の精神はここで限界を迎えていました。ここまで戦ったのは初めてで、プレッシャーに押しつぶされそうでした。あと二回戦もある。私の頭の中はそればかりで、うんざりしていました。
もう我慢できなくなり、フリープレイ卓でプレイ中の知り合い達に自分がまだ戦っていることを告げました。
「次決勝?」
そう訊かれました。そうだったらどれほど良かったか。私は「いいや、あと二回。ただ、今三人だから、不戦勝になれば次決勝」と言いました。
私はそろそろ負けそうだなと感じていました。ここまで運で勝ってきたようなものです。そろそろ切れる筈。到底二回も戦えるほど残ってはいない。しかし、
もし、次。不戦勝になったのなら。
可能性があるのかもしれない――
まさかな。そんなわけない。そんな都合よくなる筈がない。あーはいはいわかったわかった。上げて落とすタイプね。今までこんな思いしたことなかったからたまには味合わせてあげようっていうフリね。わかったわかった。まったくもう、意地悪だな神様ってやつはよう――
五回戦のマッチングが発表されました。
不戦勝、でした。
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