第61話 暗雲

寝室へ戻るとカズマはトライにその処遇を告げる。


処刑はせずにこの寝室にマナの結界を張り監禁する。


シューティングスター城に戻る事は許される訳もなく諦めてもらう。


トライはややしょげていたがマリの決定なら従うと承諾した。


カズマはその後トライの血液を採取し、鎮痛剤を飲ませた。


それからマナに看護をお願いし、ドグマと共にエレベーターへ向かった。




ドグマ:「で・・・?シューティングスター城攻略はどうする?」


カズマ:「そろそろシュウが帰ってくる頃だ。アイツの情報次第だな。」


ドグマ:「頼むぜぇ・・・シュウ。」




大げさに神頼みの仕草をするドグマを見てカズマはニヤリとした。




カズマ:「大丈夫だよオッサン。シュウは信頼できる。アンタもな。」


ドグマ:「そ、そうか?」




嬉しそうに二やつくドグマのワイヤレスマイクへ城門の兵士から連絡が入る。




門兵:「ドグマ様。シュウ様が帰還されました。」


ドグマ:「オウ!噂をすればってやつだな。作戦会議をするから開かずの間に来るように伝えてくれ。」


門兵:「それが・・・シュウ様はひどいケガをしておりまして・・・」


ドグマ:「なんだと!?」


門兵:「先ほど馬車で寺院に送りました。今僧侶に治療をお願いしております。」


ドグマ:「わかった!これから寺院へ向かう。」




ドグマは通信を終了するとマナへ連絡した。




ドグマ:「マナ!すぐに寺院へ来てくれ。シュウが帰ってきたが寺院で治療中だ。」


マナ:「はいいぃぃ、直ちに向かいます。」


カズマ:「おいオッサン。シュウが治療中ってどういう事だ?」




ドグマとマナのやり取りを聞いてカズマが問いただした。




ドグマ:「俺も詳しい状況はわからん。ただ門兵が俺を通さずに寺院へ連れて行ったとなると結構重症かもしれん。」




ドグマとカズマは駆け足で大広間を急いだ。


そこへメイが通りかかりカズマに飛びついた。




メイ;「パーパ!つっかまえたっ!」


カズマ:「グェッ・・・!離せ・・・バカ娘・・・」




またもメイはカズマの首にしがみつく。


カズマはもがきながらメイを振りほどいた。




メイ:「パーパ!マーマと合体したか?」




カズマはメイの頭を思いっきりゲンコツで殴る。




カズマ:「声がでけぇんだよマセガキ!」


メイ:「痛い~」


カズマ:あ、そうだオマエコンピュータールーム行ってマリと一緒に遊んでくれ。」


メイ:「マーマと?パーパは?」


カズマ:「今忙しいから無理だな。後でな。」


メイ:「フン!いっつも後で後でって。ベーだ!」




メイはカズマにアカンベーをするとエレベーターに走って行く。


やれやれと頭を掻きながら再び寺院へ向かうカズマ。




『何があった?シュウ。』




不安を胸に抱えながらカズマは寺院へ急いだ。

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