第19話 段取り

会議が終わってマナの武具が4Dプリンターで作られた後、カズマ、ドグマ、マナの三人は闘技場へ向かった。


闘技場ではHighpressuregunの的が既に10台作られてそれぞれ配置されていた。


カズマはドグマにHighpressuregunの操作方法を実践して見せた。


的を狙って引き金を引くとギョーンと音がしてニ、三秒後に的の中心の空気がズドンと弾ける。


Highpressuregunから放出されるのは高圧空気で、的に着弾すると空気が弾けて爆発するという仕組みである。


誤射して人に当たった時も大事にならぬように、訓練用のHighpressuregunはこの圧縮を弱めていた。


訓練で適正を見て、危険と判断すれば違う役割を分担する予定である。


カズマはHighpressuregunをドグマに手渡し、実際に撃たせてみる。


ギョーン、ギョーンと音がしても炸裂音が聞こえない。


的に当たってないからだ。


何度か練習しているうちにスドンという音が聞こえてくるようになる。




カズマ:「じゃあ後は気をつけてな、オッサン。訓練が終わったら教えてくれ。」


ドグマ:「ああスマンカズマ。また後でな。」




ドグマを射撃場に残してカズマはマナとともに僧侶達の下へ行く。


そこでカズマは国内の要所要所にカメラを設置するように依頼した。


コンピューターの予想ではモンスター軍の襲来は一か月後ということだったが、予定が早まる可能性はあった。


防衛の観点から監視カメラが必要であるとカズマは考えたのである。


また監視カメラと同時に通信装置のアンテナをつける事も要請した。


守衛にトランシーバーを持たせ異常事態を連絡できるようにしたかった。


カズマ、マナ、工事責任者の僧侶との打ち合わせが終了し、カズマはドグマの下へ戻った。


その頃にはもうドグマは100発100中の腕前となっていた。




カズマ:「さすが、オッサン。アンタも天才だよ。ロッグボタンはここな。ガンを使わない時は必ずロックして保管してくれ。」


ドグマ:「わかった。俺はこれからシュウの所へ行く。オマエもこないか?」


カズマ:「あら、奇遇ですこと。わたくしもこれからシュウ様をお伺いする所でしたのよ。オホホ」


ドグマ:「普通に話せ・・・気持ち悪い・・・」


カズマ:「玉ついてんだろ?腹くくれや。ってハッパかけてやるか。」


ドグマ:「ああ、そっちの方がオマエらしい。」




ドグマがワッハッハと笑うとカズマも一緒に笑った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る