第14話 覇王

カズマがサンライト城に現れた二日後、BシェルターではAシェルターの捕虜のDNA操作が行われていた。


次々と恐ろしい変化を起こしてモンスター化する捕虜たち。


その様子を満足気に眺めている男がいた。


覇王アレク。


Bシェルターの上に立つシューティングスター城の城主で今回の戦争の首謀者である。




アレク:「Aシェルターを制圧した後はJシェルターだ。Aシェルターの捕虜を全てモンスター化するまでにどの位かかる?」


孔明:「はっ、約二週間程であります。」


アレク:「以前より遅いな・・・なぜだ?」


孔明:「現在作成できるモンスターはオーク、ゴブリン、トロール、リザードマンですがAシェルターでの戦闘ではリザードマンが一番優秀でした。したがってリザードマンでの造兵を行っておりますが、他のモンスターを作成するより時間がかかります。」


アレク:「オークとゴブリンは何体残っている?」


孔明:「オークが約60体、ゴブリンが約90体であります。」


アレク:「一週間後そいつらをJシェルターへ攻めさせろ。」


孔明;「指揮官はどうなさいますか?オーク隊の指揮官はゲド、ゴブリン隊の指揮官はレムです。指揮官が二人遠征に出ると新たなリザードマンの指揮官が不足します。」


アレク;「ゲド一人でよかろう。前回奴がヘマをしなければオーク隊の兵は消耗しなかった。今回はその挽回をしてもらおうではないか。」


孔明:「アレク様、失礼ながらゲド様には荷が重いかと・・・」


アレク:「わかっておる孔明。ゲドには命をかけてその荷を背負ってもらわなければならぬ。ワシは無能な人間をそのままにしておくほど寛容ではない。」




そう言って冷たく笑うアレクを見て孔明は背筋が凍った。




アレク:「あとゾンビ隊の方はどうなっている?」


孔明:「ゾンビ隊は動きが遅い上に統率が効かない為、軍事行動には不向きです。それよりも敵陣営にウイルスを発生させて内側から崩すのに利用すればよいかと思われます。」


アレク:「そうか・・・Aシェルターの捕虜を何名か団体で逃がせ。そのうちの一人にウイルスを潜伏させてな。Jシェルターに着いた後に発病すれば上出来だ。」




モンスター化する捕虜達の悲痛な悲鳴の中で覇王アレクは高笑いをしていた。

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