本当に邪悪な存在は、自ら悪の部分をさらけ出したりはしないのです。柔らかい容姿と物腰で、一見無害に見えるのですが、本当の悪はあなたが心を許すその瞬間を待ち構えています。
導入から引き込まれました。より良く、より正しくあろうとする神父の心情が繊細に書かれていて、否が応でもその葛藤を読者も共有する羽目になります。また、表現に用いられた例えやフレーズはつい繰り返し読み返したくなるようなセンスを持っていて、つい物語に前のめりになってしまいます。
とても面白かったです。読んでよかったです。心から、お薦めしたい物語です。