コラム ―― 書き手

 今回は「書き手」について。


 少し思う所が以前からあり、時折近況ノートで吠える事はありましたが、書き手の事について少々いろいろと文句を。


 カクヨムには相互評価をするケースが往々にしてあります。

 書き手同士で互いの作品を褒め合い、評価しコメントを残し交流を図る訳ですが、それが良い方向を向いている間は問題無いのです。

 ですが、悪い方へ向くと書き手に対しての依存性が高まってしまい、作品の質の向上が疎かになってきます。

 当然、その状態の作者に指摘は通じません。

 むしろ余計なお世話、鬱陶しい、お前に言われたくない、と言った感情が出てしまい指摘を聞き入れる事すら無くなります。

 挙句、指摘した人をブロックして無かった事にします。


 常に褒められ、煽てられ、批判される事が無く、交流を続ける限り作品をフォローしてくれて、評価もしてくれるのですから、とても精神的に安定しますね。

 では、その手の作品が読み手にどう思われているか。


 依存の激しい作者の作品に読み専のフォロワーさんは居ません。

 つまり、読むに値しないのです。


 カクヨムでは定期的にコンテストを開催していますが、中でも短編の場合にランキング上位を独占するのが、営業行為の末の上げ底作品。

 星の数がやたらと多く、コメントも多く、一見すると大人気作品に見えるのですが、フォロワーやコメント主の属性を見ると、ほぼ十中八九書き手によるものです。

 評価も勿論、書き手によるものが殆どで、読み専がほぼ居ない作品を数多と目にします。


 当然ながら、その手の作品を喜んで読む、読み専の方は居ません。

 既に見透かされているので、面白くもなんともないのを理解しているからです。

 結果、ランキング上位の作品は総じてつまらない、評価が全く当てにならない、そのような事態を招く結果に至ってしまい、営業活動などの交流を図らない作者にとって、はっきり言って邪魔な存在となり得るのですね。


 作品の質で勝負してこない、相互に支え合うだけの状態でコンテストに参加するのですから、まあ、鬱陶しい事この上なく不平不満も溜まる訳です。


 中にはきちんと読むと良作もあります。

 ですが、フォロワー数人、星五十とか、何の冗談? と言った作品も多い訳で。


 目に留まれば読まれて評価も得る可能性はある。

 にも拘わらず上位に居るのは上げ底作品。

 憤懣遣る方無い状態になりますね。


 コンテストでも長編になると、この相互評価は全く役に立ちません。

 短編でも効果は無いのですが、ですが、見せ掛けの数字で何とかならんか、と足掻く作者が多いのも事実です。

 質で勝負しないのですから、何度トライしても結果は同じです。

 本当に面白い作品、良い作品は評価もフォロワー数も、あまり関係なく選考を通過するものです。

 そこを理解せずに数字だけ盛った作品を出すなら、一度全てを断ち切って素の状態で勝負して欲しいものですね。

 本当の実力が分かりますし、改善点も真剣に模索する事になるでしょう。


 どうすれば数字を取れる作品になるのか。

 どうすれば面白いと言って貰える作品になるのか。

 考える切っ掛けをくれますよ。


 勿論、数字が付いて来ないので思いっきり凹みますが。

 ですが、その生みの苦しみを経るからこそ、良作へと至る可能性を見出せる、私はそう考えております。

 単純に中高生にウケの良い作品でも良いですし、その方が書籍化もされ易いのは事実ですし、そうでなくとも、じっくり読ませる作品でも良い訳です。

 どこかで誰かがそれを高く評価し見てくれている、そんな可能性に賭けるのもありかと。

 場合によってはコンテストで入賞、なんて事もあるやもしれません。


 ですので、相互評価に頼らない作品づくりを、是非とも目指して欲しいものです。

 誰でも評価されれば嬉しいのです。

 しかし、その評価がお手盛りでは意味を成しません。

 作品の質で勝負する、それを心掛ける事が大切なのだと思います。


 因みに、自主企画をやると時々企画主をフォローしたり、小説の冒頭を読んで評価をする方が居ます。

 企画主としてはありがたいですが、余計なお世話でもあるので、それらは避けて頂く方が良いです。

 たまたま見付けて読んだら面白かった、だから評価した、であれば問題無いのですが、そうでない場合、一切の忖度はしませんので無駄な行為に他なりません。

 勿論、気に入った作品が無い限り相互フォローも無いですから、徒労に終わるだけです。

 是非とも作品の質で唸らせてください。

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