─3─

閉 鎖 都 市



どうするつもりだ?


もんの間も足は自然に男の後を追い続けた。


ときおり車窓しゃそうから警告色けいこうしょくの光が、

車内を赤くらし出していた。



どうも緊急監視統合きんきゅうかんしとうごうシステム《デュミナス》が、

作動したようだ。


機械仕掛けの金属製ボールが車外をゆうしている。


それに合わせ赤い警光色けいこうしょくの光のフィルターが、

前方ぜんぽうから流れて来た。


その光は車外を浮遊するボール型機械から、

出されているようだった。


このボールは、

自動監視プロトコルをこう使する監視かんしロボで、

名をコープと言う。


歳よりはアポットと言ったりもするが、

これはアポット社が需要じゅようになっていたころごりだ。



このコープは、

普段はかんカメラのような役割やくわりしかしてないが、

緊急時きんきゅうじにはよりくわしく!

モニタリングのような事も始めるのだ。



たとえるならMRIやレントゲンのようなものである。


犯罪防止のための自動監視システムというのが、

一般的な認識にんしきであろう。



だがそんな防犯装置も人の内のあくまでは、

かん視出来しできないのが現状げんじょうである。


前方を歩く男の影が、そう言っているようだった。


気付きづくと少女は、

車体の連結れんけつえたあたりで立ち止まっていた。



こちらをチラリとりかえる少女。



前方を歩く男はあからさまに顔をそむけていた。


僕はと言うとを逃し、

少女のせんから目がはなせなくなっていた。


そんな僕を少女はげんそうに見つめていた。



かわいた空気がのどく。



少女の肩に乗ったリスがたロボの目が、

警戒けいかいするように赤く点灯てんとうしていた。


少女は不思議そうに、

そんな僕と肩に乗った相棒をこうに見て、

相棒あいぼうの頭をでながら何かをささやく。

そのまま向きをかえ、

前方にあるトイレの扉に手をかけていた。


それに合わせたように、

前を歩いていたしんな男はあゆみを速めていた。


はいから少女に手をばす審者しんしゃ


僕はとっけ出していた。


おどろいたようにこちらにく男。


またたきほどのそのせつ

僕は男の胸元むなもと突進とっしんしていた。



          ─3─

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