第十一話 陰陽師の第一歩㊀
目が覚め、慣れない階段を降りてリビングに入る。そこには正装を着た親父がいた。
「おはよう、かなた。今日はお前の高校に手続きに行くぞ。中野さんと一緒に行くからな。」
「わかった。ご飯を食べ終わったら、すぐに準備するよ。」
俺はすぐに朝食に手をつけた。
そして、俺の準備が終わる頃桜たちが迎えに来た。
俺たちが向かうのは、
俺たちが高校の来賓用玄関へ着くとそこには、スタイルの良い女の人が立っていた。
「ようこそ晴明高校へ。出雲様、中野様。私はここの理事長の秘書をさせて頂いている
そう言うと面談室まで案内してくれた。
面談室まで着くと、
「出雲様はこちらの部屋に、中野様はあちらの部屋にお入りください。中には職員がいるので指示に従ってください。しかし、かなた様、桜様は高校内を案内いたしますので私に付いてきてください。」と言われた。
俺と桜は白銀さんに言われるがままについて行った。
俺と桜が案内されたのは、理事長室だった。とても豪華で大きな扉だった。校内を案内してくれるはずでは?
俺はそんな疑問を持ちつつ、中に入る。
そこにはメガネをかけた白髪で長髪の男性が座っていた。
「初めまして。私はここの理事長の
そういわれ、俺たちは椅子に座った。
理事長が反対側に座った。その顔は、真剣以外の何ものでもなかった。
「単刀直入に言うと、君たちには陰陽師になってもらいたい。」
そういわれ、桜は頭の上にハテナマークを作っていた。
いきなりきたな。俺はぬらに聞いていたし、説明もされていたからわかっていた。
桜の反応は当然の反応だ。
そんな桜を見て理事長は続ける。
「これは真面目な話だ。君たちは化け物—妖怪に襲われるだけじゃなく、変な場所にも引きずり込まれた。違うかい?」
「なぜそれを知っているのですか⁉︎」
桜が理事長の話に噛み付いた。
「それは私が陰陽連のトップで、君たちのような子たちを保護しているからだよ。」
そこから理事長の説明が始まった。
「つまり、その変な世界に引きずり込まれたことで陰陽師としての力が芽生えたってことですか?でも、私たちその変な世界に引きずり込まれてから何の変化もないでけど。」
理事長の説明を聞くと、その変な世界に引きずり込まれたら陰陽師の力が芽生える。
しかし力の扱いに慣れておらず、下手をすれば人に害を及ぼしかねない。
だが桜は、ここ数日普通の生活を送れていたのだ。
もし、理事長の説明通りなら人を傷つけているはずなのだ。
「それには秘密があるんだよ。それを言う前に白銀くん少し席を外してくれるかな?終わったら呼ぶからさ。」
「はい。承知しました。」
そういうと白銀さんが出て行った。
白銀さんを部屋から出て行かせた?
俺の中を冷たいものがはしる。
「さて出雲かなた君、君はぬらりひょんの宿主だね?」
その時の理事長はとても恐ろしく、全身に何十倍もの重力をかけられているように錯覚した。
それは、プレッシャーとは違う得体の知れないもので押し付けられている様な感覚。
「そ…そうです。」
俺は何とかして返事をする。
そう返事をすると、全身にかかっていたものがなくなった。
「やっぱりか。かなた君、君根性あるね。普通の人ならしゃべることすらできないくらいの明力差だったんだよ。」
そういうと、理事長は立ち上がり棚から大きな水晶を持ってきた。
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