第十話 京都

 目が覚めると、もう朝日が昇っていた。下からは、父親の朝ごはんの作る音が聞こえる。

 階段を降り、キッチンに行くと机には朝ごはんがならんでいた。

 いつも通りのトーストにサラダ。

 「おはよう。今日は早いんだな。」

 「うん、おはよう。」

  手短に挨拶を終わらせ、席についた。


「かなた、今日は京都に行く日だ。準備はできてるか?」

 朝ごはんを食べ終わり皿を洗いながら、しゃべりはじめた。

 「うん、大丈夫。でも、少しは寂しいかも。16年間だけど、生まれてからずっと住んできた家だから。」

「そうだな、でも一生戻って来られないわけじゃないからな。今は、京都の生活をどう楽しむか考えよう。そっちの方が明るくいれるさ。」

「そうだね。今日から京都なんだから、楽しまなくっちゃね!」

 そうだ、ちゃんと最後に康介と桜にも会えたんだ。

 今日の午後には京都だ。しっかり気持ちを入れ替えなきゃな。


 「それじゃ、出発するか。京都へは車でだいぶ時間がかかるが今日中には着く。着いたら、近所の人に挨拶に行くからな。」

 「うん、わかった。でも、父さんも無理しないでね。」

 「まあ、任せろ。」

 16年間ありがとう。別に売りに出したわけでは無いと親父は言っていた。

 だが、京都に行けば長い別れになるな。

 でも、また戻って来るからな!それまで少しの別れだ!

 そうして、俺たちは家を出た。

 車に乗ってから1時間もしないうちに眠りに入った。


 「やっと京都に向かって出発したか。でも、ここからが本番だ。まずは、力の操作を覚えなきゃいけない。」

 いつもの空間でぬらがいた。しかし、その姿はモヤがかかったかの様だった。

「力ってなんのことだよ?それとぬら、その姿どうしたんだよ?」

「ああ、これか?これはな、京都に近づいている証拠だ。京都には、陰陽連の本部があるのだ。だから、そこの結界に引っ掛かったんだろ。」

「それ大丈夫なの?ばれたりしない?」

「大丈夫だろ。共鳴率がそんな今高くないし。」

 「その共鳴率って何だ?」

 「それはな—」

急にぬらの声にノイズが走った様な声になる。

 そして次の瞬間、空間は黒に染まり目が覚めた。そして、目が覚めた時にちょうど新しい家着いていた。

  

「かなた目が覚めてたのか、やっと着いたぞ。ここが新しい俺たちの家だ!」

 車のから出て家を見ると、三階建てのとても豪華な家だった。

「ここはな、建てられて数年しか経っていない!つまり、ほぼ新築なのだよ!ここが俺たちの新しい家だ。これから頑張るぞ!」


 すぐに家に入り、やることを終わらせと、親父と近所の家に挨拶をしに行った。中野さんか。頭の中に桜の顔が浮かぶ。

 京都まで来て、家が隣りなんてありえないだろ。

そして、インターホンを押した。

 そしてすぐに家の人が出てきた。

「はいはーい、どなたですかー?」

 そう言って出てきたのが桜のお父さんだった。


 「いや、本当に驚きましたよ。まさか、引越し先が一緒なだけじゃなく、家まで隣になるとは。」

 結局、挨拶のあとすぐにご飯を食べに行くことになり、桜の家族と共に夕食を済ませた。


 「これからもよろしくね、かなた。」 

 ご飯を食べ終わり、外の空気を吸っていると、不意に桜から声をかけられた。

 「こちらこそ。これからも、一緒に帰れるな。」と軽く返事をした。

 

 

 そして、桜達から別れ家に帰る。風呂に入り、寝る準備をする。

 かなたは、ベッドにダイブすると、すぐに眠りに着いた。


 

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