第八話 京都への準備㊀

 かなたが目覚めると、「かなた起きてるだろう!さっさと朝ごはん食え〜!」と一階から父親の声がした。 


 下に行くと父親が俺の席の向かいに座っていた。

 「かなた、今日お前の高校に話に行くぞ。学校の方には昨日連絡入れておいたから、さっさと朝ごはん食って準備しろ。」

 「わかった。」

 今日は会話を手短に終わらせ、朝ごはんを食べ始めた。そして、朝ごはんを食べ終わり、準備を終わらせると俺たちは家を出た。


 校内に入り、面談室に向かうと横にあるもう一つ面談室から桜たちの声がした。

 「中野さんの家も今日に面談してるんだな。」

 「そうみたいだね。あ、父さんこの部屋だよ。」

 「ああ。じゃあ、入るか。」といい、扉をノックして中に入った。


 「いやぁ〜、かなたの担任いい人だな。京都でもあんな人が担任だといいな!」

 帰り道で父親が言う。手続きを終えて学校を後にし、外で昼食をすませて家に着く。

 「かなた明日の朝には引越し業者が来るから、今日中におじいちゃんとこに電話しとけ。父さんまだ、会社の手続きに時間かかるから代わりに頼む。」

 家についてすぐに言ってくる。まだ連絡入れてなかったのか。

親父は片手に資料や封筒などを持って自分の部屋に入っていった。


 言われた通りに祖父に電話をした。

 「もしもしじいちゃん、かなただけど今しゃべれる?」

 『ああ大丈夫。で何の用じゃ?』

 「いや、俺らね京都に引っ越すことになったんだ。」

 『ああしっとるよ。』

 「え?何でしってるの?」

 『そりゃあ、あんたの親父に聞いたんじゃよ。』

 なにが電話しとけだ。もう連絡してるじゃん!

 まぁ、じいちゃんと久々にしゃべれるからいいか。


 『かなた、3年前にお前に渡したものちゃんとつけとるか?』

 「ああ、つけてるよ。何で急に?」

 『お前に渡した時に言い忘れてたことがあってのぅ。もし、夢の中に男の人が出たら木箱の底を押してごらん。すると紙が出てくるらしい。それを読めば夢の中の男の人のことがわかるらしい。』

 いきなりとてつもなく大事なこと言い始めたよ!

 そんなのあるなら、初めからぬらについて聞かなくてよかったよね。

 とりあえず、今夜さっそくやってみようかな。

 「わかった。出てきたらやってみるよ。」

 『ああ。京都でもうまくやるんじゃよ。』

 「まかせて!」

 そう言うと電話を切った。


 「さて、やってみるか。」

 夜になり、俺はすぐに木箱を取り出した。蓋を開け、底を見る。そこには五芒星セーマンが書かれていた。

 俺は指先を五芒星セーマンに押し当てる。しかし、底はびくともしない。

 じいちゃん本当に底に紙なんてあるの?まったく動かないじゃん。

 すると、五芒星セーマンが輝きだし底がずれだした。

 完全にずれ終わるとそこには上包みがあった。とても綺麗で新しく見えた。

 そこには墨で『百鬼を継ぐ者へ』と書かれていた。

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