キャットフード

 さくらは四歳の時に膀胱結石の手術をしています。三匹もいると次々と怪我やら病気やらが発覚して医療費が馬鹿にならないのですがその話はまた今度ということで、今日はキャットフードのお話をします。


 さくらが手術をするまでは実に色々なフードを試してみました。我が家は決して裕福ではないので、正直なところ最初はお手頃なフードを選んでいました。でも、一般的にフードの品質は値段に比例すると知ってからはできる範囲で品質の良さそうなブランドを選ぶようにしました。


 ただ、ペットショップのフードコーナーを覗いたことがある方はわかると思いますが、メーカーのみならず味も素材も用途も多岐にわたっていて、何を選んでいいのか本当に困りました。例えば年齢では子猫用、成猫用、シニア用、高齢猫用などに分かれます。これはまだ目安があるのでいいんです。形態としてドライのみ与えるかウェットのみか混ぜるのか、ウェットなら缶かパウチどちらがいいのかどちらでもいいのか迷います。用途で言うと、肥満猫のための体重管理フード、毛玉を吐きやすい子のためのフード、泌尿器の病気を予防するためのフードなど、幼いうちはあまり考えなかったこともだんだんと考えなくてはならなくなります。


 更に、猫は本来肉食だから穀物が多いフードは良くないとか、ウェットタイプばかりだと歯肉炎を起こしやすいとか、逆にドライフードは水分を摂れないから気をつけろとか、どこまで信じていいかわからない情報にも随分と翻弄されました。


 でも、さくらの手術で状況は一変します。さくらが食べられるフードが二種類に限定されたからです。そしてその後更にたった一種類となりました。さくらは生涯そのフードしか食べてはいけないと獣医から宣告されたのです。


 猫に餌を与えるタイミングや回数は家ごとに違っていると思いますが、我が家はいつでも食べられるようにしてあります。最初は何回かに分けて与えたのですが、さくらは吐き戻しが多く一度にたくさん食べると余計に吐くので、いつしかそうなりました。さくらがそうなので自然と他の子もそうなり、今も続いています。となると、フードは統一するしかなく、結果的にももやうめも同じフードを食べることになりました。


 俗に言う療養食と言うやつなんですが、これが高いんですよ。三匹分ですしね。我が家はネットの最安値を探して買っているのでまだマシですが、病院で買うと一ヶ月ごとに諭吉さんが何人か手下を連れて出て行く計算です。更に悲しいことに、一昨年と比べると五割くらい値上がりしたんですよ。戦争のバカ、円安のバカ、マジで泣ける。まあ、お陰でさくらは再発せずに済んでいるので文句は言えません。下僕はせっせと働いて貢ぐのみです。


 昨年になってこの療養食にウェットタイプがあると知り、さくらのおやつ代わりと思って買ってみました。こちらはドライより更にお高くて、市販のお手頃なウェットフードの三倍くらいします。ところが、さくらはドライフードの方が好みらしくてあまり食べません。ただ、味は好きなようで、水分が殆どなくなるまで舐め尽くします。そしてお代わりを要求してきます。最近では私も賢くなったので、お湯で薄めて提供してお代わりを阻止しています。


 ちなみに、水分を失ってパサパサになったフードはももが喜んで食べてます。めでたしめでたし?

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