さくらともも
こうしてももが我が家にやって来た。
今日はその時の様子を写真を見ながら書いてみようと思う。なんせ4年以上前のことで記憶があやふやなのだが、たくさんある娘たちの写真を見返すと、当時の記憶が蘇ってくるのだ。
この時はまだ、ももがビビりだということしかわかっていなかった私たち。果たしてさくらとももがお互いにどんな反応を見せるか、期待と不安でいっぱいだった。
最初はケージ越しの対面。私たちがお世話になった保護団体の保護猫は、預りボランティアのもとで集団生活をしているので、基本的にみんな多頭飼いの状態を経験している。そこからやって来たばかりのももは、他の猫がいることへの抵抗が少なかったのだろう、初日こそひどく怯えていたものの(やはりタオルケットに頭を突っ込んでいた)、意外とすぐに馴染んでしまった。
一方、ここ1年ひとりで気ままに暮らして来たさくらにとっては、ももは侵入者以外の何者でもない。こいつは誰だ感ハンパない態度で、遠巻きに見ていた。
触られたり抱っこされたりは未だに苦手なももだが、翌日にはケージから出ると猫じゃらしで遊んだり、ごろりと床に寝そべったりするようになった。
ももが落ち着いたようなので、いよいよ直接のご対面。幸いにもいきなり喧嘩というような修羅場にはならず、お互いに一定の距離を保っての探り合い。
やがて近づく距離。ビビりといってもそこは子猫のもも、好奇心に逆らえずさくらに近づいて牽制の猫パンチを食らう。パンチの真似だけで当たってはいない。
さくらはさくらで、もものことが気になってしょうがない様子。ケージの中の子猫用高カロリーフードを狙うことも忘れない(笑)
翌々日には、初めての鼻ちゅ。これはさくらの方から近づいていった。猫の鼻ちゅは挨拶である。嫌いな相手とはしたがらない。
そのうちももは、さくらの後をついてまわるようになる。さくらは姉御肌というか女王の風格というか、あまり細かいことにはこだわらない。気に入らないことがあるとキレたりもするが、例えばももが自分の餌を横取りしても怒ったりせずに見守る鷹揚さがある。そういうところも良かったのだろう。
時には猫パンチの応酬もありつつ、さくらとももはわずか1ヶ月足らずで仲良く添い寝し、グルーミングし合う仲になった。私たち夫婦が当初目指していた、留守番が寂しくなくなるという目的は見事に果たされたことになる。
またしても、猫を見る目を持つ男の面目躍如であった。
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