猫トイレ その3
さくらが来た当初はケージで過ごすことも多かったので、小さめのオープンタイプのトイレをケージ内に設置した。
猫の砂かきの激しさは個体差が大きいらしい。後から来た子たちと比べても、さくらはさほど激しい砂かきはしなかった。それでも、日に何度かは散らかった砂を掃除する必要があった。
やがて、さくらは女子とは思えないくらいたくましく育ち、トイレが手狭になったので、砂の飛び散りが軽減されるであろうハーフカバーのトイレを購入した。
側面の高さがある分、明らかに飛び散りは減ったがゼロにはならないし、出入り口からの砂こぼれは防ぎようがない。
そこで、ももを迎えるにあたっては、出入り口以外からの飛び散りを完全に防げるフルカバーのトイレを選んだ。中が丸見えにならないので、見た目もスッキリ。猫たちが問題なく使ってくれたので、いっそハーフカバーのトイレをフルカバーに買い替えようかと考えた。
ところが、ここでひとつ問題が生じたのだ。成長したももが、前足を縁にかけて立ち上がる排泄スタイルを取るようになったのだ。私は知らなかったのだが、猫の中には一定数こうしたタイプがいるらしい。
フルカバーのトイレには扉付きのものもある。我が家の場合はついていない。ももは今でもその出入り口から身を乗り出して、見るからに窮屈そうに用を足している。もももまた、女子らしからぬ大きさである。そんなももにとって、両方のトイレをフルカバーにするのはストレスになるのではないか……こうして、フルカバーの増設というグッドアイディアは消え去り、こまめな猫砂掃除を繰り返す日々は続いた。
そういう経緯があったので、うめが我が家に来ることになった時、私たちは大いに悩んだ。決まっているのはシステムトイレがいいという一点だけだった。
その頃、上から入るタイプのトイレが密かに流行っていることを知った私は、その高評価に惹かれ、半分は考えるのが面倒くさくて、えいやとばかりに購入してしまった。
しかし、この考え無しが、後に私を苦しめることになる。
まだつづく
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