リアルねこあつめ

 5年前、空前の大ヒットとなったゲーム『ねこあつめ』


 実写映画化までされるフィーバーぶりだった。


 私もご多分に漏れずせっせと集めたものの、結局コンプリートできぬまま、機種変のタイミングでやめてしまった。



 我が家では、私たち夫婦の寝室に猫の生活道具一式が揃っている。具体的には、キャットタワー、ケージ(今は食事と水飲み場として主に使用)、トイレ、こたつ、猫ベッド等。真夏や真冬は冷暖房の関係で締め切ることが多いので、この部屋で全て用が足りるようにしてあるのだ。


 もちろん私たち夫婦のベッドもふたつある。私は夜更かし派なので、ベッドのクッションにもたれて、遅くまで本を読んだりスマホをいじったりすることが多い。


 そんな私がベッドに入ると、わらわらと猫たちが集まって来る。


 まず最初にさくら。お気に入りの場所は脚の間で、布団の上からでも必ず脚を探り当てて自分の体を預けてくる。


 一方、ももはそういうことは気にしない。一旦、私の顔の近くまで来て挨拶すると、大抵は足元の端の方で丸くなる。


 うめはというと、まずは私のお腹にひょいと上り、ブロック塀の上を歩くみたいに体の上を歩いて私の口の匂いを嗅いだ後、寝心地のいい場所を見つけるためにベッドの上をぐるぐるする。時に姉たちから攻撃を受けつつも、大抵は私の脇の辺りに陣取って丸くなる。


 こうして私のベッドというステージは、猫たちに占拠されるのである。


 これぞリアルねこあつめ!


 ここで、ダンナさんのベッドでも同じことが?と思った方もいるでしょうが、はっきり言って、それはない。


 夫の名誉のために言っておくと、夫は決して猫たちに嫌われているわけではない。私がいない時は、誰かしら夫のベッドにいることも多い(主にさくら)。ただ、圧倒的に家にいる時間の長い私に懐いているだけだと思う。


 夫はかなり不満のようだが仕方がない。文句は猫たちに言ってくれ。


 ただ、このリアルねこあつめ、必ずしも楽しいことばかりではない。


 猫たちが私のためにきちんと空きスペースを確保してくれる筈も無く、4kg超の猫が3匹居座るベッドには、人間が手足を伸ばして寝るスペースは残されていないのだ。


 かつて、5匹の猫に囲まれて寝ているという知人に『天国じゃん!』と言ったことを、今はとても申し訳なく思う。


 割と地獄だよ……

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