アフターストーリー05 -たまには息抜きを-
とある土曜日。
今日はバイトも部活も無い完全オフの1日だ。
ということもあり今日は久々に楓と2人きりでデートを楽しんでいる。
家も隣同士になったし、朝のランニングや登下校など一緒に居る時間はそれなりに多いんだけど、ちゃんと意識してデートをするのは久々だ。
まぁ最近は部活に受験勉強にと忙しかったからたまには息抜きをってところかな。
「こういうの何だか久々だね」
「そうだな。最近忙しかったもんな」
「凄く楽しみ~」
「人気スポットみたいだしな」
「うん。それもあるけど・・・ケンちゃんと久々のデートだから♪」
「お おぅ そうだな」
と言いながら俺の腕に抱き付いてくる楓。
単純に楓より可愛い子なら他にも沢山いるとは思うけど俺の事をここまで好きでいてくれるのは間違いなく楓だけだと思う。
本当可愛いよなぁ~俺の彼女は。
「ん?どうしたのケンちゃんニヤニヤして」
「あぁ楓って可愛いなぁ~って」
「も もう!そういうのは外で言わないの!」
「2人きりならいいのかな?」
「も もう!ケンちゃんのバカ!」
裕也に聞かれたら"このバカップルが!"とか言われそうな会話をしながら向かってるのは隣の市に新しくできた水族館。
少し遠いけど最近雑誌やテレビで取り上げられていて気になってた場所だ。
話題のスポットということで多分混んでるんとは思うけど最近は近場のデートが多かったしたまにはいいかなってことで今日の行先に選んだんだ。
川野辺駅から電車に乗り横浜を経由し最寄り駅へ。
土曜日とはいえ都心に向かう電車はそれなりに混雑している。
何だか楓と一緒に電車に乗るのも久しぶりだ。
そして、最寄り駅に着いた俺達はスマホの地図を見ながら水族館へ。
「こんなところにあるんだ」
「だな。何だか高層階にあるとか不思議な感じだよ」
新しくできた水族館は駅前の商業ビルの高層階3フロア。
いわゆる大型水槽での魚の展示とかは無いみたいだけど近隣の川の生態系などの地域型の展示とテーマに沿った海外の魚類の展示、そして大型水槽の展示が無くても十分い集客が出来る最新の映像やライティング、CGなどによる演出と従来型の水族館とはやや異なった趣の施設となっていた。
その分・・・入館料もお高めでしたが・・・
「うわぁビルの中なのに森があるよ」
「こっちには川も流れてるしやっぱり普通の水族館とは違うな」
アマゾンをはじめ海外の水辺を再現したエリア。
ビルの中ということでそれ程広くはないはずだけど草木に水、それに風やライティングで屋内とは思えない本当にジャングルの中に来ているような感じになれた。まぁジャングルに遊歩道は無いだろうけどね。
そんな中に水辺の動物や魚などが展示されているので本当に自然の中の生物を見ているような気持ちになれた。
「え!あっちカピバラがいるよ」
「お 本当だ。相変わらず平和そうな顔してるよな~」
「それも可愛いんだよね」
と急に歩き出したカピバラは大河をイメージしたと思われるプールに飛び込み泳ぎだした。泳ぐのは知ってたけど見たのは初めてだな。
「凄~い ケンちゃんカピバラさんが泳いでるよ」
「そうだな。あんなにきれいに泳ぐとは思わなかったよ」
本当に気持ちよさそうに泳いでた。ねずみ・・・なんだよな?
この水族館ではカピバラに触ることは出来ないようだったので楓は名残惜しそうだったけど次の展示場へ。本当カピバラ好きだよな。
次の展示エリアは普通に水槽が並び色鮮やかな熱帯魚が展示されていたけどこのエリアは壁面が巨大なスクリーンになっていて水槽の水面と壁面の映像が繋がっているかのように見える演出がされていた。
水槽自体はそれ程大きくないはずだけど凄く奥行きを感じるというか川の断面を水槽を通してみているような気分にさせてくれた。
「ここって演出というか施設の作り方上手いよな」
「そうだね。お魚そのものはそれ程珍しいって感じのものは無いんだけど見ていて飽きないよね」
そう。展示されている魚や動物はそれ程珍しいものでも無いんだけど人気のあるのを選んでいるというか限られた展示スペースの活用が凄く上手い。
その後のエリアも水槽が1つもなく映像だけで魚を部屋の壁面一杯に映し出したのエリアなど様々な演出で俺達を楽しませてくれた。
もちろん薄暗い館内で楓と手を繋ぎデートも堪能させてもらったけどそれ以上に演出や館内の作りに感心してしまった。
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水族館を出た俺達は併設しているショップに立ち寄った。
どうでもいい話だけど水族館や美術館って出口に必ず併設してるグッズショップ。まぁ気持ち的にも上がってるしグッズも買いたくなっちゃうところはあるけど何だかここで買い物すると負けた気がするのは俺だけだろうか・・・
「ねぇねぇケンちゃん あのカピバラのヌイグルミ凄く可愛いの!」
「へ~ 確かによく出来てるな。よしバイト代も出たしプレゼントするよ」
「え!本当 ありがとう!」
うん。負けた。
でも楓が喜んでくれるなら全然OKだな。
会計を済ませた後、俺達は同じフロアにあったカフェレストランで少し遅い昼食を取った。
ちなみに楓はシーフード系のパスタで俺はカルボナーラを食べている。
「ふふ」
「どうした楓?」
「何だか幸せだなって」
「どうしたんだ急に」
「だってさ、こういうケンちゃんとのデートって何だか久々だし」
「確かに部活とか受験勉強も忙しかったからな」
「そうだよね・・・」
でも忙しいなんてのは単なる言い訳だよな。
一緒に居る時間は長いかもだけど時間は作れなくはないはずだ。
こういうデートもたまにはしなくちゃな。
「うん。そうだな。これから部活や受験勉強も忙しくはなるだろうけど月1くらいは2人で何処か行こうぜ。たまには息抜きも必要だしな」
「うん!」
嬉しそうに微笑みかけてくる楓。
本当俺の彼女可愛すぎるんだけど♪
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更新遅れすみません。
途中までは書いていたのですが、色々リアルな仕事が忙しく書き終えることが出来ず。しばらくは週末更新になりそうです。
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