第47話 紅葉のお願い
今日は中間試験後の試験休み。
ここ最近土日も勉強とか色々忙しかったので、少し遅い時間に起きた後、部屋の掃除をしてたまった洗濯物を片付けた。
そして、午後からは楓と以前も出かけたショッピングモールに買い物に行った。
「ねぇどこから行く?」
「そうだな。部活用にTシャツ買いたいんだけど、ここってジークロあったよね」
「うんあるよ。じゃジークロ行こ!」
と1Fエリアにあるファストファッション大手ジークロの店舗に向かった。
夏場は汗かくからTシャツとか多めに買っておきたいんだよね。
店内でTシャツを選んだあとは、夏物の服を選んだり買い物デートを楽しんだ。
「これ楓に似合いそうだな」
「え!本当。ちょっと試着してみる!」
と俺が選んだシャツとスカートを持って嬉しそうに試着室へ向かう楓。
そして、待つこと数分。
「ど どうかな?」
夏らしいゆったりしたロングスカートにサマーニットのコーデ。
背が高い楓によく似合ってる。
「うん似合ってる。すごく可愛いよ。というか綺麗?」
「き 綺麗・・・・これ買う!」
即決ですか楓さん。
でも意外と安いなこれ。流石ジークロ。
「じゃ、俺からプレゼントするよ」
「え!いいの?」
「まぁこれ位なら何とかね」
「ありがとう!ケンちゃん」
と可愛い笑顔を見せる楓。
某ファーストフード店だとスマイル0円って言うけど、俺はこの笑顔でおつりがくるわ。会計を済ませた後は、少し喉も乾いていたのでカフェに誘った。
「そうだ1Fに新しいカフェが出来たって案内が出てたけど行ってみない?」
「うん!行く行く」
ソファ席に座り、カフェでゆったりとくつろぎながら会話を楽しんだ。
こういう休みも良いもんだね。
そして、そのまま楓の家へ。
今日は紅葉の家庭教師の日なんだけど、模試の結果が返ってくるらしいんだよね。
教えてあげてた感じ結構理解力も高かったしいい成績だとは思うんだけど。
「ケン兄、お姉ちゃんおかえり!!」
玄関に入るなり、紅葉に押されるように俺と楓は部屋に連れていかれた。
「相変わらず元気いいな紅葉は」
「紅葉 そんなに慌てないでよ」
「その様子だといい結果だったのかな?」
「ふふ~ん お姉ちゃん達の高校でA判定貰いました!学内順位も前より上がって18位だったよ」
「凄いじゃない。このままのペースで勉強すれば来年の今頃は私たちの後輩になれそうだね」
「うん!」
本当嬉しそうだ。でもまだ模試だからな。
受験は半年以上も先だし、緊張感を維持するのは中々難しい。
上手くフォローしてあげるのも俺の仕事かな。
「でね。ケン兄覚えてる。A判定取れたらご褒美くれるって約束」
「え?あぁ覚えてるぞ。ただ、まぁお手柔らかにな」
俺も学生だしお金も仕送り位しかないしな・・・
夏は生活も落ち着いてきたし、今度バイトでも始めるかな。
「無茶なお願いしないから大丈夫だよ。お願いはね・・・
まだ少し先だけど、夏休みに入ったら海に連れてって欲しいんだ」
「海?」
「そ。海水浴。もちろんお姉ちゃんもね!」
「え?私も?」
と楓。急に自分の名前が出たので驚いてる。
「お姉ちゃんはケン兄の彼女でしょ?行くの当り前じゃない」
「そ、そういうものなの?」
「そうなの。それとも私とケン兄が二人きりで海行っていいの?私がケン兄取っちゃうよ!」
「そ、それは駄目!!」
慌てる楓。紅葉笑ってるぞ。。。妹にからかわれるなよ。
「という事で、ケン兄もお姉ちゃんも部活あるし、私も夏季講習があるから日程は別途という事でお願いね!」
「了解だ。でも海とかなら学校の友達とかと行った方が楽しいんじゃないか?」
「いいの。私はケン兄やお姉ちゃんと行きたいんだよ。一緒に海行くのってケン兄が引っ越す前にみんなで行って以来でしょ?
それにケン兄も美女二人と海いけるんだから喜ばなきゃ!水着だよ水着w」
「そういえば親父達とみんなで海行ったな~それにしても美女二人ねぇw」
「あ、なんかムカつく~」
と拗ねる紅葉。自分で美女と言ってるし。
まぁ確かに紅葉もちょっと幼い感じはするけど美人ではあるよな。
「み 水着・・・」
「ん?お姉ちゃんどうしたの?」
「私、スクール水着以外持ってないかも・・・」
「え?綾姉とかとプール行ってなかったっけ?」
「小学校の時ね。流石にもうサイズ合わないし。それに中学は部活で忙しかったから学校のプールしか・・・」
「お姉ちゃん・・・今どきの女子高生のセリフじゃないよそれ・・・
うん それじゃケン兄!ミッション追加!海行くまでにお姉ちゃんの水着を一緒に買いに行くこと!あっでもこれはお願いというよりお姉ちゃんの彼氏としての役目だからね!」
何だか相変わらず紅葉には勝てないな・・・・
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