第46話 高得点

模試は学科が少なかったこともあり1日で終わったけど、中間テストは科目も多いので3日にわたって行われた。

正直毎日テストというのは疲れるし集中力の持続も難しい。


そして最終日の今日、やっと最後となる英語の試験が終了した。

今はホームルームの時間・・・なのだけど、先生が遅れているので皆自由時間を満喫中だ。


「やっと終わったね。ケンちゃん出来はどうだった?」

と楓。笑顔なところを見ると結構できたのかな?


「う~ん、そこそこできたとは思うけど数学と化学は少し予想してた問題と違ったから怪しいところあるかもな」


一応授業にはついていけてるので大丈夫とは思うけどちょっと不安。


「部活もようやく再開だね。スポーツ大会はあったけど、部活出来ると思うとやっぱり楽しみだよ」

「だな。クラス対抗も面白かったけど、やっぱり部活のメンバとバスケしたいよな」


そう。やっと部活も再開できる。

明日1日試験休みだけど明後日から再開だ。

練習試合を何試合か挟んで、夏の大会が始まる。

小宮先輩達3年生は最後の試合。1戦1戦を大切に頑張らねば!


と先生がようやく到着。


「遅れてすまなかったな。この間の模試の結果が届いてたんでチェックしてたんだ。嬉しい事にこのクラスから全国4位の者が出た。我が校でも初だ!

 プライバシーの問題もあるから名前は出せないが皆これからも頑張るように!じゃあ結果配るから取りにきてくれ」


と一人ずつ名前を呼び結果の入った封書を配り始めた。

先生の[全国4位]を聞いてざわつく教室内。

"誰だよ"と言う声や"俺に決まってる"とかいうふざけた声と笑い声。

にしても全国4位とは凄いな。

成績良いって言ってたしもしかして楓か?

などと思っていると俺の名前が呼ばれた。


「次は田辺か。よく頑張ったな!」


と結果の入った封書を受け取るとき、にこやかに先生から声を掛けられた。

『ん?俺って結構成績良かったのか?』


そして、席に戻り封書を破って中身を確認する・・・・・

『まじか! 4位俺だ!!!』


男子の結果配布が終わり、女子の結果が配布されている。

結果を受け取った楓と村田さんもお互いで見せあいをしているけど、村田さんが『楓すご~い』とか言ってるから結構楓も良い成績だったんだろう。

俺の順位は・・・多分言わない方が良さそうかな。


と裕也が近づいてきた。


「思ったよりは良かったよ♪ 健吾はどうだった?」


と俺の結果を覗き込んできた。


「あっ!」

「・・・・・・健吾が4位かぁ〜!!」


と声を上げる裕也。

をぃプライバシーはどうした。

ざわつく教室

"田辺すげー"

"運動神経良くて頭もいいとか何者だよ"

"彼女可愛いしこのリア充め!"

”楓には悪いけど今度二人きりで勉強教えて!"

などちょっとした大騒ぎ。

何気にディスってる奴も居ないか?


騒ぎの中心になってしまったことで、恨みがましい目で裕也を見ると"申し訳ない"と手を合わせてる。そして後ろから浜野さんがポカポカ叩いている。


「はぁ。。。。」


思わずため息が出るわ。


「ほら、みんな席に戻れ!田辺の件は、騒ぎになるからこれ以上口外するなよ」


と先生。いやもう騒ぎになってるし他のクラスにも聞こえてるんじゃないか?


とりあえずは先生のおかげで、一旦落ち着いたのでホームルーム再開。各種連絡事項を受け今日は終了となった。

明日1日の試験休みを挟み通常の授業も再開される。

何だかイベント多い月だった。。。

あ、まだ温泉旅行が残ってた!いつだっけこれ。


********************

ホームルームが終わり。

いつも通り楓と並んで帰る。

気のせいかもしれないけど、今日は学内の生徒から妙に視線を感じた。


「結構出来たとは言ってたけど、まさか全国4位とかすごいね」

「う~ん 正直実感無いんだけどな。丁度わかる問題が出たってくらいで次も同じような点数取れるのかって言われたら多分駄目じゃないかな」

「そういうもんかなぁ・・・でもまぁ運も実力のうちだよ・・・」


何だか楓の声に力がない。


「ん?なんか元気ないけどどうかしたのか?」

「う うん。大丈夫・・・だよ」

「俺何か気に障るようなこととかしちゃったか?」

「あ、違うの。ケンちゃんのせいじゃないよ・・・・私のやきもち」

「やきもち?」

「今ね。女子の中でケンちゃん凄く人気上がってるんだよ。この間のスポーツ大会でも活躍してたし今回の模試も全国4位でしょ。

 背も高くて顔もカッコイイし、私がケンちゃんと付き合ってるのは知られてるけど、多分そのうち告白する人とかも出てくるかもって・・・」


そうなの?もしかして俺にモテ期が来てるの?


「でも、前にも言ったろ。俺は楓一筋だって」

「ケンちゃんがそう言ってくれるのは嬉しいし、もちろん信じてるけど彼女としてはやっぱり心配なのよ」

「そんなこと言ったら、俺は告白沢山受けてる可愛い楓の方が心配だぞw」

「うぅぅ、、、、」

「そういうことだ。あんまり悩むなよ。俺の一番はいつでも楓だからさ」

「・・・・さりげなくそういうこと言うし」


と頬を赤くする楓。

言った俺も結構恥ずかしいんですが・・・

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