第40話 スポーツ大会①

さて、イベントは続く。

全国模試が終わったと思ったら、明日は学校の年間行事の1つスポーツ大会だ。

この時期に体育祭を開催する高校が多いみたいだけど、この高校では秋に体育祭を開催し、この時期は球技に絞ったクラス対抗のスポーツ大会が開催されている。

まぁ校長の趣味という話もあるが、優勝したクラスには記念品が贈呈されたり、男女ペア優勝だと学校の所有する温泉保養施設にご招待という副賞まで出るので毎年盛り上がるらしい。


各学年は4クラスありトーナメント方式で争われるので2勝で学年優勝。

そして、各学年の勝者で行われる決勝トーナメントで勝ち残ったチームが総合優勝となる。

既に先月のホームルームで出場する競技分担は決めてある。

そして今日は本番前最後となる体育の時間を利用したB組との合同練習日だ。


「福島 お前のクラスの調子どうだ?」

「ん?結構調子いいぞ。A組のバスケは田辺、清水、長谷部と攻撃タイプばかりだけど、俺達B組は中盤の俺を中心に攻撃の高田と守備の吉見がいる。バランスだけ見ればうちのクラスの勝ちだろ」

「うっ高田と吉見は福島のクラスか・・・」


俺達A組の初戦はB組だ。トーナメントだから負けたらその場で終了。

やっかいだな・・・


「普段はチームメイトだけど明日は負けないぞ」


と高田が練習を切り上げて近づいてきた。

こいつのスリーポイントは精度高いんだよな・・・


「俺がお前と長谷部を抑えれば楽勝でしょw」


と吉見。こいつも普段クールだけど結構な曲者。ちなみに双子の妹がD組にいて女子バス所属だ。初戦から厳しいなこりゃ・・・


となりのバスケコートでは村田さんを中心に女子のバスケグループが練習をしている。中々いいチームワークだ。


「そういえば、B組は女子バスメンバ居るんだっけ?」

「・・・・居ない。だから女子はバレーボールに賭けてる。バレーボール部は湯川はじめ結構いるんだ」


なるほど。バレーボールは確かに強そうだな。

楓達も攻守のバランスは良いからな。

バレー部の背の高い子もいるし結構強いぞ。


「吉見の妹さんはD組だよな」

「ああ。あそこも女子バスメンバ結構いるから女子はA組とD組で決勝になるんじゃないか」

「確かに経験者が居ると居ないじゃ随分差が出るだろうからね」


大会ではバスケを新体育館で2試合同時に行い、バレーボールは旧体育館にて開催となる。新体育館は広いのです。そして校庭はサッカー。

ちなみに何年か前は野球場を使ってソフトボールも競技として開催してたらしいけど、部員が少なく廃部となった野球部にあわせ球場も陸上競技スペースに改装するため去年から競技は休止中だ。


そんな最後の練習も無事に終わり、いつものように楓と手を繋ぎ帰宅。

明日は1日かけて1年と2年の1回戦を行う予定だ。

そして、3年の1回戦と1年、2年の決勝戦を2日目。

最終日の3日目は3年の決勝と総合優勝を掛けたトーナメントを実施する。

勝ち続ければ最終日までの3日間毎日試合だけど、初戦で負けたら後は他のチームの応援だ。温泉旅行はおいとくとしても勝負事は勝ちたいな。


「ケンちゃん達 勝てそう?」

「う~ん。福島たちが結構強そうだ」

「そうか。B組は福島君の他にも高田君とか吉見君も居るんだもんね」


そうなんだよなぁ。普段部活で見てるだけにあいつらの連携は厄介だ。


「楓達は、今日の練習見てる限りいい感じだね」

「そうだね。守備は柚木ちゃん中心に上手くまとめられそうだから、綾ちゃんと私、後バレー部の幸奈ちゃんと美津子ちゃんで上手く攻められれば

 いい線は行くと思うんだよね」

バレー部の2人は背が高いということでバレーボールと兼任参加との事。

うん。女子チームは上手くまとまってそうだし何とか決勝に行けそうかな。


「まぁ今日はお母さんが必勝祈願でトンカツ揚げてくれるって言ってたし美味しく食べて明日は勝とうね!そして美肌の温泉に入ろう!」

「って楓も温泉目当てかw」

「い 一応女子だし。肌とかもっちりでつるつるになりたいんだよ。ケンちゃんだって触った時に手触りが良い方がいいでしょ?」

「そ そりゃまぁ 触らせてくれるならそれで充分という話もあるけど・・・」

「・・・・・」

「・・・・・」

「あ・・・・・ち 違うのそういう意味じゃなくて、なんというかその・・・」


俺が肌を触ること前提に話しをしたことに気が付き今更ながらに慌てる楓。

耳まで真っ赤になってる。


「お お腹空いた! 早く帰ってご飯食べよ!」

「お おい待てよ!」

恥ずかしいのをごまかすように自宅に向けて走ってく楓。

ご飯は逃げないぞw


さて、明日からスポーツ大会本番。

今日は早寝しよ。

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