第39話 模試
楽しかった連休も終わり今日は全国模試だ。
そのあともスポーツ大会や中間試験が控えているため、部活はもうしばらく休み。一応進学校なのでこの辺りは徹底している。
ということで部活の朝練も無いので、いつもより遅い時間でノンビリと学校へ向かっている。もちろん楓と一緒に。
「ケンちゃん 勉強の方どう?」
「まぁそれなりにって感じかな。連休中は結構遊んじゃったしな」
「だね。でも楽しかったね遊園地とか」
「そうだな。また行こうな」
色々と思い出したのか少し頬を赤らめる楓。
実際この間の遊園地は楽しかった。
アトラクションも楽しかったけど多分楓と一緒に居たことが大きいと思う。
何だか最近は楓が笑顔で横に居てくれるだけで幸せな気分なんだよな。
楓に惚れすぎかな俺も。
それはそれとして、今回の模試は英語・数学・現国の3教科。
全国同時に実施され全国順位と学内順位が発表される。
正直こういう試験受けるのは初めてなので、自分の実力は今一つわからないんだけど、編入試験の成績は良かったみたいだし多分そこそこの成績は出せるはず。
目標は楓に勝つことだけど、あいつ成績良いみたいだしなぁ~
教室に入ると参考書を見たり問題集を解いたりと皆忙しそうにしていた。
今更慌ててもなぁと思いつつも何もしていないと余裕があるように見られてしまうので、俺も皆に習って参考書を片手に最後の悪あがきをし模試に臨んだ。
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試験終了。今日は試験だけで授業はないので後は帰るだけだ。
鞄を持ち楓に声を掛けて帰ろうとしていると裕也と浜野さんが俺の席に近づいてきた。
「健吾どうだった?」
「ちょっと数学の最後の問題が怪しいけど、他はぼちぼちかな」
「っ何というか余裕あるな。俺なんか自信がある回答書けたとこのが少ないぞ。
どうせ小早川も余裕なんだろ?」
「え 私。う~ん私は英語と数学で少し怪しいところがあったかな」
と楓。確かに英語は内容というより問題がわかりにくい気がしたな。
「裕也はもう少し勉強しないとね」
と浜野さん。
「 そういう美玖はどうなんだよ」
「わ 私はまぁぼちぼち・・・」
と視線を逸らす。浜野さんもあんまり出来なかったのですね。。。
「なぁ この後うちの店で少し勉強会やらないか?来週の中間試験も範囲近いし、今日の試験の答え合わせも兼ねてさ」
と長谷部も声を掛けてきた。
試験のすぐ後に勉強会とは、相変わらず真面目な男だ。
「いいよ。じゃあ綾ちゃんと福島君も声掛けてくるね。あ、湯川ちゃんもだよw」
と楓。湯川さんを入れるのはグッジョブだ。
「え あ ああよろしく頼む」
「りょうか~い」
と席を立ち福島たちのいる隣のクラスに向かった。
長谷部。好きな子も呼んでくれると聞いて嬉しいのはわかるが顔が緩みすぎだぞw
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村田さんたちに声を掛け、皆で長谷部の実家である喫茶店ラウムに向かった。
丁度昼時を過ぎた時間帯ということで店内も閑散としている。
マスターである長谷部のお父さんが、勉強会ということで気を利かせてくれて奥の方のテーブル席を寄せて8人が座れる場所を確保。そして、差し入れにサンドウィッチとコーヒー、ジュースまで提供してくれた。
「呼んでくれてありがとね」
と湯川さん。今日はバイトではないので俺達と同じ制服姿だ。
そして、隣には同じく制服の長谷部が座っている。
うん。ちゃんと湯川さんの隣に座ったのは一歩前進だな。
「で、どうすりゃいいんだ?」
「あぁ とりあえず答えは配布されてないけど、問題はあるから皆で問題解きながら答え合わせ出来ればなと」
と長谷部。なるほど、それなら皆考えるし勉強にもなるな。
「じゃあ メインで問題解くのは小早川と健吾だな。二人が一番成績良さそうだし」
「うん。うん。楓任せた!」
と裕也と浜野さん。おい丸投げかよ・・・
というか浜野さんって真面目な子かと思ってたんだけどこんなキャラ?
「ま まぁみんなでやろうぜ」
と長谷部。やっぱりこいつは真面目でしっかりしてるよ。
裕也も少しは見習え!
ということで、予想通りというか結局は俺と楓、長谷部で問題を解く形で勉強会は進んだ。
「ケンちゃんこの問題はこの公式使えばいいんだよね?」
「これはこっちの公式使った方が簡単に出来るし理解しやすいぞ」
「お、そういう考え方か。田辺凄いな」
「「・・・・・」」
若干名ついてこれてない面子も居たけどちゃんと解説を入れつつ先に進めた。
そうだよな。公式とか覚えてれば簡単かもしれないけど、そもそも覚えてなきゃ使えないからな・・・
「ねぇ長谷部君 この問題教えてくれないかな。よくわからなくて」
と湯川さん。
「え あ あぁ これはだな」
長谷部。。。緊張しすぎだ。
数学の問題を一通り終わらせたところで一旦休憩。
計算ミスしてたところもあったけど9割は出来てたと思う。
福島と村田さんも結構出来てたみたいだ。裕也は・・・・コメントは控えよう。
「ケンちゃんどうだった?」
「う~ん。やっぱり最後の問題は計算ミスしてたっぽいな」
「そうなんだ。私も思ったより間違え多かったかも」
そういわれると不安になってくるけど多分最後の問題以外は出来てると思うんだよなぁ。。。。
午後は英語と現国も同じような感じで答え合わせを行った。
答え合わせ通りなら、結構いい線いけるかな。
「健吾!頼む来週の中間試験に向けて今週末少し勉強教えてくれ!
今日の答え合わせで、来週の試験も不安になってきた。健吾は知らないと思うけど、うちらの高校って進学校だろ?赤点が多いと部活参加禁止で補講受けなきゃならないんだよ。それだけは避けたい!」
と裕也。裕也は部活大好きだからな。
「あ ああ そういうことなら。裕也が居ないと大幅な戦力ダウンだしな」
「助かる!」
「あ あの私も良いかな?楓と田辺君教え方も上手かったし私ももう少し点数上げたいし」
と浜野さん
「うん いいよ。私もケンちゃんの家で勉強会やろうかと思ってたし。いいよねケンちゃん」
何故か俺の家で勉強会が計画されていたようだが、まぁいいでしょう。
「いいよ。じゃあ土曜日裕也と一緒に来なよ。裕也は俺の家知ってたよな。前来たし」
「あぁ大丈夫だ。じゃ土曜よろしくな」
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