第32話 糖分高めな日常
「ケンちゃん おっはよ~」
「おはよ楓」
今日も家まで楓を迎えに行き、そのまま部活の朝練へ。
早いもので、この学校に来てもうじき1か月が経過する。
友人も結構できたし部活も勉強も順調。
そして楓との仲もいい感じだ。
そしてなによりもうすぐゴールデンウィーク。
連休中は、部活の練習試合が1つ組まれている。
俺としてはデビュー戦だし気合も入っているし、出来れば点を取って勝ちたい。楓にいいところも見せたいしね!
で、連休明け早々にはスポーツ大会と全国模試がある。
・・・・っていうか本当イベント詰め込みすぎでしょ。
期末試験とか夏の大会とかも直ぐだし。
あぁでも連休中に楓とどこかデートも行きたいなぁ~
旅行の約束もあるし、そのための費用稼がなきゃならないし・・・
「あぁ~時間が足りねぇ!」
「ん?どうした健吾?」
と裕也。
今は昼休み。弁当を食べ終わり楓と裕也と浜野さんとで雑談していたところだ。
「ちょっと心の声が出た。それにしても5月ってイベントが多すぎないか?」
「まぁ確かにな。特に俺らは部活もあるし彼女もいるしな」
「あぁ確かに可愛い彼女もいるしな」
「細かいところで惚気るなよこのバカップルが。小早川照れまくってるぞ」
横を見るといつもの様に顔を赤くしている楓。
相変わらず褒められるの弱い。でもそこがまた可愛いw
「裕也も田辺君を見習って、私の事も可愛いって少しは褒めなさいよ」
「ああ可愛いよ美玖ちゃん」
「何だか言い方が雑。やり直し!」
いやお前らも大概だろ。元祖バカップルが。
「しかし、小早川は健吾が戻ってから雰囲気変わったよな」
「うん。何というか雰囲気が明るく柔らかくなった気がする」
と裕也と浜野さん。
「そうなのか?俺はここ数年の楓がわからないかなぁ」
「私そんなに変わったかな?確かに以前よりはよくしゃべるようになったとは思うけど」
「う~ん。暗いとかおとなしいとか言うわけでもないけど、何というか前は物静かな優等生って感じだったんだよな。
それが、最近は健吾が転校する前の元気な小早川に戻った感じ?」
と裕也。
「昔の楓に?」
「あぁ。健吾が転校した後、何ていうか小早川って雰囲気変わっちゃってな。
信じられないかもしれないけど、おとなしくなったんだ。
俺や男子連中とサッカーとかバスケやって遊んでたのが、女子のグループで普通に遊んだりするようになったんだよ」
「まぁ女子なんだし、おかしくないんじゃないか?」
「そうなんだけどな。でも最近の小早川を見て思ったんだけど、健吾が居たから男子に交じって遊んでたんじゃないのかなって。
小早川って健吾と生まれたときからの幼馴染でいつも一緒だったんだろ?多分一緒に居たかったんだよ」
「俺が居たから?そうなのか楓?」
何だか楓が俯いて耳まで赤くなってしまっている。
う~ん。まぁこの雰囲気だと裕也の言う通りなんだろな。
何というか・・・・可愛いじゃないか♪
「そんな前から俺の事を好きだったんだ。なんだか嬉しいよ。
でもその割には、勝負吹っ掛けてきて、俺コテンパンにやられてたけど。。。
結構、毎回女子に負けるのはショックだったんだぜ」
「あ あれば手を抜いたら失礼だし、それに私が勝てばケンちゃん負けず嫌いだから、また私に挑戦してくるし」
「・・・・・」
「・・・怒った?」
「楓!」
「ひゃい!」
「お前可愛すぎ!もうお前の事はこの先もずっと大切にするから心しておけよ!」
「・・・・・」
無言で俯く楓に静まり返るクラス。
ん?もしかして、俺またやってしまったか?
何だかクラス中から『リア充死ね』的な視線を感じるんだけど・・・・
あ、楓の頭からも湯気が・・・出てる気がする(それくらい顔が真っ赤)
「ん?どうしたの楓 何だか耳まで真っ赤だけど」
と村田さん。昼休みは大体隣のクラスの福島のところに行っている。
戻ってきたということは、そろそろ昼休みが終わりなのかな?
「あぁ例のごとく健吾が、無自覚にプロポーズ的なセリフを言ったんで小早川がオーバーヒートしてるんだよ」
「えぇ~プロポーズ! 何言ったの田辺君。私も聞きたかった!」
「え?俺はただ、この先もずっと大切にするからって・・・・・・・あっ」
自分のセリフを思い出して事態を理解した。
何言ってんだ俺!そりゃ楓も赤くなるわ!
「まぁ良いんじゃない。田辺君と楓はお互いの両親も公認でしょ。将来を考えてても悪くはないんじゃない。むしろ羨ましいくらだよ」
と村田さん。まぁ確かに考えたこともなくはなかったけどね。
今、高校二年。将来何をやりたいかとは、まだぼんやりとしか見えてないけど、何をするにしても隣には楓に居てもらいたいとこの1か月で感じる様にはなった。
「そんなもんなのかな。俺はただ楓と一緒に居たいという思いだけなんだけど」
「うん。さりげないノロケ 相変わらず二人は糖分高めだねw
まぁそれでいいと思うよ。そうやって楓の事を考えてあげてるだけでも女の子としては嬉しいものだよ。そうだよね楓」
「う うん。凄くうれしかった。私もケンちゃんのことずっと大切にするからね」
と楓は俺を見ながら笑顔で微笑む。
「はい。ノロケカウント2。二人ともそろそろ独り者に刺されるから気をつけないと駄目だよ」
「「はい」」
そして今日も1日が終わる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます