第29話 準備は大切
小早川家 -楓視点-
ケンちゃんに送ってもらい帰宅。
今日の夕飯は大好きなカレーライスだ。
お腹も空いてたので、今日はおかわりまでしてしまった。
でもいいよね。たっぷり部活で運動してカロリー消費してきたんだし。
それにお母さんの料理って美味しいんだもん。
洗い物をするお母さんとテレビを見ながらソファーでくつろぐ紅葉。
お父さんはまだ仕事で帰宅前。
小早川家いつもの光景だ。
「お母さん。明日だけどケンちゃんの家で勉強会してくるね」
「休みの日なのに偉いわねぇ。
でも、天気も良さそうなんだから何処かデートでもして来ればいいのに」
年頃の娘が1人暮らしの男性の家に1人で行くと言っているのに相変わらずというか、ケンちゃんとの付き合いは親公認状態。
というかむしろデートしたらとか押しが強い・・・
ちなみにケンちゃんのお母さんとも何やらやり取りしているらしい。
まぁ私としては外堀が埋まってくれるのは嬉しいんだけど。。。。
私が真面目すぎるのかな。
でも、ケンちゃんのお嫁さんかぁ〜
何だか自然と口角が上がってしまう。。。。
「何だかお姉ちゃんがキモイよ」
「なによキモイって! そ それにデートはまたそのうち行くからいいの!」
「ふ〜ん そうなんだ」
「そ・う・な・の でね。お昼ご飯私が作ってあげようかなぁ〜と思うんだけど、何かお勧めの料理とかないかな。私でも作れる簡単なやつ」
「健吾君のためとなると随分やる気になるのねぇ〜」
「い いいでしょ!私もそろそろお料理とか覚えたいし」
確かに前にお母さんが教えてくれるって言ったた時は面倒だったから凄く不真面目だった。今じゃ真面目にお母さんから料理を習ってた紅葉の方が料理上手だし反省はしてるんだよ。
「お姉ちゃん!ラブコメの定番なら彼氏への食事はオムライスだよ!」
と紅葉。何の情報それ?
でも、オムライスなら卵さえ上手く焼ければいけるかも
「うん。それいいかも。お母さんどうかな?」
「そうね。お昼だしあまり手の込んだものよりはいいかもしれないわね。
ちょっと練習しましょうか」
「うん。お願い!」
という事で、チキンライスとふんわり卵の練習。
卵を焼き過ぎたり、味が無かったりと意外と手間掛けてしまったけど何とか形にはなったと思う。
ちなみに失敗作は明日お母さんが調理しなおしてお父さんのお昼ごはんにするらしい。ごめんなさいね。お父さん・・・・
後は来ていく服だよね。
この間と同じ服はNGとして、やっぱり綾ちゃんに選んでもらったワンピかな。
綾ちゃんセレクトなら外れは無い!
と思いつつも紅葉と一緒にクローゼットを物色。
あんまり服は持ってないけど少し片付けないとなぁ
「ねぇねぇお姉ちゃん このワンピ可愛いし明日着てくのにいいんじゃない?」
「ん?どれ
それこの間綾ちゃんと出かけた時に買ったのだ(紅葉もそれを選んだか)」
「うん。お姉ちゃん似合いそうだし、雰囲気も絶対ケン兄の好みの服だよこれ」
「そ、そうかな。じゃそれ着て行こうかな」
あ、でもそもそもの目的は勉強だよね。あんまり可愛い恰好でも変かな。
でも、好きな人には可愛いとか思われたいよね。
「お姉ちゃん 何だかまたニヤけてるよ また何か妄想してる?」
「え!そ そんなこと無いよ」
「でもさ、明日は2人きりでしょ
模試の勉強と言いつつ本当は何の勉強するのかなぁ〜」
「な 何って模試の勉強に決まってるでしょ」
「だけどさ、この間の私の話しでケン兄は結構意識してると思うんだよね」
「え?」
「恋人同士なんだし私はいいと思うんだけどなぁ〜」
「うぅ〜わかったから。もう無理!紅葉こそちゃんと勉強しなさいよ!」
「うん。私もお姉ちゃん達が通ってる高校に行きたいし頑張るよ」
と紅葉。私の方がお姉ちゃんのはずなんだけど・・・・
でも、どうしよ本当にケンちゃんから迫られたら。
あぁ〜変に意識しちゃいそう。
今日は眠れないかも。。。。。
----------------
田辺家 -健吾視点-
楓を家に送り、帰り道の商店街。
閉店間際の魚屋で小アジが安くなってたのでまとめ買いして、夕飯用に小アジの南蛮漬けを作った。
中々の成功作。たくさん作ったので残りは冷蔵庫へ。
1日寝かせると味が染みてもっと美味しくなるかも。
夕飯を食べて、風呂に入りあらためて明日の事を考える。
とりあえず、勢いで楓を家に呼んでしまったけど、どうしたものか。
次の模試は頑張りたいから真面目に勉強もするとして、楓との関係も進めたい。
目標はいい雰囲気になって楓とキス・・・
いや待て俺。
出来るのか俺に。そもそもどうやっていい雰囲気に持ってくんだ俺。
多分だけど、今までの雰囲気からすると楓も恋愛偏差値は俺といい勝負だ。
腕を組んだり手を繋いだりはしてるけどお互い内心は緊張してたりするしな。
ムードを出す為に照明を少し落としてアロマとか炊くか?
いや、そもそもの目的は勉強だし駄目だなこれは。
そういえば昼飯は作ってくれるって言ってたよな。
エプロン姿の楓かぁ。料理苦手とか言ってたから見れるとは思わなかったな。
まずいな。想像しただけで可愛いのがわかってしまう。
そんな可愛い楓と・・・
やばい。完全にノープランだぞ。
いっそ流れにまかせてぶっつけでいくか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます