第24話 スポーツ大会 --準備--

「おぅ健吾 昨日大変だったみたいだな。大丈夫か・・・・」

「あぁ 心配かけたな。大丈夫だ・・・・」

「そうか・・・で、小早川は頭でも打ったのか?」

「な 何よ失礼な!私も大丈夫よ!」


何でこんなことを言われているかというと楓が俺の腕に抱き着いてるから。

昨日、楓を家に送って行ったときは普通だったんだけど、今朝迎えに行ったらスキンシップというか愛情表現がいつも以上に強く周りの目も気にせずにずっと俺の腕に抱き着いた状態でニコニコしてるんだよね。

まぁ可愛いし俺的には全然OKなんだけどね。

ん?俺も少し麻痺してきたか?


「何というか、昨日の一件で楓の中では俺への好感度がマシマシ状態らしくてな、気持ちが抑えきれないんだと」

「うん。もうケンちゃんの事が大好きで抑えられないの!」


って楓。。。後で思い出してメチャクチャ恥ずかしくなるセリフだぞ。


「・・・はぁ~ 何というかバカップルだね」


と裕也


「だ、だれがバカップルよ」

「「「お前らだ」」」


と何故かクラス中からバカップル認定を受けてしまった。


「なぁ裕也 俺達ってそんなにあれか?」

「あぁ。。。無自覚ないというのが少し痛いぞ・・」


と裕也


「楓も田辺君絡むと結構ポンコツになるわよね。。。」


と村田さん。


「そ そうか・・・」


と教室の扉が開き、副担任の小島先生が入ってきた。

体育の教員で独身26歳。中々美人で学内でも人気の先生だ。


「ほら 席について!今日は私がホームルーム担当するからね。

 あっ!そこでイチャついてるリア充な小早川と田辺

 今日はスポーツ大会の参加種目決めるから司会進行頼むぞ」


イチャついてるリア充って・・・

まぁ学級委員ですし、進行とかはやりますけどさ・・・

ということで、流石に先生が来て腕から離れてくれた楓とホームルームの進行を始めた。


この学校では、校長の趣味という話もあるが、毎年5月に全校生徒参加のスポーツ大会が開かれている。

競技は、男子がサッカーとバスケ、女子がバスケとバレーボールを行い、学年ごとにクラス対抗のトーナメント戦を形式で勝負を行う。各学年は4クラスずつあるので2勝すれば優勝というわけだ。

で、各学年の優勝チームにて決勝戦を行うというもの。

決勝トーナメントは3年がシードで2回戦から1回戦は1年対2年。

つまりこちらも2勝すれば総合優勝となる。

優勝すると優勝チームには記念品の贈呈があるわけだけど、ある条件を満たすと、学校保有の温泉宿泊施設に1泊ご招待という中々太っ腹な副賞のプレゼントがもらえたりする。ただ、その条件は結構厳しく男女どちらも総合優勝するということ。

競技は男女で4種目あるので、出来なくはないんだろうけど厳しい・・・

ただ、その旅行で好きな人に告白すると思いが成就するとかいう怪しい伝説もあるらしく、結構みんなガチで試合に臨んでるそうだ。

まぁ俺には楓が居るから特にどうでもいい伝説だけど温泉は結構魅力的。


ということで、まずは挙手で希望者を募ってみた


「じゃまず男子でサッカー希望の人」


何人かが手を上げる。もちろんサッカー部所属の2人も手を挙げてた。


「・・・・・11人か。ぎりぎりだな」

「次バスケ希望」


俺含め、裕也や長谷部はもちろん挙手。

お、テニス部の結城とバレー部の佐山もバスケか。


「・・・・・9名。補欠含め十分かな」


バスケは大丈夫だけど、サッカーは補欠とか欲しいな。


「なぁ楓。掛け持ちで登録とかしても大丈夫なのかな。サッカーの方11名だと交代できないし」

「大丈夫だよ。クラスの他の競技の応援が出来るように試合は被らないように設定されるはずだから」

「了解。え~とじゃあ サッカーの補欠登録数名だけど誰かいるか?」


残念ながら挙手する人は無し。。。


「田辺、俺も参加するからお前と清水と3人参加にしないか?

 この間の体育のサッカー中々楽しかったし」


と結城。確かにこの間の試合では結構活躍したしな。


「裕也 大丈夫か?」

「ん?別に構わないぞ」


ということで俺と裕也と結城の3人がサッカーの補欠ということ何とか補欠含め参加者の割り振り決定。


女子の方は楓のリーダーシップが良いのかサクッと決まり一応の今日のHRの目的は達した。

ちなみに楓と村田さん、それに同じくバスケ部の柚木さんの3人はもちろんバスケ参加だ。楓は攻撃、村田さんは中盤、柚木さんは守備の選手なので結構バランスも良い。

今後は5月後半の本番に向けて、体育の授業やホームルームの時間で各競技の練習

が行われる。大会までの期間は男女混合での練習時間もあるみたいだし、楓とも一緒に練習とか出来るかな?

まぁ賞品出るのもだけど何だか楽しみになってきた!


で、最後に先生の締めの一言。


「優勝の温泉旅行はな。担任、副担任も一緒に行けるんだ。あそこの温泉は美肌の湯って有名で女子に大人気だし地酒も旨いと評判だ!

 そして、何よりも近くには縁結びの神様を祭った神社もある!

 確かに男女そろっての総合優勝は難しいかもしれないが皆 絶対優勝して賞品ゲットするんだ!!」

「「おぉ!!」」


と完全に優勝賞品目当てな感じだけどクラスは1つになった??


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ちょっと大会スケジュールに無理がありすぎたので、2019/12/3に改稿しました。

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