第14話 初デート①
楓と再会した学校初日の始業式
授業も始まり部活にも入った2日目
最初の2日間は、かなり濃い内容だったけど3日目以降は、特に大きなトラブルもなく楽しい高校生活を過ごせた。
そういえば、"今日のところは見逃してやる"とか言ってた梶はその後どうしたんだろう?まぁどうでも良いけど。
そして、高校に編入して最初の週末。
今日は楓と買い物の約束をしていた日だ。
正直、普通に買い物に付き合ってもらう程度の考えだったんだけど紅葉に言われた"買い物デートだね"の一言で俺も楓も妙に意識してしまっていた。
再会した日に告白して恋人同士になったとはいえ客観的に見れば楓は美少女だ。
登下校は一緒にしているけど、1人の女性としてみた場合に2人きりで1日買い物とか・・・・というか、そもそも俺デートとかしたことないんだけど。
と1人部屋でジタバタしていたが、待ち合わせの時間は刻刻と近づいてきていた。
今日は駅前で待ちあわせをして隣町に出来たショッピングモールまで行く事になっている。
とりあえず、遅刻だけは避けたいので服を着替え駅前まで出かけた。
今日の俺はチノパン、白ティーにデニムジャケットというラフなスタイル。
楓はどんな服でくるのかな。
「ケンちゃんお待たせ!」
「・・・・・」
「どうしたの? もしかして何か変かな?
デートとか初めてだから、綾に頼んでコーディネートしてもらったんだけど・・・」
「い いやそんなことない。凄く可愛くて見惚れちゃって」
「っ見惚れ・・・・あ ありがとう 何だか照れるね。ケ ケンちゃんもカッコイイよ」
言った俺も真っ赤だが、楓も照れて赤面してる。
オフホワイトのロングスカートにデニムシャツ。
シンプルだけど、楓はスタイルがいいから凄く似合う。
村田さんグッジョブだ!
そして何故か俺とペアルック風になってるし。。。
「と とりあえず少し早いけどショッピングモールに行こうか」
「うん」
いつものように自然と恋人つなぎで手を繋ぎ電車に乗った。
7年前、隣の駅は小さな駅舎だったけど、再開発が進み、駅前が整備されて去年ショッピングモールが完成したそうだ。
駅も大きく改装され、今後は地下鉄や高速道路の入り口も整備されるとの事。
昔、下車したことはあったけど面影もなかった・・・
「随分町の雰囲気変わったなぁ~」
「そだね。この辺りが一番変わったかも。まぁ便利になって助かってはいるけどね。ショッピングモールの他に映画館とかもあるし」
「へぇ 映画館もあるんだ。 今ってどんなの上映してるの?
日本のテレビとかは向こうでも見てたけど、今一つ流行に疎くて」
「映画かぁ やっぱりハリウッド系が人気だけど、日本だとアニメ映画の人気も根強いかな」
「何かお勧めとかある?」
「う~ん今だと"曇りのちアメ"ってアニメかな。まだ見に行ってないけど、最近テレビとかでもよく話題になってるよ」
「そうなんだ。じゃぁさ、後で見に行かない?俺も流行りもの見てみたいから。買い物に付き合ってもらうお礼ってことで奢るよ」
「え!良いの?」
「時間は、15:00くらいの回だとちょうどいいかな?」
「うん!凄く楽しみ」
ということで、いい感じに映画に誘えた。
映画とかデートっぽいよね。
早速スマホでシートの予約だ。
ただ、人気との話し通り15:00の回は良い席がほとんど埋まっている。
ただ、"カップルシート”なるものに空きを発見。
「なぁ楓 カップルシートってどんな席?」
「カ カップルシート・・・」
「あぁ ちょっと値段お得だし、俺達も恋人同士ってことでこの席で良いかな?」
「え え~と いいと思うよ・・・」
「じゃ 15:00~ "曇りのちアメ" カップル席で予約したからな」
何だか楓の目が泳いでるけど、どうしたんだろ。
とりあえず、まだ映画まで時間があるので、食器や小物類の買い物をするため、雑貨屋や100円ショップを周り買い物をした。
楓にも相談して選んでもらったりしたけど、こういう買い物って何だか新婚さんみたいでお互い照れてしまった。
そんな感じで楽しく買い物をしていると、モール内の通路を歩いていた女性から急に声を掛けられた。
「楓ちゃーーん」
「あれ、美玖ちゃん 買い物?」
『ん?バスケ部のマネージャの浜野さんか。それと横に居るのは裕也?』
同じクラスでバスケ部のマネージャをしている浜野美玖と幼馴染の清水裕也だ。
「うん 裕也と買い物。楓ちゃんは田辺君とデート?
手を繋いでお買い物とかラブラブだねぇ~」
と浜野さん。
「あ、これは・・・」
慌てて赤くなりながら手を放す俺と楓
「デートなんだし手は繋いだままでいいじゃん。何だか初々しいねぇ~」
と裕也
「ゆ 裕也こそ浜野さんとデートだろ」
「そだよ。今日この後、家で食事作ってくれることになってるから一緒に買い出しに来たんだ」
「裕也の家でって、親公認なのか?」
「ああ、うちの母ちゃん知ってるだろ?」
「確か小料理屋やってたよな」
「そう。で、その母ちゃんが凄く美玖のこと気に入っちゃってな。土日は結構な頻度で家に来て母ちゃんから料理習ってるんだ。俺の嫁にして看板娘にしたいらしいよ」
「・・・凄いなそれ」
「凄いだろ 俺もこの展開には驚いた」
「裕也 あんまり長話は楓ちゃんに悪いから そろそろ」
「おぅそうだな。デート邪魔して悪かったな。また学校で!」
と浜野さんと裕也は立ち去って行った。
「親公認って言うのもだけど、あれ結婚前提ってやつだよな」
「うん。仲が良いとは思ってたけど美玖ちゃんやるなぁ~
あ、でもうちのお父さんとお母さんともケンちゃんと私の事は認めてるからある意味私たちも親公認だよね」
「うっ 確かにそうかも」
「何?嫌なの?」
「そ そんなことないよ・・・あ、そろそろ映画の時間だし、シネコン向かお!」
「ちょっとケンちゃんごまかさないでよ~」
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