第13話 紅葉さん
雑談しながら歩いているとすぐに楓の家に到着。本当近いわ。
「あ、今日も夕飯食べてかない?」
「流石に2日連続は悪いよ。それに部屋も片付けなくちゃ」
「そっか。お母さんは気にしないと思うけど確かに家の事もあるよね。
・・・それならちょっとだけ待っててくれる。着替えてくるから?」
「ん?なんで?」
「私ケンちゃんに家に行ってみたい」
「え?俺の家。まだ散らかってるけど」
「うん。週末片付け手伝い行くから場所だけでもと思って」
「そういうことか。了解。じゃ案内するよ」
家の前で少し待ってると私服に着替えた楓と何故か紅葉も出てきた。
楓の私服姿は昨日の夕飯時にも見たけど、今日はジーンズにTシャツ&ジャケットとスポーティーな感じで、背が高くスレンダーな楓に凄く似合ってた。
「ごめん 紅葉も一緒に行きたいって言ってるんだけど良いかな?」
「あぁ構わないよ。そんな面白いもんないけどね」
「ケン兄よろしくね~」
ということで美女二人?を伴い自宅へ向かう。
楓の家から俺のアパートまでは多分ゆっくり歩いても5分くらい。
住宅街にある楓たちの家から一旦、大通りに出て駅前に向かう商店街へ。
商店街の中程でわき道に入った場所にあるアパートが俺の新居だ。
鉄筋3F建てで俺の部屋は3階。
学生向けの建物で、ケーブルテレビとインターネットは使い放題。
尚且つ洗濯機と冷蔵庫等の一部の家電は備え付けと至れり尽くせりの賃貸だ。
本当はそれなりの賃料なんだけど、親父の古い友人の不動産会社が管理しているということで格安で借りられた。
最も、親父たちが帰国したら同じ家に住むか大学近くに家を借りると思うので、住んでも高校の間の2年限定なんだけどね。
「へぇ綺麗なところだね。オートロックとかも付いてるんだ」
「そ。宅配ボックスもあるし意外と設備はしっかりしてるんだよね。
まだ築年数も浅いし。部屋は301号室ね」
階段を上り部屋へ向かう。残念ながらエレベータは無いのです。
301号室のドアのカギを開ける。
「ようこそわが家へ」
「おぉ~ 思ったより広い!」
玄関のドアを開けると短い廊下があり、向かって右側にトイレと風呂、そして左側にクローゼットと洗濯機置き場。
廊下の先にゆったりしたLDKがあり、その奥に1部屋の1LDKだ。
奥の1部屋は寝室に使っていて、ベッドの他は未開封の段ボールが積まれている。
リビングの家具はまだテレビとソファくらいしかないけど、自炊するためキッチンには調味料やフライパンなどが並べられている。
弁当男子として、キッチンは引っ越し当日に仕上げましたよ。
「家具もまだ揃ってないし、余計に広く見えるんだろね。
まぁ一人で住むには十分すぎるスペースだけどね」
「いいなぁ~ 私も一人暮らしとか憧れるなぁ~」
と楓
「ふふ~ こんなに広いんだからケン兄のところに一緒に住んじゃえば~」
と紅葉
「「んっ!!」」
「そ そういうのは、も もう少しお付き合いとかしてから・・」
「そそうよ。心の準備が・・・」
「あ、一緒に住むことは否定はしないんだ二人ともw」
「・・・・・」
勘弁してくれ紅葉・・・こういうのあまり耐性が無いんだ。。
とりあえずは話題を変えねば
「あぁ~ 荷物は寝室に置いたままなんだ。
少しずつ片付けてるけど、食器とか身の回りの品とかは土曜に買いに行くつもりなんだけど、楓にはその買い物に付き合って欲しいんだ。大丈夫かな?」
「えっ うん付き合うよ!雑貨とか色々見るなら隣の駅にショッピングモールが出来たからそこが良いかも」
と楓。近所でいいかと思ってたけど、ショッピングモールがあるなら家具とか服も見れそうだな。
「ショッピングモールか。じゃぁそこの案内頼むわ」
「もちろん私は行かないからお姉ちゃんに任せるね♪
お買い物デートだね~ ケン兄と仲良くね♪」
と紅葉
「・・・・・・」
「・・・デート」
駄目だ完全に紅葉のペースだ・・・
何としても話題を変えねば。。。
ん?楓が"デート"って言葉に反応してるぞ?
「そうだ、紅葉受験勉強ってどうだ?楓も教えてるんだろうけど、俺も英語とか得意だし良かったら家庭教師とかしてあげるぞ」
「え 本当!凄く助かる!お姉ちゃんも嬉しいよね。ケン兄が家に来てくれるんだから」
「はぅ そうだね。そうなると部活が無い日とかも会えるんだ」
何の話題にしても打ち返されて俺と楓の話題になる。。。
紅葉に勝てる気がしない・・・
その後も紅葉とは、お茶を飲みつつお菓子を食べつつの舌戦を繰り返したが全敗。。。この日は時間も遅かったので、そのまま解散。
そして、楓とは週末の土曜日に一緒に買い物に行く約束をした。
紅葉の言う通り、これって普通にデートだよな・・・
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