第12話 妬いてるの?


福島と恋バナ&バスケトークをして時間を潰していると女子バス軍団が体育館方向から歩いてきた。

俺と福島に気が付いたので先頭を歩いていた女子生徒が


「楓~、綾~ 彼氏さんがお待ちかねだよ~」


とからかう様に楓と村田さんに呼び掛けていた。

福島から女子バス部長の恩田先輩だと聞いたが、中々キャラが濃そうな人だ。

ただ・・・中々の美人さんだ。


「ゴメン 大分待たせちゃった?」


と楓


「あぁ全然大丈夫だよ 福島と色々話も出来たしね」


と俺。

そんな福島も村田さんと楽しそうに話しをしている。

こう見ると中々のお似合いカップルだな。


と恩田先輩が俺に話しかけてきた。


「え~と 田辺君だよね 女子バス部長の恩田です」

「そうです。なんでしょうか?」

「ん。田辺君は楓と付き合ってるんだよね?」

「はい。付き合ってますけど何か問題でも?」

「いやいや問題はないんだけどね、楓は勉強もスポーツも人並み以上に出来るんだけど、恋愛事に関しては、かな~り不器用な上に奥手でさ、上手くリードして大切にしてやってくれと一言伝えておきたかったんだ」

「お 恩田先輩! そんな事 ケンちゃ・・田辺君に言わなくても」

「あ~ さっきは、ちょっと小早川をからかいすぎたかなぁ~とか思ってな。うちの彼氏も結構モテるだろ。私もそれなりに苦労してるんだよ」


何だかわからないけど俺との事でからかわれてたのかな?

でもまぁ悪意はなさそうだし、ちゃんと返事しとくか。


「承知しました。楓は大切な彼女ですからもちろん大事にします。それに楓は可愛いし俺の方こそフラれないようにしないと。

 楓 良い先輩もったな」

「え ケンちゃん?」


俺の返事を聴いて照れまくってる楓が可愛い。

みんなの前で"ケンちゃん"とか呼んでるし


「おい 小早川。田辺君は普段からこんな感じなのか?

 だとしたら、やっぱりライバル増えそうだから注意しろよ!」


俺のセリフを聞いた後、恩田先輩が楓に何か耳打ちしてる。

そして、その顔も何故か赤い。なんか変なこと言ったか?

まぁとりあえず、そろそろ引き上げるかな。


「じゃ、お先に失礼します。楓行くぞ!」


と楓の方に手を差し出す。


「う うん」


と俺の出した手を取る楓

女子バスメンバから生暖かい視線を受けつつ、俺たちは女子バスの集まりを離れ校門に向け歩きだした。


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校門を出て楓と並んで歩く。手は繋いだままだ。

でも、何となく朝に比べると楓の元気がない。

練習後で疲れてるのか?


と楓が話しかけてきた。


「あのさ、ケンちゃんって他の学校で結構モテた?」

「俺?どうだろうなぁ~ 小学校は親父の転勤のせいで何処の学校も1年しか居なかったし、アメリカは男子校だったからな~

 あ、でも小学校の時バレンタインでは結構チョコもらったかも」

「そ そうなんだ、やっぱりモテたんだ。。。」


モテたのが何か悪いのか?

・・・・もしかして妬いてるのか?


「でもまぁ 今まで見てきた女子の中では楓がダントツで可愛いと思うよ」

「ふぇ!! 私!」

「ああ。可愛いじゃん。それに結構告白とかもされてたとか聞いたぞ」

「確かに告白とかはされたけど、私の中ではケンちゃん以上の男の人っていなかったから全部断ってたよ」

「ああ聞いてる。俺も告白とかはされたことないけど、思い出の中の楓が一番気になる存在だったから、俺から告白とかはしてなかったな」

「そ そうなんだ。私が一番なんだ・・・」

「そういうこと。納得したか?」

「うん!やっぱりケンちゃん大好き!」


と手を放し腕にしがみついてきた。


「ちょ歩きずらいよ」

「いいの! もうすぐ家に着くし それともこういうの嫌?」

「そ そんなことないけどさ」

「ふふ~ん ケンちゃん照れてる♪」


何となく元気になってくれたみたいな気はする。


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--楓視点--


確かに、ケンちゃんは客観的に見てもカッコイイと思う。

背は高いし、運動神経が良くて多分頭も良い(編入試験高得点だったらしいし)

顔も多分、私の趣味的にはカッコいい。

今は、まだ編入してきたばかりで知られてないけど、部活とか模試で結果を出して有名になったら、女の子たちの人気も上がってきちゃうかも・・・

ケンちゃんには活躍して欲しいけど、私だけのケンちゃんでもいて欲しい。

我儘かな・・・

それにケンちゃんは私の事"可愛い"とか"一番"とか言ってくれたけど、私なんかより可愛い子は沢山いるし、そんな子がケンちゃんに告白したらどうなるかわからない。ケンちゃんを信じるしかないけど、私もケンちゃんにいつまでも一番に見てもらえるように頑張らなくちゃ!

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