第2話
そういえば、その道の少し手前には丁字路があり、その路肩に握りこぶしよりも少し大きい大きさの丸い石がある。
周辺には小学校、中学校、高校と揃っており、この道はそれぞれの生徒が通学に使用している。
そんな手頃な丸い石は格好の的になると思われるのだが、私が知る限り、誰かにいたずらされたのを見たことがない。
あの丸い石
あの綺麗な丸い石を見るたびに、ちょっと転がしてみたいなと言う欲求を覚えるのだけど、実際にそれを実行した事はない、あの石。
なぜか、いたずらしようと思いつきはしても、実行にまで至らない。
その時まで、それが異常だとも思わなかった。
今はとても気になる。
小学生や中学生なら気になって当然だし、動かしてみたいと感じるだろう。
少し潰れた楕円形をした、よく転がりそうなあの石。
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