冬(1)
冬(1)
※
十二月二十日、月曜日。
午後二時、茶色いジャケットに身を包んだ桑原慎也は、旧校舎三階の演劇部部室に足を運んだ。その足取りは、今まで生きてきたなかで一番の決意が込められていたと思われる。大学受験や教員免許の面接なんて、比較にならないほどに。
「ああ、ちょっと待たせちまったか?」
扉を開ける。ここを使う人間は『整理整頓』という四文字熟語を知らないのか、相変わらず演劇部の部室にはたくさんの物が散らばっていた。慎也は床に転がっていた小道具を大股で避けながら中央にある椅子まで辿り着き、ゆっくりと腰かける。
「…………」
今日は演劇部にとって大事な一日。普段なら授業をしているのに、ここには生徒が一人いる。しかし、今いるのは演劇部の部員ではない。
「前から訊きたかったんだけどさ、どうしてお前、コンクールに出るのやめちまったんだよ?」
「……そんなことを言うために、わざわざこんなところに呼び出したんですか? 本番まで一時間なんですよ。さすがに緊張するってのに……しかも呼び出しておいた方が遅刻ってどうなってるんです?」
不貞腐れたように頬杖をつきながら、窓側の机に腰かけているのは、城我浦高等学校二年A組の生徒である丘ノ崎圭一郎。制服の紺色のブレザーに身を包み、今は小さく首を横に振っている。その影響で耳にかかる髪が横に揺れていた。
「だいたい、コンクールなんて個人的なことであって、先生にはどうだっていいでしょ? それとも、桑原先生に関係あるっていうんですか?」
「そうだな、あるといえばある。うんうん、あるある。だから教えてくれ?」
「……なんですか、それ? 言葉が軽いですよ。まったく、意味分かんないです。おれのコンクールのことなんて、関係あるわけないでしょ? はい、もういいですか? 忙しいんですから」
圭一郎は横に置いていた手提げ鞄を手にする。
「とんだ時間の無駄でしたね」
「今日も放課後に永井の家にいくのか?」
「っ……」
かけられた言葉に、圭一郎は今にも前に踏み出そうとしていた足を止めた。眉間に皺を寄せて目を細め、ゆっくりと声の主の方に顔を向ける。
「それ、本番前にここに呼び出した理由に含まれますか?」
「ああ」
「…………」
圭一郎は視線を上げ、少しだけ逡巡。
「……そうですよね、いつか会いましたもんね、あいつの家の近くで。そうか、先生はあいつの担任ですから、それぐらい知ってて当然ってわけですか」
「今日はな、永井に関することについて、お前と話しにきたんだ。それだったら、充分引き止める理由になるだろ? だから、まあ、座ってくれよ。ゆっくりと話そうぜ、教師と生徒で。なかなかこういう機会ってないもんだから」
「そうもゆっくりしていられないですよ。出番まで時間がないんですから……」
圭一郎は持っていた鞄を横に置き、壁にかけられた時計を目にしてから腰かけた。体は黒板の方に向いているが、視線は慎也とは反対方向の窓側に向けて。
窓の外は真っ青な青空が広がっていて、冷気が窓を通して伝わっているみたいに、寒い。暖房もなく人気もないので、椅子に腰かけると自然と足踏みをする。
圭一郎は頬杖をつき、大きく息を吐き出してから、視線は変わらず窓の方に向けたまま、口を開けた。
「いったいどんな話なんですか? 雪絵のことだから、このままだとあいつが留年しちゃうとかですか?」
「出席日数の関係上、残念だがこのままだとそういうことになるだろうな」
永井雪絵。夏休み明けから一度も登校していない少女。このまま来春の四月を迎えれば、約三分の二欠席したことになるので、進級は難しい。
「それはどうにかしてあげたいな。俺は担任としても責任がある。俺が受け持つ生徒を留年なんて、させたくない。もちろん受け持ってない生徒もだけど」
「それは是非とも頑張ってくださいね。応援してますから。ちゃんと責任とやらを果してください」
「ああ……」
慎也は、とても大きくて重たい息を吐き出す。それを踏ん切りとするために。
そして、踏み出す。力を込めて。
とても辛いものに向かうべく。
「あのな、ちょっと前の話なんだけど……えーと、一か月ぐらい前かな? 俺さ、警察の人に会ってきたんだよ」
妹である桑原麻美の死について、慎也は何度か担当刑事と顔を合わせており、名刺をもらっていた。こちらから電話をかけて要件を伝え、警察署を訪れたのである。
「お前も演劇部にゆかりがあるわけだから知ってると思うけど、そこに『ネタ帳』ってあるだろ? 麻美が書いてたやつな。あれは十月だったけか? ここに来たときに見つけたんだ」
「…………」
「でな、その時、麻生も一緒だった」
三年生の麻生愛羅。演劇部に所属する生徒。
「麻生がさ、それは妹の形見だから持っていけばどうか? って言うわけだよ」
けれど、慎也は辞退してここに置いていくことにした。麻美の形見を演劇部の財産として残すことに決めたのだ。その方が持ち主も喜ぶ気がして。
「でさ、その時に思ったんだ。麻美の書いたものはすべて形見になるんだなって。あいつがこの世に残していったすべてが。テスト用紙だってそうだし、教科書に書き込んだチェックマークだってそうだし、あいつに関するものすべてが形見になる。そう思ったらさ、どうしても欲しくなっちまったんだ」
「…………」
「あいつが最後に書いたものを」
「…………」
「遺書をさ」
慎也は圭一郎を見つめつづけているが、向こうは視線を外したまま。しかし、慎也は気にせずに言葉を投げかけていく。
「刑事さんに連絡して頼んでみたいんだ。遺書を譲ってほしいって。あいつが最後に書いたもの、この世に残していったものだからな」
死んでいった者に関するものをすべて形見として扱うなら、それらはすべてただの思い出であり、死んだ後に影響を与えるものではない。しかし、今回の場合は遺書という例外的なもので、それが唯一、死んでいった者が死んだ後のことのために残したものとなる。
「けどな、駄目だってさ。なんかよく分かんないけど、あっちにも事情があるらしくて、まだ保管しておかなくちゃいけないらしいんだよね……」
「…………」
「だから、一定の保管期間が過ぎればいいのだろうけど、今は無理だって。けどな、そこは食い下がって、どうにか頼み込んでさ、なんとかコピーはもらうことができたわけよ。えーとだな」
慎也はジャケットのポケットから折り畳んであったコピー用紙を取り出す。
遺書はノートのページを鋏かカッターナイフで切り取ったものに書かれていた。だからコピーにはノートのように横に区切られた線があり、手書きの文字が並んでいる。
『事故に遭って、暫く入院を余儀なくされた。不在の際に、後輩に自分の座を奪われた。憎しみが生まれ、自分の座を奪った後輩をいじめることにした。執拗にいじめを繰り返すも、後輩がめげることはない。だから実力行使に出た。それにより後輩は大怪我を負った。後輩の怪我があまりにもひどく、自殺を考えるようになる。自分のせいで後輩が自殺を決行した。気が動転する。自分が悪魔にでも憑かれていたような気分だった。悪魔は人を不幸にすることしかしない。だから、生きていてはいけない。自らその命を絶つことにした。抱いてしまった憎しみを悔い改めながら』
今あるものはコピーだが、そこにある文字は紛れもなく桑原麻美の手によって書かれた字の羅列。
「原本は、ちょうど今お前が座っている辺りの机の上に置いてあったそうな」
窓側の一番黒板にある窓の近くの机の上、そこに遺書は置かれていたのである。発見されたとき、開いていた窓以外、この演劇部部室のすべての出入口は施錠されていた。それは警察官に確認されている。
「考えてみるとさ、なんとも不思議な話じゃないか? 俺には、不思議で不思議でしょうがないんだよね。すべて鍵がかかっている部屋にさ、どうやってこれを置くことができたんだろうな?」
「…………」
「出入口の扉は鍵がしてあっても、紙一枚ぐらいだったら扉の隙間から入れることはできるかもしれないけど、さすがに窓側まで飛ばすことはできないもんな。ましてや机の上になんてさ」
「…………」
「なあ、どう思うよ?」
慎也の目はずっと圭一郎に固定されたまま。しかし、相手は話がはじまってから、一度も目を合わせこない。
「なあ、どうやったら、鍵のかかっているこの部屋の机の上に、これを載せることができると思う?」
「……何言っているんですか?」
ようやく圭一郎の口が開く。しかし、視線は相変わらず窓に向けられたまま。だからといって、そこに見るべきものがあるわけではない。どこでもない空間を見つめたまま、口を動かしていく。
「そんなの、どこからも入ってくるはずありません」
「というと?」
「施錠された部屋の外から入ってきたんじゃなくて、中にいた人間が部屋を内側から施錠して、それを机の上に置いたんです。そして、その……」
置いた人間は、唯一開いていた窓から身を投げた。
桑原麻美が。
「……もうおかしなこと言うの、やめてもらえませんか?」
「あー、なるほどな、そういうことか。へー、なるほどなるほど」
言葉とは裏腹に、まったくもって合点のいっていない口調のまま、つづける。
「だとしたらさ、少しおかしなことになるなー」
慎也は腕組み。
「だってよ、これはいつ書かれたものなるんだろうな?」
「…………」
「麻美が施錠することなくこの部屋の鍵を職員室に返した。それが十月八日の午後七時ぐらい。そして死亡推定は午後十一時から午前一時。麻美は職員室に鍵を返してからこの部屋に戻ってきて、内側から施錠。だとしたら、いったいこの遺書を麻美はいつ書いたことになるんだろうか?」
「……そんなの、死ぬ前でしょうね」
「そりゃ、死んだ後には書けないからな」
「だから、飛び下りる前に書いたんでしょ? 今の話ですと、部長さんがこの部屋に戻ってきてから飛び下りるまでに時間があるみたいですから」
鍵を職員室に返した午後七時から、窓から飛び下りたとされる午後十一時以降の間に、この演劇部部室で遺書を書いた、と圭一郎は意見する。
「その時はきっと、自分がしたことを深く悔やみながら、文章を書き連ねていったのでしょう」
「なるほどなるほど、お前は麻美がこの部屋で書いたと思うわけか。けどな、それはお前の考えであって、お前の考えでしかない」
「……どういうことですか?」
「お前と違って、俺はそうは思わない、ということだよ」
一瞬たりとも圭一郎から視線を外すことはない。相手がまだこちらに視線を合わせないことを凝視しつつ、つづける。
「俺はな、これは麻美が職員室に鍵を置いてこの部屋に戻ってくる、もっと前に書かれたものだと踏んでるんだ」
「へー、そりゃ、ここで書いたっていう確証はありませんからね、もしかしたら事前の用意していたものかもしれませんけど……けど、どうしてそう言い切れるんですか? ここで書いたかもしれないのに」
「ノートだよ」
麻美が残した遺書は、ノートを切り取ったものに書かれていた。
「もし麻美がここでこれを書いて鋏かカッターナイフで切り取ったとすると、おかしなことになるんだ。鋏かカッターナイフはここにあるから切り取ることはできる」
小道具を作る際に使用するため。
「けどな、切り取ったはずのノートがこの部屋に残されていなかったんだ」
遺書はノートを切り取って書いたもの。だとしたら、切り取ったノート本体が部室に残っていなければならない。ここは内側から施錠されていたのだから、絶対にこの部屋にあるはずである。けれど、ノートは発見されていない。残されていた鞄にもなかった。これは警察が調べたことなので間違いない。
「だからあの日ここで書いたものではなく、事前に書いてあったものなんだ。まっ、麻美がノートを切り取った白紙を持ち歩いていてここで書いた、っていうのもあるんだろうけど、そんなことをしなくちゃいけない理由なんて思いつかないだろ? やっぱり事前に書いてあったと考える方が自然なんだ」
だからこそ、遺書は麻美がこの部室に入る前に書かれていたものとなる。ノートがある場所で書いたはずだから。
「どうよ、俺の名探偵振りは?」
「……そうかもしれないです。そう思いました。凄いですね、先生は」
「だろ?」
得意気に胸を張る。
「でな、俺なりに探してみた」
学校にある麻美の机やロッカー、さらには麻美の部屋まで。
「その時な、俺は麻美の遺書が書かれて切り取られたであろうノートと、もう一つあるものも一緒に探したんだよ」
探した結果、どちらも見つけることはできなかった。
「残念ながら両方とも見つけられなかったんだ。そんな馬鹿な話あると思うか? あるはずのものが、両方とも見つからないなんて」
「……もう一つのものって?」
「それはいつも麻美が持ち歩いていたものだよ。いつもな。なのに、それもまだ見つからない」
探しても探しても探しても探しても、結局どこを探しても見つけることはできなかった。
探していたものは、絶対あるべきものだというのに。
「遺書を切り取ったノートは絶対あるはずだろ? だって遺書はそこから切り取ったんだから。でもって、麻美がいつも持っていたものだって絶対あるはずなんだ。いつも持ち歩いていたものだからな。なのに、いくら探しても両方とも見つからないんだよ。参ったね」
瞬間、慎也は両手を合わせると、大きな音が出た。それは予告もなしに出した音だったが、相手は一切動じることなく、相変わらず視線は窓側に固定したまま。
「だからさ、探すのをやめて、どうして見つからないのか考えてみることにしたんだよ。ふふーん、なんたって俺は名探偵だからな。考えて考えて考えて考えて、で、思ったんだ。麻美が遺書を書いたノートと、麻美がいつも持っていたものが、実は同じものではないかって?」
「…………」
「見つからない二つのものが、実は同じものだった。うん、これは自然な感じがするな」
「…………」
「だからさ、丘ノ崎」
「…………」
「麻美のネタ帳、返してくれないか?」
「っ……」
「頼むよ」
さきほど予告なしに大きな音を出したときは、まったく動じることのなかった相手の肩が、今は発作的にぴくっと動いたことを確認。慎也は自分の考えが見当外れではないことを悟った。
『麻美の死に関して、まだ解明されていないことがある』
『そしてそこには、圭一郎が大きく関わっている』
麻美の死に関し、慎也にはまだ突き止めるべきことがある。
「知ってると思うけど、そこにある麻美のネタ帳さ」
黒板近くの本立て。それにはファッション雑誌があり、隅にノートが五冊ある。
「数えてみると、全部で五冊なんだよ。表紙にさ、番号が書いてあるんだ。1、2、3、4、5って」
「…………」
「それは、麻美がいつも持ち歩いていたものなんだ。何か思いついたとき、すぐ書き留められるように」
「…………」
「でもさ、そこにある五番目のノート、番号からするとそれが一番新しいものになるんだけど……最終ページまで全部埋まってるんだよね。全部埋まったから、持ち歩かずにそこに置いたんだろうな」
ネタ帳として使用していたノートはいつも持ち歩いているもの。そしてここにあるノートの一番新しいとされる五冊のノートは、すでに全ページが埋められていた。それはもう書き込むことができなくなったからこそ持ち歩く必要がなくなり、この部室に保管されたこととなる。
「つまりさ、麻美が書いていたネタ帳は全部で五冊だけじゃなくて、六冊目があるっていうことになるんだ」
五冊目がすべて埋まったということは、そこに余白は存在しない。余白がなければ不意に思いついたアイデアを書き残すことができなくなる。麻美はアイデアをいつでも書き留められるようにノートを持ち歩いていた。とすれば、麻美は、新たな六冊目のノートを常に持ち歩いていたことになる。
「けど、どこを探しても六冊目のネタ帳は見つからないんだよね。どうしてかなって考えてみて……思ったんだ。あるはずの遺書を切り取ったノートが見つからない。また、いつも持ち歩いていた六冊目のネタ帳も見つからない。だったらさ、遺書を切り取ったノートは、麻美の六冊目のネタ帳じゃないかって」
遺書の形状は、部室にある五冊のネタ帳とまったく同じもの。だとすれば、慎也の考えはまったく的外れのもの、ということはないだろう。
「これ、見てみろよ」
『事故に遭って、暫く入院を余儀なくされた。不在の際に、後輩に自分の座を奪われた。憎しみが生まれ、自分の座を奪った後輩をいじめることにした。執拗にいじめを繰り返すも、後輩がめげることはない。だから実力行使に出た。それにより後輩は大怪我を負った。後輩の怪我があまりにもひどく、自殺を考えるようになる。自分のせいで後輩が自殺を決行した。気が動転する。自分が悪魔にでも憑かれていたような気分だった。悪魔は人を不幸にすることしかしない。だから、生きていてはいけない。自らその命を絶つことにした。抱いてしまった憎しみを悔い改めながら』
「この字は確かに麻美のものだ。俺には見覚えがあるし、警察の筆跡鑑定でもそれが立証されている。だから麻美の書いたものに間違いはない。けどな」
それから慎也は、書かれている内容をすべて読み上げた。相手に聞こえるように、はっきりとした口調で。
「どうだ、これ? 俺は理系の人間だからな、あまり文章力があるわけじゃないが、それでも文章になってない気がしないか? ってより、どっかで見たことのあるような書き方なんだよ、これ?」
一呼吸分間を空け、確信部分に触れる。
「これはまるで、思い浮かんだアイデアを忘れないように、そのまま書き留めているみたいじゃないか? ネタ帳に思いついたネタを記録しているように」
「…………」
「だとしたら、これは遺書ではなく、麻美が思いついたネタとしてノートに書き留めたものなんじゃないか? それを切り取っただけの」
視界にいる圭一郎の姿、微動だにしない。ずっと窓側に顔を向けている。
「なあ、頼むよ、丘ノ崎。あれは麻美の形見なんだ。麻美のネタ帳、返してくれ」
「……なんでおれなんですか?」
まだ視線は窓に向けられたまま。その喉が小さく動く。
「どうしておれが持ってなきゃいけないんですか?」
「消去法もある。ネタ帳を知っている人間は演劇部部員と、それに関わっていた人間しかいない。で、演劇部のメンバーに訊いてみたところ、誰も持っていなかった。とすると、残るは演劇部を手伝っていた者しか考えられない」
それが丘ノ崎圭一郎。
「けどな、お前だって確信したのは、別の理由からだ」
「……よければ、教えてもらえますか?」
圭一郎は小さく口元を緩める。
「どうせそんなのこじつけっていうか、とても納得できるようなものじゃないんでしょうけど……」
「麻美は遺書なんて書いていない。遺書とされたものは、麻美が演劇のネタとして以前に書き記していたものだった。だとしたら、もしそれを何者かに利用された場合、麻美の死の理由が変わる」
自殺から他殺へ。
「他殺っていうのは、それをした犯人がいるってことなんだよ」
桑原麻美を殺した犯人が、この世にいる。
「犯人は麻美のネタ帳を目にした。そしてそれを切り取り、書かれていた内容を利用しようと考えた。きっと殺す前に貸してほしいとでも言って、まんまと手に入れたんだろうな」
「……それから?」
「犯人はネタ帳を切り取ったものを遺書とするためにこの部室に置いた。そして麻美を窓から落下させた」
殺意を持って、その手で麻美のことを殺害した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます