第26話『異世界 VS 転生女神』

 転生女神は異世界の人間の魂を、

 この世界の数百の人間の魂を生贄に

 召喚し、女神が創作した適当なチートを与え、

 転生勇者としてこの世界で3年間滞在させる。


 3年間経過したあとは有無を言わせず

 元の世界、日本に強制送還する。


 シローが異世界にきてから3年。

 女神が降臨するその約束の時が

 間近に迫っていた。


 その儀式が行われるのが、

 ヤルダバ王都の中央広場。


 帰還の儀式が行われる祭壇に

 シロー、ソフィア、ラクイは立つ。


天から八枚の白い翼を広げたいかにも

女神といった姿の女性が舞い降りる。


シローが転生部屋で出会った、

転生女神である。



「勇者シロー。あなたは転生者としての

 任期を満了しました。その褒美として、

 あなたを元の世界で復活させましょう」



前回の勇者強制送還時と同じ

テンプレセリフである。


前の勇者の強制送還の際は

『この世界に留まりたい』と鼻水を

垂らしながら嘆願するも、その言葉は無視され、

強制送還させたのであった。



「そんな勝手は許さないなの!

 シローはこの世界にとって

 ……そしてボクにとって、

 欠かせない人間なの!」



「悪いな女神。この世界に転生させて

 くれたことには感謝はしているが、

 俺はこの世界でやらなければいけ

 ないことがある。だからお前のその

 提案は断固として拒否する!」



「そんな勝手は通じないわぁ? 

 そもそも魔王を倒さなかったお前は、

 本来は女神であるわらわが手づから

 誅殺すべき存在。生きて元の世界に

 帰還させてもらえるだけで感謝すべきだわ」


転生女神の言葉を黙って聞いていた、

ラクイが、静かに告げる。


「偽神、神の真似事はやめるのだ。

 お前の正体はラクイさんが

 まるっとお見通しなのだ」



ラクイは死という概念の探求のなかで、

過去に"不死者"になった少女の伝承が残されていた。

これは千年以上も前の伝承である。


非常にマイナーな伝承のため人々の

記憶からは忘れ去られたものであったが、

田舎の村の童歌として残っていたのであった。


その"不死者"こそ、この転生女神であると

ラクイは看破したのであった。



「……っ!? 何を世迷い言を? 

 妾は正真正銘の千年の時を生きる神だ。

 異世界から勇者を召喚できるのが、

 その証拠であろう?」



「おまえは女神ではなく神を名乗るただの不死者。

 この世界を我がモノにしようとしている偽神なのだ。

 

 生贄として数百人の魂を捧げなければ

 勇者召喚を自分一人ではできないこと

 からもそれは明らかなのだ!

 お前の目的は何なのだ?」



「ふふっ……。名探偵さん、

 その推理に敬意を評して話してあげるわ。


 妾の目的は、この世界の最大勢力である

 人間族と魔族の片方に味方して、

 勢力の均衡を崩し、互いを殺し合わせること。

 

 そうね。ちょうど、あなたの大祖父さんの

 時代には、人間族と魔族の力が均衡していたの。


 だから、私は片方の勢力にチートを授けた

 勇者を派遣、殺し合わせたの。

 適度に間引かないとあなた達は繁殖し過ぎるからね」



「なぜ、お祖父さまを……魔族の皆を

 壊滅直前にまで追い込んだなの!」



「理由ぅ? 無いわぁ。ぶっちゃけ、

 殺し合いで自主的に間引いて貰うのが

 目的だったのだから人間族でも魔族でも

 どっちでも良かったの。


 強いて言うならサイコロを振ったら

 人間側に転がったから人間に味方しただけ。

 恨むなら、サイコロを恨んで欲しいわぁ」


「そんな下らない理由で……許せないなの!」



「そもそも、前回はたまたま人間族の味方をした

 だけで、人間族が増え過ぎたら今度は

 魔族側に勇者を派遣する予定だったのよぉ?

 長い視点に立てば、妾はとっても平等な神なのよぉ」


「自分の都合で、人の命をもてあそぶ悪魔!

 お前は、神なんかじゃないなのっ!!」


「ふふふ……。言ってくれるじゃないか。

 お前の大祖父や四天王たち

 が惨たらしく殺される光景は千年の時を

 生きるこの妾にとっても極上の娯楽

 であったぞぉ?」



「ソフィア、この偽神の言葉に耳を

 傾ける必要はないのだ。


 神気取りだけどこいつは所詮は

 己の力では世界を支配する力のない偽神。

 

 もとからこいつ一人で世界を統べる力が

 あるのであれば、こんなまどろっこしい

 ことなんてしていなかったはずなのだ」


「はん……。言ってくれるじゃない。

 それは大きな誤解よ? 

 草を刈るのは庭師の仕事。

 王は、自らの手で草を刈ることなど

 ありえないわぁ……?


 勇者を送りこんだのは、

 適度な間引きと妾がこの世界を統べる前に

 あの素晴らしい世界、"日本"とを限りなく

 この世界を近づけるためなだわぁ」 



『異世界日本化計画』これが女神を

名乗る存在が勇者を日本から

転生者を召喚する最大の理由である。


1つ目の目的は、勇者を派遣することで

人間族と魔族の対立を煽り互いに

殺し合わせ、適度に間引かせること。



2つ目は、この世界に馴染みのない、

『現代チート』と呼ばれる、地球固有の文明を

勇者に布教させ、この世界の文明を破壊し、

転生女神の大好きな日本と同質化させるため。


転生の期間を3年に区切っているのは、

勇者が権力を持ち繁殖し過ぎないよう、

権力をもたせ過ぎないようにするためである。


あまりに、勇者に信仰が集まると女神が

この世界に降臨統治する際に障害になるからだ。


最終的に適度に弱った日本化された

この世界に女神として降り立ち、

統治する。それが転生女神の計画である。



「そもそも異世界から転生者を送りこむ

 ことすらお前一人の力では出来ずに、

 それすら、この世界の人間の数百人の魂を

 贄としなければ行えない程度の存在が、

 神を名乗るとはちゃんちゃらおかしいのだ」



「黙って聞いていればケモノ風情が……。

 いいわ、まずはお前から血祭りに

 あげてくれる。"不可避の死ジ・エンド"」



詠唱も、魔法陣もなく突然、

暗黒の球体がラクイを包む。

回避不能の即死スキル。



「無駄なのだ。その程度で死ねるのならば、

 ラクイさんは死を探求しようなどとは

 思わなかったのだ。倍にして、返すのだ」



ラクイを包む漆黒の球体を

右手のひらに野球ボール大までに超縮小、

それを超速で転生女神に向け投げつける。


その高速の漆黒の球体を最小限の

動きで女神は避ける。



「人間と魔物が融合したケモノの中には

 不死性を持つものが居るとは知ってはいたが、

 貴様がソレか。ならば見逃してはおけぬ。


 不死者は二人もいらない。即死の能力

 が効かないなら細胞の一片まで破壊し尽くすまで

 単純な暴力でお前を殺し尽くすまで!


 数千の時を生きる妾が蓄積した力

 思い知るが良い!」



女神は手のひらから光熱の球体を

無詠唱、超高速で放つ。

だが、その光球はラクイに

直撃する直前で見えない壁に妨げられる。



「そうはさせないなの! 

 おまえの攻撃は私が防ぐなの!」


「魔王ソフィア……くっ。

 ちょこざいな!」



転生女神は、ラクイとソフィアの存在に

気を取られシローの存在を見逃していた。



「二人に気を取られている間に

 俺のことを見逃しちゃいないか?」



今のシローはレベル999。

さらに速度極振りでの高速で抜剣。

女神の左腕を切り落とす。



「くっ…。人の子、神である私の

 腕を切り落としたその罪、

 万死に値する。楽に死ねるとは思うな」



転生女神の斬り落とされた左腕から

まるでピッ○ロ大魔神のように

切り落とされた傷跡からすぐに

新たな腕が生えてくる。



恐るべき再生能力……。



(グロいな。もはや女神という

 よりモンスターだ)



「フン……。苦戦しているようだな。

 真打ち、オレが力を貸してやろう。

 女神とやら貴様にはユータが直々に誅を下す!

 "USS"(アルティメット・センシー・ソウル)」



建物の物陰に隠れていた勇者の孫、

ユータがあらわれた。


センシー(故人)の魂を召喚し、

更にそれをエネルギーに変換、

両手のひらから放つユータの究極奥義。


ユータの放った紅蓮の極光に

飲み込まれ、女神は一瞬で炭と化す。



「フッ……。やったか!」


(おい! 復活フラグ立てるな)



心の中で叫ぶシロー。



全身炭化した体に亀裂が入り、

まるでサナギから蝶が這い出るように

背中がパックリと割れ中から

肉塊が溢れ出る。



そしてあっという間に

50メートルほどの巨体に膨れ上がる。


その姿はガルーダによく似た

8枚の翼を持つ四足の獣。



「ガラぁああああああああッ!!」


巨大な八翼の獣が雄叫びをあげる。



「おっと……。第二形態とやらか。

 すんなりとは勝たせてくれないとは

 思ってはいたが、さすがにしぶといな

 この巨体ではさすがにダメージを

 通すのは難しそうだ」



転生女神が巨大な化け物に变化したことに

怯んでいると、逞しい男の大声が聞こえてくる。



「総員!!! 戦闘陣形ッ!!!!」



気配遮断と透明化の魔法で隠れていた

人間族と、魔族と、獣人の混成部隊が

姿をあらわす。



その数はゆうに1万を超える。



この混成部隊を率いるのは、王都中央ギルド、

そのギルドマスター、ギルダー。



「魔術部隊は魔法陣を展開!

 前衛部隊は魔術部隊の前に立ち大盾を構え、

 敵からの攻撃を全て受け止めろ!

 支援部隊は臨機応変に動け。


 今こそ、人類と魔族と獣人の

 底力を見せつけるときだ!!」



王都ギルド所属のSランク

冒険者たちが、魔族で構成される

魔術部隊の前に立ち大盾を構える。


獣人で構成される支援部隊は、

前衛の冒険者の回復と、魔術部隊の

魔力回復の支援を行うスキのない陣形。


今日のための連携訓練も何度も

行い、体に染み付いている。

人間族、魔族、獣人の共同戦線である。



ギルダーの号令にに応じ、

魔術部隊が魔法陣を一斉展開――。


空中に千を越える魔法陣が展開され、

赤、青、緑、黄、白、黒それが色に

対応した破壊力へと変換。


魔法陣から射出される光の剣が、

闇の鎌が、炎の鞭が、氷の矢が、

雷の槍が、岩の槌が、50メートルの

巨体に同時に着弾。


8枚の翼の獣はその巨体が仇となり、

完全な的になる。


獣の全身から血しぶきを吹き出し、

その血飛沫が、ギルダーの頬を濡らす。



ここまではギルダーとシローの

打ち合わせ通りの展開だ。



だが――。



巨大な四足の獣の口が怪しく光り、

陣形ごと薙ぎ払うために、

反撃のための超高温の熱線が放たれる。


最前列で大盾を構えた、ギルダーの

大盾は熱線で焼き切られ、

右腕が切断吹き飛ばされる。



前衛のギルドのSクラス冒険者たちが

後方の、魔術部隊、支援部隊を守り切る

ことには成功するが、陣形は乱れ、

あまりの凄惨な光景に、部隊の士気は

大幅に低下していた。



「まだだ!! 魔法を止めるな! 

 足が千切れても、腕が吹き飛んでも、

 喉が枯れるまで詠唱を続ける限り続けるのだ!  


 神を名乗る愚か者に、いまこそ

 我々の本当の恐ろしさを知らしめるのだ!」



ギルダーは、残った左腕で予備用に

地面に置いていた大盾を拾い上げ、

再度、最前線で大盾を構え、叫ぶ。



叫んでいる当の本人であるギルダーは、

満身創痍でありながら、

不敵に笑いながら嗤う。



女神の反撃によって陣形ごと崩され、

戦線ごと崩れそうになるも、


ギルダーの一声で心を奮い立たせ、

Sランク冒険者たちは破壊された大盾を、

地面に備えていた予備の大盾に構え直す。



熱線の直撃を受けた冒険者には獣人部隊が

ポーションによる回復を、魔力の尽きた

魔法使いにはマナポーションで回復させる。



魔法使いは新たな魔法陣を展開。

第一弾目よりも強力な魔法を放つ。


巨大な体が仇となり、数千の魔法の直撃を

再び全弾を受けることになる。



「このクズどもがあああああっ!!!」



食らった女神は巨大化させた

体を縮小させ、元の大きさに戻る。



「ひゃははははは! 無様ねぇ、ブス。

 とっとと私様の前に跪きなさい?

 ハイエスト・マジック・ソード」


魔法使いの孫マホーツは

雷、氷、炎、混沌、闇、光、魅了、

麻痺、毒、呪い、祝福ありとあらゆる

属性がシローの剣に付与される。



「……神? この世界の神は、唯一ただ一人、

 私のことですわよ?

 グレイテスト・オール・エンハンス」


僧侶の孫、ソーリョは身体能力と治癒能力を

極限まで向上させる魔法がシローに付与される。

今のシローの身体能力は普段の100倍。


「ダ……ダンジョーン……」


商人の孫、ショニーンはシローに

激励(?)の言葉を送る。



「役に立つかは分からんでヤンスが、

 相手の全てのスキルを奪うスキルを授けるでヤンス。

 グランド・セフト・アビリティー」



盗賊の孫、トゾークが切りつけた相手の

持つ全てのスキルやチートを無条件に

全て剥奪するスキルをシローに付与する。


チートではなくスキルであるが、その理不尽さは

シローの持っていた【隷属】に相当する。

彼が弱かったのは使いこなせるほどの頭が

無かったからに他ならない。



相手の先手を取る可能性が最も高いシローに

元勇者の孫達による彼らの持つ最大の

スキルを授けられる。



女神は自身の不利を悟り、

女神としての物理的肉体マテリアルボディから抜け出し、

一旦やられたように見せかけるように

偽装するために、精神的肉体アストラルボディだけで逃れようとする。



「そうは問屋が卸さないなの!

 12の檻の牢獄壁ピスティス・ソフィア!」



本来は最強の防御結界として

用いられる魔王の最強の守りの魔法。


その魔法による絶対の結界壁を

女神を収監するための檻として行使する。


女神を中心に球状の12層の透明な結界が

展開され、女神はその球状の檻に囚われる。



「これでトドメだ!! ハイ・ジャンプX! 

 ウインド・ブレーカーX! グラビティー・コントロールX! 

 アクセル・タイムX! うおおおおおおおおッッ!!!」



シローはレベル999で素速さ全振り。

この世界で、速度においてシローを

上回れるものは存在しない。


更に、元勇者の孫の加護を

受けての最速の一撃。



シローは光の速さを超え次元の壁も超え

転生女神の体を一文字に引き裂き、

一太刀のもとに切り伏せた。


こうして異世界の転生女神を名乗る

偽神はこの異世界から消滅したのであった。




==============================




ここはシローの暮らしていた"異世界"日本。


女神を騙る、不死者は自身が消滅する

前に異世界"日本"に転生していた。

その転生先の体はシローのもの。


千年の時を生きる存在、その生への

執着が成した奇跡と言えるであろう。


転生女神は、シローを元の世界に

強制送還させるために用意していた

体に逃げ延びていた。


女神がこの世界で目覚めたのは、

シローの病院であった。

事前にシローの肉体を"修理"

していたので、後遺症などはない。


転生女神は、すでにシロー

としてこの"日本"に転生し

1年の時が経過していた。


そして、ここはシローの派遣先の会社である。

転生女神はいつものようにブラック労働

を強いられていた。



「シローさん、今日は忘年会で忙しいので

 お客様に提出するための私の資料を

 作っておいて下さい。明日の朝一までに

 印刷まで完了しておいてくださいね」


「ボクのも忘れないでね。明日客先で

 プレゼンだから資料のチェックと、

 資料の印刷お願いね。あと、ボクの

 デスク片付けておいてね」


「さて、簡単な雑用は派遣くんに

 任せて、みんなで忘年会に繰り出すか!」


「そっすね、課長。それじゃ、

 お先にしつれーしゃーす」


「派遣くん。また、前みたいに

 "自主的に頑張りすぎて"、

 体を壊して倒れることが無いようにね」



転生女神は最初の数ヶ月こそは、

完全な状態での転生ではないにせよ、

大好きな日本に転生ができた事に

喜びを感じることができていたが、


数カ月後にはその考えを

改めなければいけない状態になっていた。


たったの1年であったが、

体感時間としては百年に

相当する1年であった。



「なんなの、この世界は……。

 煉獄より、いや地獄より、

 救いが……ない」



転生と言っても、全てのスキルと

チートは、トゾークがシローに付与した

"グランド・セフト・アビリティー"の

能力によって全て剥奪され、千年の時を

経て蓄積した能力も完全に失われていた。



また、この地球には魔法を使うために

必要な元素、"マナ"が存在しないこと

から仮に魔法が使える状態で転生しても、

能力を行使することは不可能であった。



いまの転生女神は、転生前のシローと

同様に何のチートもないただの

日本人のあまたいる労働者の

一人として生きることを余儀なくされた。



異世界から眺めていたこの

世界はとても楽しいものであった。


特にゲームやアニメが好みで、

異世界からの勇者召喚のアイディアも

それらの創作物から思いついたものである。


だが、隣の芝生は青く見えるという言葉

の通り、遠目には楽しそうに見える世界も

実際に生きてみるとその感想は

覆せざるおえないものとなっていた。


大好きだったポケ○ンの最新作をプレイ

する気力すらなく、会社と家の往復以外は

死んだように布団で横たわる生活が続いていた。



「し……に……たぁい……

 ろ……して……こ…ろ……して」



不可能なのである。



すべての能力とスキルとチートを

剥ぎ取られた彼女に唯一残ったのは、

生来の備わった生と死を司る不死者

としての本能がその選択を許さない。



「だめ……もう苦しい。

 本当に、限界なの」



そう呟きながら、"ぼーねんかい"という

行事のために誰もいなくなったオフィスの中で、

一人カタカタとキーボードを叩く。


"せーしゃいん様"という異世界でいうところの

"上位貴族階級"相当の者たちの命に従い、

"ぷれぜん資料"を作る。



「神など、いない……神は死んだ」



元転生女神の派遣社員の男性は

呪詛の言葉を一人つぶやく。


だだっ広いオフィスのフロアは

彼のデスクの列以外の蛍光灯は

消され薄暗くなっていた。


デスクの上にはリポDの空き瓶と

カロリーメイトが山と積まれていた。

徹夜、残業を乗り切るためには必須のものだ。


デスクの下には、会社に泊まり込む時に

仮眠を取る時に使うための

毛布と簡易枕も備えられていた。



冷たいコンクリートで造られたフロアに

木霊するのは、エアコンの音と規則的に

キーボードを叩く音のみが木霊するのであった。

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