第11話『アライグマ獣人のクエスト』

シローとソフィアがケモノ村の

アーチの下をくぐると、

そこには色鮮やかな美しい村であった。


パステルカラーを基調とした

ポップな感じな配色が特徴である。

王都の建造物とも大きく異なる。



この村のアーチの外の、

メメントの森では、

宇宙的な恐怖を与えてくる


魔獣が群生しているのに、

村の中はうって変わって、

平和を体現したような村であった。



「すごーい! きれいな村なの」


「王都ほど洗練された感じはないけど

 明るくてポップないい感じの村だな

 たのしー! そうな村だな」


シローとソフィアが雑談を

交わしていると、

目の前からものすごい勢いで、

ケモノ村の獣人が駆けよってくる。



「あれが、獣人か? 随分と小さいな

 小学生高学年くらいかな?」


「ケモノ村の獣人は全員こうなの

 他のちほーの獣人と比べても

 小さいのが特徴なの」



くりくりとした大きな瞳の

金髪のネコ科獣人が、

シローとソフィアの間近で止まり、

シローの瞳を覗いてきている。



身長は130cm、ソフィアと同じ

身長の女性の獣人だ。金色の毛並み

はよく手入れがされていて、

太陽の光をうけ、その金色の

体毛はきらきらと輝いていた。



「わーい! あなたたちは異種族の

 フレンズなんだね! 

 ようこそケモノパークへ!

 ところで、あなたたちは

 何のフレンズなのかな?」



「俺は冒険者をやっています」


「すごーい! あなたは、ロリコン

 が得意なフレンズなんだね!」



(俺、一言もそんなこと言ってないんだが?

 見た目か? 俺の見た目の問題なのか?!)



「よろしくなの。ボクは

 奴隷のフレンズなの」


「すごーい! あなたは、性奴隷

 が得意なフレンズなんだね!」



ソフィアは特に『性』奴隷と

言っていないが、そういうこと

になってしまった。


シローはあえて訂正せずに

気を取り直して、ネコ科獣人

の女の子に声をかける。



「改めてはじめまして。俺は

 シローと言います。アライグマの

 獣人を助けて欲しいと言われて

 きたのですが、ご存知ですか?」



「しってるよー! アライグマの

 フレンズのことだよね! 

 連れて行ってあげるよー。

 ロリコンの人と、性奴隷の人

 はボクの後ろに付いてきてー!」


シローとソフィアは、

案内をしてくれるネコ科獣人の

後ろをついていき、歩く。



(ケモノってやっぱ良いよなぁ……

 癒やされるんだよなぁ)



シローはそう思った。



「なんだろう。ここに来る前は、

 獣人というともっとケモケモしい

 感じなのを想像していたけど、

 結構、人っぽい感じの容姿だな?」


「その考えはあながち間違っていないなの。

 メメントの森の獣人は特別なの。

 元から獣人だったわけではなく、

 獣と人が融合することで、

 獣人になった種族だから人間の

 特徴を色濃く受け継いでいるなの」



「なるほど。生まれた頃か獣人の

 場合はケモノベース。人間が

 獣と融合した場合は、人間ベース

 の容姿になるわけだな?」


「ざっくり言うとそんな感じなの

 シローなかなか勘がいいなの」



(まあ……俺のはファンタジー小説とか、

 ゲームで得た知識からの推測だがな)



「それにしても、たのしー!そうな村だな

 この村の外の森の陰鬱な感じとは、

 うってかわってこの村は平和

 そのものだみんな笑顔で幸せそに見える」


「シローの意見に同意するなの。

 村を歩いている限りみんな笑顔で

 楽しそうなの。きっと良い村なの」



家の作り自体は、木造りで

単純な造りではあるが、こだわりの

ある職人が造ったせいか、

とても綺麗な造りとなっている。


村の木造の家屋はパステルカラーで、

色鮮やかな配色がされていた。



転生前の世界で例えるのであれば、

ディ○ニーや、キッザ○アなどの

配色がイメージと近いだろう。



「ん……なんかこの掲示板に

 何か書かれているぞ」


「読んでみるなの。かわいらしい

 チラシだからきっと、たのしー!

 ことが書かれているなの。わーい!」




『無断で外部の文化を持ち込んだ

 フレンズはその代償として

 右と左の腕をいただくのだ!』




「……ははっ」


「……なの」


「おたがい気をつけるなの」


「もちろんなの」


「調子に乗るのはよそう」



シローと、ソフィアは掲示板の

注意書きを読んだあとに

シュンとしてしまったが、


しばらくすると気分をもちなおし、

ケモノ村の様子を見渡す程度の

余裕がでてくるのであった。



ケモノ村というだけあって

住民は全員、かわいらしい

ケモノの容姿をしていた。


獣人になるまえの元の種族が

何だったのかまったく区別が

つかないが、ぱっと見、

住民は全員女性の獣人だけしか

いないように見えた。



種族差が均一化されること

によって、種族差が起因となって

争いとなるような要素が

なくなっているのかもしれない。



もともと多種族からなる

移民の村であったことから、

獣人となることによって、


種族間の差だけではなく、

外見上の性差も無くすことによって、

個々人を匿名化することにより、

より、内面を深くすることに

成功しているのかもしれない。



(それにしてもいろんな種類の 

 獣人がいるんだなー)



ネコ科の獣人の後ろをついて歩くと、

そこには、いかにもメルヘンな感じの

建物にたどり着いた。



「おつかれさまー! ここがアライグマ

 のフレンズの家だよ」


「案内してくれてどうもありがとう!」


「ありがとうなの」


「こちらこそありがとー!

 性奴隷の人、冒険者の人、

 またあそんでねー!」


「こちらこそありがとう!」


「ありがとなのー!」


元気よく、お礼の言葉を告げる。

目の前の家がアライグマの

獣人の家である。


シローはアライグマ獣人の家をノックする。


「はじめまして依頼があるとのことで、

 王都から依頼を受けにきた、冒険者です

 お邪魔してもよろしいでしょうか?」


すると、玄関のドアの奥から

ドタドタと足音がして、

しばらくするとガチャリと

鍵が開けられる音がする。


そして玄関から、アライグマの

獣人が姿をあらわす。


「はじめましてなのだ!

 さあ、家に入るのだ~」



身長は140cm程度。

ソフィアよりも少し背が高い。


目はくりくりと大きく、

髪の毛は黒と灰色のグラデーション

がかった特徴的な色。


頭上の耳はアライグマの特徴を

引き継いだ可愛らしい耳。

口元には小さな八重歯がのぞいている。

かわいい。



一見ファンシーな部屋の内装

であるが、本棚に並ぶ本を見ると

学術書や哲学書などの難解

そうな本が並んでいた。


ギルドマスターの応接室に

あったようなアンティーク用の

飾り本ではなく、本物の本である。



本棚に並んだ本は、何度も

読んだせいか背表紙には

細かな傷がついてあり、

この本の持ち主が熱心な

読書家であることを想像させた。



アライグマの獣人の後ろを

ついて歩くと、ちゃぶ台のある

部屋に案内される。ゲストルーム

ということであろうか。



「はじめまして。冒険者のシローです

 依頼の件でお伺いしました。」


「はじめましてシローの、

 奴隷のソフィアなの」


「はじまましてなのだ! 

 それではじこしょーかいをするのだ!

 アライグマのメスのフレンズなのだ。

 王都ちほーから来てくれて感謝なのだ!」



「アライグマの獣人さん、

 ボクたちはなんと呼べばいいなの?」


「ラクイさんと呼んで欲しいのだ!」

 ラクイさんの名前の由来は、楽になりた……」


(楽になりた……?)


「すまないのだ! 今のは言い間違いなのだ。

 訂正するのだ。ラク(ーンになりた)イ、

 獣人だから、ラクイさんなのだ!

 二人にもラクイさんと呼んでほしいのだ!」



「改めてよろしく。ラクイさん。

 ギルドへの依頼をしたのは

 ラクイさんで間違いないかな?」


「依頼したのは、ラクイさんで間違いないのだ。

 最近、ケモノ村の近くでドッカンドッカン

 人間族のフレンドが鉱山の洞窟の中で

 何かを爆発させているのだ!

 

 ラクイさんはとても困っているのだ。

 音がうるさくて読書に集中できないのだ!

 眠れないの。たすけてほしいのだ!」

 


(防げない音はストレスになるからな……。

 給料が少なくて壁の薄いレオ○レス

 に住んでいた俺は気持ちが良くわかるぜ)


「ああ、もちろんだ! 任せておけ!」


「もちろんなの。そのためにボクたちは、

 ケモノ村にきたなの。ラクイさんも

 大変だったなの。エライさんなの。

 ところで、その人族はどこにいるなの?」



「ケモノ村の近くの鉱山ちほーから毎日、

 とっても大きな音がするのだ。

 音がすると家が揺れるからとても怖いのだ……。


 ラクイさんが案内するから

 追い払ってほしいのだ!

 これ以上騒音を続けられたら、

 フレンズが睡眠不足になるなのだ!

 ケモノパークの危機なのだー!!」

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