第35話 殺人鬼ゲイド
「……ちょっと待て。あれは洒落にならん……」
顔にどっと汗を吹き出して焦る嘉麻。
それは人の形をしたロボットだった。
似たような物をあげるならターミネーターだろうか?
骸骨のようなロボットには素肌だった物が張りついている。
だが、そのほとんどは剥がれており、中身がむき出しになっている。
「……何をしようとしてるかわかる?」
「……考えたくねぇけど……多分お前と同じ事考えてるよ!」
そう言ってロボットから後ずさる二人。
ロボットはゆっくりと自分の手をこちらへと掲げた。
「やばい!」
慌てて横っとびする二人。
ボゴン!
先ほどまで二人がいた場所に何かが辺り地面が吹き飛ぶ!
慌てて逃げ出す二人。
「なんなんだよあれ!」
「しらねーよ!」
そう言って二人で階段へと走り出す。
バシュッ!
「なんか音したよ!」
「気にしてる場合か!死ぬぞ!」
そう言って階段へと一目散に走ろうとする嘉麻。
そんな二人にふっと影がよぎる。
「危ない!」
そう言って英吾が階段まで後一歩の嘉麻を後ろへと引っ張る。
「なにすんだよ!」
ドシャ!
先ほどまで嘉麻が居たところにロボットが着地する。良く見ると左手から刃が出ており、丁度横にあった木が倒れた。
ドグラシャァァァ!
その木は今まで上がってきた階段を塞ぐように倒れてしまう。
なんとなくだがロボットがにやりと笑った気がした。
「逃げ道が……」
「仕方ない! 逃げるぞ!」
そう言って二人で再び奥へと逃げる。
「木に隠れながら逃げるぞ!」
「おう!」
そう言って二人は木々に隠れながら逃げる。
ドン!ドン!
ロボットが撃ったと思しきレーザーが木に当たり、木の幹から破片が吹き出す。
「なんなんだよ! あの威力!」
「しらねーよ!」
そう言って二人で逃げ惑う。
嘉麻は棒のような物が落ちていたので、ロボットの方に投げてみる。
バギャン!
右手から撃った何かが棒を真っ二つに割り、辺りに破片を吹き散らす。
「とりあえず当たったら死ぬぞ!」
「最初からわかってるよ!」
互いに怒鳴り合う二人。
そしてはっとなって手近な物を拾い上げる。
「色んな物を投げてみるぞ!効かないもんがあったらそれを盾に逃げるぞ!」
「おう!」
そう言って二人でいろんな物を投げてみる。
ボガン!バキャン!パシン!
「盾になりそうなもんがねぇ!」
叫びながら嘆く嘉麻。
「これならどうだ!」
「おお!」
英吾は大きめの金づちを投げてみる。
バギャン!
よりにもよってその鉄の部分がロボットの攻撃を受けて木端微塵に吹き飛ぶ。
カラカラと乾いた音を立てて柄の部分が落ちる。
「……むりだわ」
「……諦めんな!」
半分自棄になった英吾の声に怒鳴り返す嘉麻。
完全に打つ手が無くなってしまった!
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