滅亡の予言

ある男は言った。

「もうすぐ、この世界は滅亡する。」

人々は口を揃えて尋ねた。

「一体何が原因なんだ。」

しかし、彼はその問に答えない。


別の男が言った。

「俺には分かったぞ。彼の言っていることは真実だ。」

だが彼もそれ以上は語らない。


ある女が言った。

「運命とは小説のようである。先に進まないと未来は分からないが、すでに結末は決まっている。」

一部の者はその言葉を聞いて、全てを受け入れた。しかし、多くの者はまだ見ぬ未来に希望を持っている。


刻々と終末は近づいている。人間以外の動物は存在すら拒絶され、喧騒な街並みや、空に浮かぶ月は始めから姿を見せなかった。


時間が経つにつれ、少しずつ世界の終わりについて理解する人々は数を増していった。

ある者は納得して、ある者は半信半疑で最期の時を待っている。


そして、とうとう終わりの時間がやって来た。



筆者である私は筆を置き、この世界を終わらせた。

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