チート転生
友達の猫がトラックに引かれそうになっているのを目撃した。
俺は、咄嗟に猫をかばってトラックの前に立ちふさったが、流石に大型トラックに対してはどうしようもなく、そのまま死んでしまった。
気が付くと、俺の目の前には白い髭を生やした老人が立っていた。彼は言った。
「友のためとはいえ、自分より弱き者を助けるその心意気、天晴じゃ。そんなお主をこの儂が転生させてやろう。」
老人は自らを神と名乗った。最近神々の間で、チート転生なるものが流行っているらしく、俺もそれにあやかれるらしい。
「転生先はどこがいいかのお。儂も転生させるは初めてじゃから、色々サービスしてやろうか。おお、丁度子供がいない王様がいたぞ。しかも、最近流行のファンタジー世界じゃ。」
神はぶつぶつと独り言を続ける。
「しかし、ちょっと時代が古いかもしれん。生まれてすぐ死んでも敵わんからなあ、とりあえず死なないように加護をかけておいて、強靭な肉体でも与えておくか。」
そして俺は転生した。転生先の母のお腹の中から周りの声を聴いていたが、どうやら王族の人間に生まれ変わったらしい。俺は嫌な予感がした。
(確か、あの神とかいうやつも人間の姿をしていた。)
俺は不安の中で産声をあげて、前世と同じ動物として転生した。
「モ~、モ~。」
予想通り、母も父も医者達もみんな私の姿に悲鳴をあげる。
父は俺を殺そうとしたが、神からもらった加護のせいで殺すことはできなかったようだ。彼は死なない俺を閉じ込めるための大きな檻を作った。
そして俺は迷宮の中でミノタウロスと呼ばれながら、自分を殺してくれる
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