53.今後の予定とスキルの確認です
晩ご飯も食べ終わって、寝る準備も整ったのでゲームにログインだよ。
ログイン先はいつも通りで、まずはパートナーの皆にご飯をあげなくちゃだね。
飛行庭に移動すると恒例のシズクちゃんタックルを受け止めることから開始。
その後は、それぞれ思い思いに過ごしている皆を集めてご飯の時間だよ。
今日も皆、いい食べっぷりだね。
パートナー達のご飯が終わったら、モフモフタイムですよ。
それぞれにブラッシングしながらモフモフをモフモフできるこの時間こそ至高!
……そんな訳で1時間ほどモフモフを堪能して飛行庭を後にするよ。
モフモフを愛でてたいけど、そればっかりじゃゲームにならないからね。
飛行庭から談話室に戻ると、サーシャ、スズカ、セルシアの3人が居たんだよ。
3人で何か話し合ってるみたいだけど、何かあったのかな?
「こんばんは、皆。何かあったのかな?」
「ああ、こんばんは、リーン。サーシャがしばらくソロでレベルを上げたいって言い始めたのよ」
「それで、2人で止めていたんですが……」
「うん? 何かあったのかな?」
「そろそろ、私達も第2エリアに向かおうって話になって、サーシャもレベル上げに誘ったのよ。そうしたら、少しの間、自分一人でレベルを上げるって言い出して……」
「私は大丈夫だって言ってるんだけどね。2人がなかなか許してくれなくて」
「サーシャなら、ソロでレベル上げをしても大丈夫じゃないかな?」
「え、そうなんですか?」
「サーシャはゲーム慣れしてるし、無理しないと思うからね。それに、ボクみたいに偏った構成でもないし大丈夫だよ」
「うーん、そうなのかしらね。昼間もプレーンウルフと戦えてたし、プチドラゴンも強かったから大丈夫、なのかしら?」
「どうしても難しかったらヘルプを頼むわよ。だから3日間ほど自由に行動させて。それで3人のレベルに追いつくから」
「……3日間で追いつかれるボクのレベルって一体……」
「リーンはレベル上げをしないで引きこもりすぎなのよ。……まあ、そう言うことなら3日ほどは様子を見ましょうか」
「わかりました。無理そうだったら、遠慮せずに言ってくださいね」
「ありがとう。それじゃあ、私はレベル上げに行ってくるわね」
あ、そうだ。
ジェネラルアントの勲章はもう使わないし、サーシャにあげよう。
「サーシャ、ちょっと待って。これをあげるよ」
「うん? これってアクセサリーかしら?」
「ジェネラルアントの勲章って言う装備だよ。STRとVITはあまり関係ないと思うけど、HPが上がる効果はサーシャの役に立つと思うよ」
「そうなの? でももらっちゃっていいの?」
「ボクはその上位互換のアイテムを手に入れたからね。2人も問題ないよね?」
「そうだね。私達も既に買ってるし問題ないと思うよ」
「確かに、私達にはもう必要ないアイテムだけど、サーシャになら役立つかもね」
「それじゃあ、ありがたく使わせてもらうわね。3人ともまた今度ね」
サーシャが手を振って談話室から出て行ったよ。
……さて、ボクはなにをしようかな?
「そう言えば、今日は先輩達を見ないね。何かあったのかな?」
「さっきまではガイルさんがいたよ。私達くらいのレベルになれば、好きなようにゲームを楽しむといいって」
「確かに、私達のレベルなら大抵のことができるからね。フルパーティを組めば第2エリアだって目指せるし」
「そうなんだね。じゃあ、第2エリアを目指すの?」
「それは3日後までお預けよ。サーシャが3日間レベル上げをする理由って言うのが、エリアボスに挑むためのレベル上げなのよね」
そうだったのか。
ボクとか、全然気にしないでいたから気付かなかったよ。
「それじゃあ、ボク達もレベル上げに行く?」
「うーん、私はパスかな。街中でお使いクエストをやって、ステータスを上げておきたいから」
「私も同じね。街中のクエストでステータス上昇ができるなら、そっちの方を進めておきたいわ」
「そっか、わかったよ。それじゃあ、2人とも頑張ってきてね」
「うん、リーンちゃんもレベル上げに行くなら気をつけてね」
「厳しそうだったら連絡を頂戴。手伝いに行くから」
「多分、大丈夫だよ。またね、2人とも」
お使いクエストに向かう2人を見送って、ボクはこれからの予定を改めて考えて見る。
……でも、やっぱりお使いクエストか、レベル上げになっちゃうよね。
どうしたものか悩んでいると、ユーリさんが談話室にやってきたよ。
「あら、こんばんは、リーンちゃん。今日はどうしたの?」
「あ、ユーリさん、こんばんは。これからなにをしようか悩んでいたところだよ」
「あらそうなんだ。ちなみに、今後の予定とかはどうなっているのかしら」
「3日後くらいにエリアボスに挑みたいって皆が言ってたよ。ボクもそれに参加するつもり」
「そうなのね。だったら、従魔のレベルを上げて進化をしておいた方がいいわね」
「やっぱり進化してると強さが違うの?」
「基本的にスキルが増えるから、大分強さが違うわね。AIも進化先にあわせたものに変わるから、かなりの強化が見込めるわよ」
「そうなんだね。ちなみに、進化ってどれくらいのレベルからできるの?」
「一番低いレベルのモンスターだったら、レベル15で進化可能ね。ファーラビットやワイルドドッグ、プレーンウルフがそれにあたるかしら」
なるほど、レベル15なんだね。
パートナー一覧を確認したら、黒号がレベル14、プリムとシルヴァンが13でもうすぐ上がるね。
そう言えば、フォレストキャットやナイトオウルはどれくらいで進化なんだろう?
「ユーリさん、フォレストキャットやナイトオウルはどれくらいで進化なのかな?」
「あら、ナイトオウルに続いてフォレストキャットもテイムしてたのね。それらはレベル20で進化よ。あと、シズクちゃん、つまりはライトニングシーズーは25で進化ね」
「そうなんだね。それじゃあ、まずはレベル15で進化する子たちを進化させた方がいい?」
「そうなるわね。特にワイルドドッグはタンクとして育てているんでしょう? なら、進化させればタンクとしてさらに役立つわよ」
「そっか、わかったよ。それじゃあ、今日の夜はそっちの進化を目指して頑張ることにするよ」
「ええ、頑張ってね。……そういえば、シズクちゃんのレベルっていくつかしら? リーンちゃんのレベルから考えると、2回目のスキルカスタマイズとスキル取得ができるはずだけど」
「……ああ、そういえばそうだったよ。ユーリさん、お薦めってある?」
「そうねぇ。ライトニングシーズーの2個目のスキルは【魔法威力上昇】と【魔法高速化】だったかしら。【魔法威力上昇】はその名前の通り、全ての魔法の攻撃力を高めるスキルね。【魔法高速化】は魔法のリキャストタイムと詠唱時間を短縮するスキルね。普通だったら【魔法威力上昇】をお薦めするんだけど、【マジックオーバーアタックⅠ】を覚えていない以上、どちらを覚えても特に大差ないわね」
「【マジックオーバーアタックⅠ】を覚えてたら違うの?」
「【魔法威力上昇】との相乗効果でダメージが1.4倍くらいまで上がるからね。大分違うわよ。ただ、前提スキルがない以上、どちらでも問題ない、というより、高速で下級魔法を連射できるようになる【魔法高速化】の方が便利かしら。下級魔法の消費MPなら、そうそう枯渇しないし」
「なるほど……。それじゃあ、スキルは【魔法高速化】を覚える事にするよ。スキルカスタマイズはどうしたらいいかな?」
「そっちは【雷魔法攻撃力強化】か【下級魔法取得Ⅱ】になってるはずだから、【下級魔法取得Ⅱ】の方がいいと思うわよ。半端に下級魔法を覚えるよりは、突き抜けてしまった方が役立つだろうしね。【下級魔法取得Ⅱ】で覚える魔法は……あった、【ライトニングバレット】と【ライトニングジャベリン】ね」
「それってどんな魔法?」
「【ライトニングバレット】は威力が低い代わりに連射力の高い弾丸を撃ち出す魔法、【ライトニングジャベリン】は真逆で連射力は低い代わりに高威力な雷の槍を放つ魔法ね」
「ありがとう、ユーリさん。それじゃあ、早速シズクちゃんに覚えさせてみるよ」
忘れないうちにシズクちゃんのスキルを設定するよ。
きちんと【魔法高速化】と【下級魔法取得Ⅱ】を設定して、準備は万全だね!
「それじゃあ、リーンちゃんもこれからレベル上げかしら?」
「そうだね……。その前に、ギルドの資料整理だけ受けてから行こうかな?」
「リーンちゃんのレベルならベルの森でレベル上げでしょうけど、十分に気をつけてね。特に、ネームドはかなり強いから」
「ネームドは多分大丈夫じゃないかな? この前のナイトオウルのネームドに続いて、フォレストキャットのネームドも仲間にしたからね」
「……なかなか運がいいのね。ともかく気をつけて行ってらっしゃい」
「はーい。またね、ユーリさん」
ユーリさんに見送られてボクもギルドを後にすることにしたよ。
さて、それじゃあ、『ギルドの資料整理』クエストをやったらレベル上げの旅に出発だね。
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