16.初めてのパーティ結成です!
ユーリさんのパートナーのお世話を手伝った後は、いい時間になってしまったのでログアウトです。
ログアウトしたら、少し勉強をしてご飯を食べてお風呂に入って寝る支度を調えてしまいますよ。
ログインをする準備ができたら早速ログインです。
できれば、今日のうちにファーラビットを入手してきたいですからね!
という訳で、やってきました瑠璃色の風。
街の外に
ユーリさんから何か情報を聞き出せるかもしれませんしね。
……攻略サイト?
時間がないのでファーラビットを仲間にしてから閲覧しますよ。
瑠璃色の風の休憩室に到着すると、昼間とは違ってそれなりに人がいますね。
これって、皆さんプレイヤーなんでしょうね。
知らない人にいきなり挨拶するのも勇気がいりますし、見知った顔を探してみましょう。
……とは言ってもユーリさんを筆頭にガイルさんとシリルさんしか知らないのですが。
辺りを見回しているとガイルさんを発見です。
早速
「ガイルさん、こんばんはです」
「うん、リーンか。お前もログインしてきたのか?」
「はい、ボクもログインしたところです。それにしても昼間とは違ってたくさん人がいますね」
「それはそうだろ。一般的な学生や社会人は昼間になんてログインできないしな。今日は休日だがその辺はかわんねーよ」
「……つまり、午前中もいたガイルさんは一般的な学生ではないんだ」
「俺は大学生だよ。とっくに春期休暇に入ってるさ。それよりもちょうどよかった。お前さんにこれを渡したかったんだ」
「……これは蛇腹剣です? 武器なら昼間にもらった物がまだまだ現役ですよ?」
「こいつは昼間のに比べて攻撃力を上げた物だよ。あと、昼間に魔石も手に入れたんだろ? だったらこいつを強化する事で、杖のように魔法の発動補助装備にできるようにもなってるぜ」
「発動補助装備です? それってなんでしょう?」
「あー、わかりやすく言うと魔法攻撃力が上がる装備だな。テイマーなら魔法も多少は使えるだろ?」
「一応光魔法はとってますよ」
「なら、魔法攻撃力も上げておいた方がいいだろ。いちいち杖に持ち替えなくてもいいわけだしな」
「そう言う事でしたらお言葉に甘えて。それで魔石はどのくらい渡せばいいのですか?」
「光魔法の使い手なら光属性の魔石があればそれ1つで構わないぞ。この剣も試作品だから、魔石を1つしか組み込めないようになってるからな」
光属性の魔石なら1個ありますね。
これを渡しましょう。
「それじゃあ、これでお願いします」
「よっしゃ、任された。それじゃあ、魔石をここにはめてっと。よしできたぞ」
「随分と早いですね。大丈夫です?」
「ああ、問題ない。それじゃ、これを持って行ってくれ」
「それはありがたいのですが。先立つものが……」
「ああ、金の心配なら気にするな。そいつも試作品だからな。気になるんだったら使い勝手を教えてくれればそれでいいからよ」
「そう言う事なら遠慮なく貰いますよ。ありがとうございます、ガイルさん」
「おう、あまり気にするな」
新しくもらった武器の名前は『蛇腹剣・魔法式試作1型』、物理攻撃力が13に魔法攻撃力が6だって。
……これ、初心者の杖ももういらない子だよね。
開始1日目でこんなに良い装備をもらってもいいのかな。
……特別、誰かにおねだりして貢がせてるわけじゃないしいいか!
「さて、装備も渡し終わった事だし。お前さん、これからどうするんだ?」
「ボクはこれからボクの野望を次のステップへと進めるのです」
「……ああ、モフモフを捕まえに行くって事か。目標はファーラビットか?」
「うん、そうだよ」
「そうか。……そうだな、どうせだからレベルの近い者同士でパーティを組んで行ってみたらどうだ?」
パーティですか。
あまり興味はないんだけど、先輩のすすめだし今日は従っておこう。
「構いませんよ。それで、パーティってどうやって組むの?」
「そうだな。まずはパーティメンバーを誰にするかだが……。お、ユーリいいところに」
「ガイル、何か用?」
「リーンにパーティプレイを体験させようと思ってな。引率を頼む」
「わかった。リーンちゃんは私が連れてきたんだし、OKよ」
「後はメンバーだが……。さて、誰がいいかな?」
「リーンちゃんは中衛から後衛なんだし、前衛の壁役が1人に攻撃役が1人といったところじゃない?」
「そうだな。目標はファーラビットのテイムだからそんなに強いやつは必要ないし……レッド、スズカ、こっちに来てくれ!」
ガイルさんに呼ばれてやってきたのは、ボクと同じくらいの年齢の男の子と女の子。
男子の方は犬獣人で女子の方は猫獣人だね。
装備品は男子の方が金属鎧、女子の方は革鎧を身につけてるよ。
「なんですかガイルさん。これから狩りに行く準備で忙しいですけど」
「カイルさん、ユーリさん、こんばんは。……その女の子は?」
「こいつはリーン。今朝俺達のギルドに加わった新人だ。リーン、この2人はレッドとスズカ。お前と同じで最近ギルドに入った新人だな」
「そうなんだ。ボクはリーン、よろしく」
「えっと、スズカです。よろしくお願いします」
「レッドだ。……それで、一体何の用事ですか? 今日こそはあのウルフどもにリベンジしてやるつもりなのに」
「お前はまだプレーンウルフに挑んでるのか。まだ早いって言ってんだろ。まあいい。2人とも今日は、リーンがファーラビットのテイムに行くからその手伝いを頼みたい」
「はぁ? 今更、ファーラビット? 俺のレベルはもう7ですよ。あんなザコ、相手にしてられませんよ」
「お前はパーティで連携する事を覚えてないからな。今日のところはその確認をしてこい。ファーラビットのテイムが終わったらプレーンウルフの討伐を手伝ってやるように伝えるからよ」
「ちぇっ、わかりましたよ。それで、行くのはこの4人ですか?」
「あと1人くらい引率がほしいところだな……。おい、斬魔、今暇か?」
斬魔と呼ばれた人はボク達よりも立派な体格をした犬獣人。
装備もボクよりずっと立派な感じだし、引率って言われてたからこの人も先輩プレイヤーかな?
「ガイルか。特に用事はないが、何かあったか?」
「すまないが、こいつらの引率を頼みたい。目的はファーラビットのテイム、その後にプレーンウルフの討伐だ」
「わかった。それで今すぐに向かうのか?」
「そうだ。準備はできてるのか?」
「ボクはすぐにでもでたいところだよ!」
「私も問題ありません」
「俺も問題ないぜ。さっさとこんな面倒な事終わらせて、ウルフにリベンジしなきゃいけないんだから早く行くぞ」
「……相変わらずレッドは協調性がないな。俺の方も問題ない」
「私も問題ないかな。それじゃあ、皆出発できるって事で、出発ね」
「ああ、ファーラビットなんてどうでもいいやつらはさっさと蹴散らしてウルフ狩りに行くぞ!」
「今日のところはファーラビットのテイムだって言ってるだろうが……ユーリに斬魔、悪いが引率よろしく頼むぞ」
「わかった。行ってくる」
「苦労しそうだけど、行ってくるわ」
うーん、諸先輩方の反応がよろしくないよね。
このレッドとかいう人大丈夫なのかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます