2.infini fantaisie(アンフィニ ファンテジー)開始します!
本日は序章終了まで更新という事で合計3話投稿いたします。
この話は2話目です。
1話目がまだの方はそちらからどうぞ。
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明くる日の朝、ボクは両親にしっかりとゲームを始めるための了解をもらい、大急ぎでゲームライセンスを購入するための軍資金を持って街へと繰り出したよ。
両親も立華がゲームをプレイしているというのに、ボクがプレイすることを拒むことはできず、3食ちゃんと取る事やあまり夜更かししないことを条件にゲームを認めてくれた。
物わかりがいい両親に感謝だね。
さて、ゲームライセンスについては、まだ朝早い段階であって家電量販店とかでパッケージ版を買う事ができない。
ならば、コンビニに行って電子マネーを購入し、そこから支払えばいいのだよ。
という訳で、ボクは近所のコンビニに突撃、ゲームライセンスの購入(両親からの援助)とゲーム内課金用(ボクの軍資金)の電子マネーを購入して急いで家に帰宅する。
ゲームは逃げないけれど、早く帰ればその分長い間モフモフを堪能できるからね!
そんなわけで、大急ぎでボクの部屋へと帰宅。
ここまで急いだのは、小学校の時に遅刻まであと20分という時間に起きたとき以来かも。
いやー、あの時は焦ったね。
結局間に合ったからセーフだけど。
ボクの部屋に戻ったら早速、ゲームの購入手続きを行い、サクッと課金も済ませてしまう。
こういうときは、思い立ったが吉日ってね。
ゲームソフトのダウンロード開始の準備も整って、VRギアをパソコンに接続したらゲームのダウンロードを開始する。
ダウンロードの残り時間表示を確認すると、残り80分弱と表示されているので、待ち時間を利用して昨日調べたことのおさらいだよ。
使役系職業と呼ばれる『サマナー』と『テイマー』はパートナーと一緒に戦うことができる。
パートナーは1匹目はパーティメンバーにカウントされないけど、2匹目以降はパーティメンバーの1人としてカウントされるらしい。
ボクはあまり冒険するつもりはないし、この辺は適当に覚えておけばいいかな。
『サマナー』と『テイマー』以外がパートナーと一緒に戦いたい場合は、『使役の心得』って言う専用のスキルを覚えなきゃダメらしいんだ。
しかもこのスキル、結構後の方にならないと覚えられないらしいので、『サマナー』と『テイマー』以外の職業はボクの中では事前段階から没という事だね。
それから、こっちは大事なんだけど昨日調べていたとおり、召喚獣を扱う『サマナー』と従魔を扱う『テイマー』はゲーム開始時に最初の相棒、つまりパートナーをプレゼントされるんだって。
このとき渡されるパートナーは、基本的にゲーム序盤で仲間にできるモンスターから選ぶか、ランダムエッグと言って何がでるかはわからないけど運が良ければ強いパートナーを入手できるものにするかを選べるとか。
その他にも通常では選べないパートナーをいきなり入手する方法は存在してるけどね。
それが先程紹介した課金によるパートナーの入手!
ゲームスタート時から課金を要求されるのは、まだ高校生にもなっていないボクには痛手だけどそうも言ってられない。
なにせ、ボクのお目当てである『ライトニングシーズー』はフワフワの毛並みを持った最上のモフモフなんだから!
お値段、3,000円はちょっと厳しいけど、お小遣いはため込んでるしこの程度の課金だったらよゆーよゆー。
ちなみに、このライトニングシーズーだけど、戦闘力の部分について現在では微妙な子として認識されてしまっているらしい。
何でもこの子は、雷属性の中級魔法しか最初は覚えておらず、物理攻撃力はその見た目通りにささやかなものしかない。
レベルが低く、MPの少ない間から高火力・高消費の中級魔法しか使えないって言うのはとっても厳しいものがあるとか。
なので、攻略サイトでは『2匹目以降の火力枠としてはそこそこ有効。でも、やっぱり戦闘力は微妙』と評価されてた。
でも、ボクにとって他人の評価なんて関係ない!
ボクはボクの目的であるモフモフ王国を築くために、この子を選ぶんだからね!
ちなみに、昨日悩んだグリフォン――正確にはプチグリフォン――は、お値段4,000円だけど、ライトニングシーズーとは違って戦闘力も結構高いらしい。
賢くて使い勝手のいい魔法を覚える事ができる上に物理攻撃力も高い。
なので、ボクが調べた攻略サイトでは最初に課金パートナーで入手するなら断然オススメ! となっていた。
でも、ボクはそんな事は気にせずにライトニングシーズーを選ぶんだもんね。
その後はプレイヤーが選べる種族やらステータスについて、それにキャラメイク時に選択するスキル5種類を選んでいたら、ゲームのダウンロードが終了していつでも起動できるようになっていた。
VRギアを装着し、ボクは『infini fantaisie』の世界へと足を踏み入れる。
待っててボクのモフモフ天国!!
ゲームにログインすると、そこは真っ白な何もない空間だった。
辺りを見回していたらいきなり目の前に天使様が現れたときはびっくりしたよ。
天使様の説明にによると、ここは『infini fantaisie』の舞台である『アドラステア世界』で冒険するための体、要するにキャラメイクをする場所らしいよ。
そして、プレイヤー達の目的は天使様の上司である女神様の使徒として、世界をよりよい方向に導いていくことらしい。
キャラメイクについても事前に調べてどんな感じにするのかは決めておいたので、ここはさっくり終わらせてしまう。
え、どんな感じにしたのかって?
まずプレイヤーネームは名前と名字を決めなきゃいけなかったから『リーン=プレイバード』って名前にしたよ。
名前の由来は本名をちょっといじった感じかな。
響だから鈴が鳴る音でリーンってね。
……センスがないのは知ってるけど、この手のゲームは本名禁止なんで仕方が無いのだよ。
容姿については目元や口元をちょっぴりいじって、髪を腰まで伸ばしつつ色を白色に変えたくらいだよ。
それだけでも面白い具合に雰囲気が変わるんだよね。
それこそ、よっぽど親しい人間でもない限りはボクだって気付かないくらいに。
それから、種族はハーフリングにしてみた。
元々あまり背が高くなかった事が幸いしたのか、あまり背の高さは変わらなかったけど、やっぱりちょっと悔しい。
そして、ボク的には肝心な部分についてだけど、そっちはリアルのささやかさからいじることができなかった。
……ゲームなんだし少しぐらい盛らせてくれてもいいじゃないのさ。
次はの職業選択!
ボクは迷わずに『テイマー』を選択したよ。
『サマナー』と『テイマー』の違いだけど、『サマナー』は最大MPを減らしてパートナーを召喚、それから召喚中にMPを一定値減少させる代わりにパートナーを強化できて、『テイマー』はパートナーを呼び出すのにMPは必要ないけどパートナーを強化することが出来ないんだ。
で、ボクが『テイマー』を選んだ最大の理由なんだけど、『サマナー』の初期MPだと『ライトニングシーズー』を呼び出せないんだよね。
『ライトニングシーズー』とモフモフしたくてゲームを始めるのに、それを呼び出せないとか本末転倒過ぎるでしょう……
でも、『テイマー』も育てていけばパートナーを強化できるスキルを覚えるらしいから、そこはあまり気にしていないかな?
何より、ボクにとってはモフモフを楽しむことが一番大切なわけで、戦闘とか冒険なんて二の次なんだからね。
職業が決まったらお待ちかねのパートナー選択!
ボクは一切迷わずに課金枠を選択して『ライトニングシーズー』を選ぶ。
ボクの迷いのない行動に天使様がライトニングシーズーのメリットやデメリットを色々と説明してくれるが、ボクはこの子に会うためにゲームを始めたんだからまったく問題なし!
天使様の説明が終わると、ボクの目の前にボクの頭ほどのサイズがあるタマゴが出てきた。
このタマゴの中に最初のパートナーが入っており、キャラメイクが完了するとタマゴからかえって仲間になってくれるみたい。
2匹目以降のパートナーについては、自力で『テイム』というスキルを使って仲間にしたり、街で買い取ったり、イベントで仲間になったりなど色々な方法で増やせるらしいよ。
あと、今回みたいに課金で手に入れることもできるらしいけど、課金で手に入る子達もゲーム内で普通に入手することが可能らしいし、何よりゲームバランスが崩れるからあまりオススメはしないんだって。
……ボクはカワイイモフモフに囲まれてすごせればそれで満足だからあまり気にしなくてもいいかな。
あと、課金枠で購入できるパートナー数には制限があって、最初期で課金パートナーを入手できる最大数は3匹までらしい。
プレイヤーレベルが成長したり、特別なイベントをクリアしたりで増えるけど、ご利用は計画的にってやつだね!
最後に職業固有スキル以外で最初に覚える事が出来るスキルを5つ選ぶ。
最初は15ポイント分のスキルポイントを使ってスキルを選ぶんだって。
スキル取得で余ったスキルポイントはゲーム開始時のスキルポイントに加算されるらしいよ。
あと、スキルポイントを略してSPと呼ぶらしい。
ボクが選択したスキルは【鞭】【光魔法】【料理】【調合】【気配察知】の5つ。
【鞭】はその名前通り鞭で相手を攻撃するスキルで、テイムの成功率が上がるらしいと言う噂だったので取得した。
【光魔法】は回復魔法も覚えることができるので迷わず取得。
【水魔法】も回復魔法を覚えられるんだけど、少し高レベルにならないと覚えられないから断念。
【料理】【調合】はパートナーに与える食事とお薬を自分で用意するために覚えました!
最後の【気配察知】だけど、目に見えないモンスターの居場所や様子をミニマップ上に表示してくれるって言う便利スキルで、スキル枠が余ったから取っちゃった。
頑張ればゲーム内でも覚える事が出来るらしいけど、ボクにそんな技術はないからねぇ……
キャラメイクも無事に終了したところで天使様に見送られながら、ボクはアドラステア世界に向かって旅立つ。
もちろん、最初のパートナーが入っているタマゴを大事に抱えながらね。
真っ白な部屋の中から天使様が消え、周りの色もうっすらとし始めて部屋が消えていった。
そして、ボクが放り出された場所はなんと地表より遥か上空の何もない場所だった。
「嘘でしょー!!」
ボクの絶叫も空しく、ボクの体はゆっくりと地面に向けて下降し始めたよ。
あの天使様、今度あったら絶対に文句を言ってやるんだから!!
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